英文系編入試験の特徴

こんにちは。英文系スタッフのnobiです。
今回は英文系編入試験の特徴について書いてみようと思います。

◎英文系学科で学べること
英文系の編入先で学べる分野は主に以下の3つです。
 ・文学(イギリス文学、アメリカ文学)
 ・言語学(音韻論、統語論、意味論、語用論、社会言語学など)
 ・英語教育
看板が「文学部」であっても、受験する学部学科に上記分野を専門とする先生がいれば、その分野から志望理由書の研究テーマを設定することができます。今の時期にしっかり情報収集をしておけば、この先の準備もスムーズに進みます。大学のホームページや募集要項で教員の情報を収集し、メモやノートに整理しておきましょう。

◎英語試験
英文系編入試験で、合否を大きく左右するのが英語の試験です。小論文や専門試験は実施せず、筆記試験は英語のみというところも多く(特に関東の大学)、「専門試験」の枠で専門的な内容の英語長文の要約や読解をさせるところもあります。
また、対策しなければならない試験形式としても、
 ・英文和訳
 ・和文英訳
 ・長文読解(記述、要約など)
 ・エッセイライティング
 ・総合問題(内容一致、文法語法穴埋め問題など)
等々、大学によって様々です。受験する大学の出題傾向を早めにつかんでおきましょう。

◎小論文、専門試験
地方国公立大では小論文試験が課されることろもあります。形式としては「課題文型」か「テーマ型」、出題内容としては「文学・言語・文化」といった英文系学科に関連するものが多いですが、「社会・時事・歴史」といった内容が出題されることもあります。専門試験を実施する大学は少ないです。出題される大学を受ける場合には、過去問で傾向をつかんでおくことが重要です。

◎面接
英語面接を行う大学が多い、というのも英文系編入の特徴です。英語面接の中身としては、日常会話程度でおしまいということあれば、志望理由についてしっかり話させることもあり、また、英検の二次試験のように英文を手渡され、その内容について質疑が行われるといった形式の試験を面接内で行う大学もあります。
募集要項に英語面接に関して明記されている場合もありますが、昨年度までは日本語面接のみだったのにいきなり英語面接が始まった、というようなケースもまれにあります。英文系学科への編入を目指す場合には、どの大学を受けるにせよ、日英両方の面接対策をしておいたほうがよいでしょう。

◎英語資格試験、事前審査
出願時にTOEIC、TOEFL、IELTS等のスコア提出を求める大学が増えてきています。また英文系では4技能のスコアが求められることが多いです。中央ゼミナールの下記のページでまとめていますので、ぜひ活用してください。
https://www.chuo-seminar.ac.jp/transfer/english/

また、出願の前に受験資格について事前審査を行う大学もありますし、出願時の単位に関して細かい決めごとを設けている大学もあります。昨年度の募集要項を参考にして、どのような準備が必要なのかを早め早めに確認しておくことが重要です。

「日文系」ってどんな分野?

こんにちは、しらのです。

今回は日本文学・日本語学分野、通称「日文系」に関して、①編入後どんなことを学べる分野か、②どんな試験勉強が必要か、をご紹介します。


日文系で学べること

まずは最初に挙げた日本文学(国文学)、日本語学(国語学)です。

文学であれば、文学作品やその成り立ち、生みだした作家、そして作られた時代状況などに関心を当てます。言語学の方はそもそも「国語」と「日本語」の使い分け自体がおもしろいですが、種々の言語現象や日本語の歴史的変化、地域的差異、そして言語教育などに目を向けます。

それ以外にも、大学によっては日文系の学部・学科に、芸能や映像作品、衣食住などの生活史を専門とする教員や、特定地域の独自の伝統文化・習俗を追究する民俗学の教員が所属していることもあります。みなさんの行きたいと思っている大学にどんな先生がいるのか、ぜひぜひ調べてみましょう!



②-1 日文系の試験勉強~英語編

基本的にはこれに関して、分野によって大きな違いはありません。扱う内容がその分野寄りになるくらいで、中堅私立あたりなら選択問題の数が多く、いわゆる難関校ほど記述問題の比率が大きくなっていきます。

とはいえ、中でも日文系は比較的易しめで専門性の高くない文章が出ると言ってよいでしょう。したがって、基本的な語彙と文法を押さえ、それなりの長さの文を丁寧に訳せる力が求められています。中には筆記の代わりに外部試験のスコアを求める大学や、英語を課さない大学もありますが、あまり数は多くありません。


②-2 日文系の試験勉強~専門編

多くの大学で課されるのが、「現代文」「古文」「文学史」の3点セットです。いずれも大学受験レベルと考えてよいですが、古文ではとりあげられた作品の時代に関する知識を踏まえた問題が出ることもあります。また、特定の時代の文章を好んで出す大学もあります。

その中のさらに一部の大学で出されるものとして、「漢文」「くずし字」があります。漢文はまれに白文が出ますが、その場合はごく短文です。くずし字は聞き慣れない人がいるかもしれません。そば屋さんの暖簾(のれん)でこんな字見たことないでしょうか?

「生(き)そば」と書いてあります。今でこそ、ひらがなは“a”なら「安」由来の「あ」と決まっていますが、昔はさまざまな漢字を基にして自由にひらがなを書いていたんですね。そのバラエティ豊かなひらがなが「くずし字」です。上の「そ」と「は」はそれぞれ「楚」と「者」から来たものです。・・・言われてみれば、原型が残っている気もするでしょう? 大学によっては、この字(文)読める~?と聞いてくるところもあるわけで、どんな漢字がくずし字として使われるのか押さえておく必要があります。まぁ、あくまで一部の大学ですが。

あとは、いくつかの大学では「日本語学」「日本語教育学」が別に出題されます。日常的な言語使用の延長線上で考えられる問題もありますが、専門的な勉強を必要とするものもそれなりにあります。もちろん小論文を課す大学も少なくないので、その経験も積んでおきたいですね。

今回の紹介は以上です。

次回は英文系でお届けする予定です。それでは!

「人文系」ではどんな勉強をするの?

こんにちは、しらのです。

 春休みも半ばになってきたので、編入試験について情報をいろいろ書いていきます!
 でもその前に今回は、そもそもこのブログの「人文系」ってどんなものなのか、人文系の各分野にどんなふうに触れていったらいいのか、ざっくり説明したいと思います。


 「人文系」というのは、平たく言えば「テキストを読むこと・書くことに関心を持ち(文学・言語)、またテキストの読解・作成を通じて事実(歴史)や物事の本質(哲学)をつかもうとしてきた」分野です。また、広く創作活動も研究対象になるので、芸術作品などについて勉強したいというときにも人文系というくくりで考えます。

 ただ、上に出てきただけでも「文学・言語・歴史・哲学・芸術」と、自分には何が向いているんだろうと迷ってしまいますよね。そういう、どの分野の学科にしようか迷っている方、新たな分野に挑戦しようという方は、まずはその分野がどのようなものか、イメージをつかむことが大切です。以下では各分野で最初にどうアプローチしたらいいか、 ご紹介します。


文学系・哲学系
 ・・・芸術もそうですが、まずは作品や考え方に触れてみましょう。お勧めの文学作品や読み物を、以下に挙げておきます。

 英文系・・・ヘミングウェイ『老人と海』、シェイクスピア『十二夜』など

 日文系・・・夏目漱石『夢十夜』、芥川龍之介『鼻』など

 独文系・・・シラー『ヴィルヘルム・テル』、カフカ『変身』など

 仏文系・・・ヴェルヌ『十五少年漂流記』、モーパッサン短編集など

 哲学系・・・『ソフィーの世界』(NHK出版)など

 これらの分野にある程度親しみがあるという方は、各国文学史や哲学史などの入門書に当たり、大まかな時代ごとの特徴や変遷をつかむようにするとよいでしょう。加えて、日文系の古典の読解については、高校時代の教科書でいいので、古文の基礎を復習しておくとよいですね。

歴史系
 ・・・これまで全く歴史に触れずに来たという方はいないと思います。市販もされている山川出版社の歴史教科書をベースにして、時代の流れを追っていきましょう。

言語学系
 ・・・言語に対しては、音、意味、文法、使われ方など、さまざまなフォーカスの当て方がありえます。自分の関心のある言語の興味深い表現や現象をピックアップして考えてみるとよいでしょう。入門書としては、黒田龍之介『はじめての言語学』をお勧めします。


 今回の案内は以上になります。受験プランやもう少し具体的な勉強法などについて聞いてみたい方は、以下のURLを参考に、中央ゼミナールの説明会や事前相談をご利用ください。お待ちしてます!

中央ゼミナール 入学案内
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