編入学試験募集要項の主な注目点①

 こんにちは、しらのです。

 編入対策の概要について一通り紹介してもらったので、今回は編入学試験の募集要項の主要なチェックポイントについて、整理してみたいと思います。

 

①募集人員

 ・・・「何人とってくれるか」に注目が行きがちで、それももちろん大事な情報ではあるのですが、一番重要なのは「どの学部・学科、年次で募集がかけられているか」ということです。募集学部・学科が頻繁に変わりがちな大学としては、法政、日本女子、同志社といったところが挙げられます。自分の目指す学部・学科に募集があるのかを、まず確認しましょう。

 

②出願資格

 ・・・四大在学中で編入を希望する場合には、当然編入時の単位取得(見込)数が重要な要件となります。2年次編入で30単位前後、3年次編入で62単位が一般的ですが、例外もあり、上智大学(3年次)は例年出願時に60単位を要求しています。

 それ以外の要件として、「短大卒」「高専卒」「外国教育機関で以上のような学校教育14年の課程修了相当」「外国大学等の日本校で学校教育14年の課程修了相当」「専門学校卒」「高校等専攻科修了」(いずれも「見込」可の場合が多い)などがありえますが、どの要件で受け入れるかは大学や学部によって大きく異なってきます。また、社会人が受験する場合には、英語試験を免除するなど、別の種類の編入学試験を用意しているところもあります。

 大学・学部の提示する以上のような要件のいずれかを満たしていれば、基本的には出身の学校どころか学部・学科にかかわらず、編入学試験を受験することが可能です。ただ、最近は外部語学試験のスコアを求めるところも多くなっているため、志望先に要求される具体的な点数があるなら、出願期間と併せて確認し、スコア獲得の戦略を練っておきましょう。

 

 次回は出願手続や試験内容について迫っていきます。

志望理由書の書き方について

歴史系指導スタッフのsusacです。今回は編入学試験に特有の志望理由書についての注意事項について書き連ねてみたいと思います。当校で開催している説明会などではよくお話するのですが、編入学試験においては筆記試験が重要なのはもちろんなのですけれども、それに劣らない重要性を持つのが今回お話する志望理由書という書類になります。大学によっては一次試験の合否をこの志望理由書(名称は大学によって異なる)で判断し、不合格の場合には筆記試験に進ませないという大学もあります。また大学によりますが、多いところでは2000字近く書かせるところもあります。


1、志望理由書とは

では、そもそも志望理由書とはいったい何なのかという点から申し上げましょう。簡単に申し上げれば


①「編入試験に合格した後、一体いかなる勉強を具体的にしたいと考えているのか」

②「なぜ数ある大学の中からある大学を志望校に選択しそこに行こうと考えているのか」


これらを軸にして簡潔的かつ説得力をもって試験官にアピールする書類です。書く内容についてはこれ以外にもあり、志望理由書の型がありますが、いずれにせよこれを出願時に提出するという大学がほとんどです。編入後にどんな勉強をしたいのか、そしてなぜ志望する大学に入りたいのか、この点が魅力的なものとなっていなければ、せっかく筆記試験がある程度できても「この人は本当に勉強したいという熱意があるのかな」・「この大学に見合う研究の着眼点を持っているのかな」、あるいは「この人は本当にこの大学に入りたいのかな」と疑念を抱かせることになってしまいます。さらに、この志望理由書を土台に面接試験が行われることがほとんどですので、面接試験の骨格となるものと考えることもできるでしょう。


2、志望理由書の内容について


では次に志望理由書に書く内容ですが、先述のように①と②が軸となりますが、それ以外にも書かなれければならない事項はいくつかあります。しかしブログの分量の観点からそちらは割愛しますので、気になる方はぜひ当校が開催する志望理由書ガイダンスにお越しいただければ幸です。ここでは、


①「編入試験に合格した後、一体いかなる勉強を具体的にしたいと考えているのか」


この点について少し掘り下げたいと思います。
まず注意する必要があるのは、入学後に勉強したいことを漠然と記すだけでは説得力ある内容にならないという点です。歴史学でいえば、


「明治維新について勉強したい」


では漠然とし過ぎています。「明治維新後を実現した薩摩・長州藩について勉強したい」これでもまだ漠然としていますね。「明治維新・薩摩藩・長州藩」の概要については、その分野の大学の先生であればある程度すでに知っていますから何か具体的かつオリジナリティーのあるテーマでなければ試験官である先生たちにとって魅力的ではないわけです。薩摩藩・長州藩の何を研究したいのか掘り下げる必要があります。


「明治時代は長州藩が牽引したにもかかわらず、なぜ地元の開発はさほど進まなかったのか」。


ここまで来ると具体性がようやく出てきますね。ここまでくれば、その分野の大学の先生でも詳しくない人もいるでしょうから、改めて研究をしたいと志望理由書に書いた場合に「面白そうだね」となるわけです。要するに、「編入試験に合格したのち一体いかなる勉強を具体的にしたいと考えているのか」については、これまで蓄積されてきた研究を踏まえて、自分なりの独創性のある研究内容にする必要があるのです。


3、志望理由書の対策の仕方

最後に、では2のような内容の志望理由書にするにはどういった対策が必要かをお話しましょう。まず自分が大まかにどういった勉強を入学後したいのか自らの関心を探るために、アカデミックな内容のとっつきやすい本を読んでおく必要があります。中ゼミでよくお勧めするのは本屋にいけばすぐ見つかるような新書の類ですね。内容はアカデミックなものを扱いつつ、一般の人にも読めるように書かれていますから、入口としては最適でしょう。自分の関心のありそうな新書を手にして、読み進める中でさらに自分の関心をより具体化していけばよいのです。気になる点、疑問点はないかということを常に頭におきつつ読んでいけば、おのずと具体的な関心が浮かび上がってくるでしょう。それができれば今度は、先述のようにオリジナリティーが必要ですから、自分が関心を持った点についてすでに研究している人は他にいないかな、と「先行研究」と呼ばれるものを探します。そこで、他に研究している人がいなければ、晴れてそれは自分の研究テーマになるわけです。


ここまでくれば、その勉強ができそうな授業や環境が整っている大学に行きたいですよね。ですから、「~の研究をしたい」だから「~~の研究ができそうな授業・環境が整っている~~大学を志望しました」とすれば、1の②で述べた「なぜ数ある大学の中からある大学を志望校に選択しそこに行こうと考えているのか」、という志望大学の志望理由も解決するわけです。


もちろん、このように順調に志望理由書をかけるばかりではありません。研究テーマを見つけるのに苦労する人もいるでしょう。そこで我々の出番です。当校ではそれぞれの研究分野のスタッフである我々が志望理由書のお手伝いもさせて頂きますから、ぜひお気軽にお頼り下さい。いつでもお問い合わせお待ちしております。


長文最後までお付き合いいただき感謝申し上げます。

小論文を書く際の注意点

英文系スタッフのnobiです。今回は小論文を書く際に注意しておくべきことをいくつか書いてみようと思います。特に、小論文に取り組み始めたばかりの人を念頭に置いてお話をします。

◎書き始める前に「アウトライン」を作る
小論文は「序論・本論・結論」の3部で構成します(求められている字数に応じて、本論の段落の数は変わります)。何のプランもなく書き始めて、きちんと構成された小論文を書き上げることはできません。「それぞれの部分で何を書くか」を書き始める前に決めておく、すなわち、きちんと「ゴール」を見据えてから、解答用紙に文章を書き始めていきましょう。

◎小論文の目的は「読み手(=採点者)を説得すること」である
「テーマ型」にせよ「課題文型」にせよ、小論文では「あなたの意見」を書くことが求められます。「あるテーマについて知っていることを、ただただ羅列した文章」は小論文ではありません。

・その小論文での主張を「1つ」にしぼる
・その主張を「序論」で明確に書く

ということをまず意識しましょう。

◎1つの段落に1つのトピック
序論で主張を言い放っただけでは、読み手を説得することはできません。その意見に対して適切な根拠を提示する必要があります。小論文の本論ではこの「根拠(理由や例)」を述べていきます。800字程度の小論文であれば、本論の段落を2つ準備します。
本論の段落を書く際には、各段落の内容的な「まとまり」に注意しましょう。ここでも「知っている内容の単なる羅列」は避けるべきです。「思いついた内容をできるだけたくさん書いておきたい」という気持ちも理解できますが、「段落が内容的なまとまりを欠く」ということは減点の対象となります。アウトライン作成の際に(ある意味、心を鬼にして)内容の取捨選択をしましょう。
その段落を読み終わったときに「見出し」を付けることができるか、ということを目安にするとよいでしょう。

◎結論で余計なことは言わない
結論部分の役割は「本論のまとめ」と「主張を述べ直すこと」です。
「最後をかっこいい台詞で締めたい」「本論で書けなかったことを結論に書いておきたい」というような思いは捨て、「全体の首尾一貫性」を最優先して、結論部分を書き上げましょう。

(苦手な人向けの)編入英語試験の対策・勉強法

こんにちは、しらのです。
人文系の各分野の編入試験について、いろいろなスタッフの方に一通り説明してもらったので、今回は科目に焦点を当てて、表題のとおり「(苦手な人向けの)編入英語試験の対策・勉強法」についてお話ししたいと思います。


1. 単語と文法

まずは、単語と文法の習得です。
もちろん、いずれも知識があればあるだけ、身に付いていればいるだけよいのですが、勉強できる時間には限りがあり、かつ自分のキャパシティを超えた内容を理解するのは難しい、というのを前提に置いて考える必要があります。

たとえば英語が苦手で不定詞の使い方を見分けられないという人が、大学受験用の文法問題集を何周もしようとしたとしても、結果には容易に結びつかないでしょう。そういう人は消化しきれていない勉強をする前に、「それぞれの品詞がどういう役割の言葉か」の理解に努めながら、中学文法をもう一度さらう必要があります。
単語にしろ文法にしろ、自分がどのレベルにいるかを分析して、まずはそのレベルでの知識の定着を目指すことが重要です。とりわけ人文系は他の分野よりも文章の読解が求められる状況が多く、基礎を盤石にすることが最優先です。


2. 辞書の使い方

その上で、品詞と文型(S・V・O・C)を一通り学んだ人に並行して身に付けてもらいたいのは、特に動詞に関してですが、辞書の使い方です。
英文を読むのに慣れていない多くの人にとって辞書を使う状況と言えば、わからない単語が出てきたときに意味を調べる、といったところでしょう。でも、読解や和訳(・英訳)のためには、もう一歩進んだ利用法が必要です。

たとえば”keep”という語について、「持ちつづける」という意味しか知らなかったとしましょう。そんな時に”He keeps awake.”という文に出会うと、「彼は目覚ましを持ちつづける??」なんて訳しかできないかもしれません。
ところが、”keep”という語を辞書で調べてみると、たくさんの意味があり、それも「文のかたちによって意味が変わっている」ことがわかります。たとえば私の手元にあるジーニアス英和大辞典だと、こんな風に説明が出ています。

 [SVO(M)]→持ち続ける、自分のものとする

 ・・・(中略)・・・

 [SVC]→ずっと・・・のままである

  ※一部記号を簡略化してあります。

私たちの知っている「持ちつづける」という訳は、[SVO(M)]というかたちをとったときの訳だと説明されています。Oは「目的語」、Mは「前置詞から始まる句」*ですから、「Sは(Mという状態で)Oを持ちつづける」というかたちの文の時に(例:”The police keep him in prison”=「警察は彼を拘留している」)、”keep”は「持ちつづける」という意味になる、というわけです。
これに対して、”He keeps awake.”の”keep”は「持ちつづける」という意味にはなりません。”awake”は形容詞で、目的語にはなれないからです。”keep”の直後に形容詞が来るこの文のかたちは、下にある[SVC]、つまりは”keep”の直後に補語が来る、「ずっと~のままである」しか当てはまりません。したがって、正しい訳は「彼は起きっぱなしである」となります。

*正確には「修飾語句」ですが、これはこれでややこしい言い回しなので、説明にあたり変更しています。


以上のように、特に動詞に多くある多義的な語は、「前後にどのような品詞/語が並ぶか」によって意味が変わってくるので、その「文/表現のかたちを突き止めるために辞書を使う」ということが不可欠になってきます。これは実は、英語に限らず、どの言語を勉強する際にも当てはまることです。もちろん品詞やS・V・O・Cを理解した上で、しっかり辞書を使えるようになりましょう!

4月17日(日)総合ガイダンスのお知らせ

みなさん、こんにちは。人文系指導スタッフのヴァネッサです。

今日はひとつお知らせをさせてください。

 

次の日曜日、4月17日に中央ゼミナールでは大学編入コースの総合ガイダンスが行なわれます

14時半スタートで中央ゼミナールの利用法や編入試験の英語の勉強方法などについてお話をします。

 

そのあと、15時半からは志望分野別(人文系、経済経営系、社会学系・・・など)に分かれて、ガイダンスを行ないます。このブロックでは人文系の部屋では編入試験までのスケジュール、人文系の英語の勉強法などについてお話をいたします!

入学済みの方はもちろん、入学をご検討中の方も参加可能ですので、お時間があればぜひいらしてくださいね。

 

今回の総合ガイダンスは予約制ですので、参加される場合はご予約をお願いいたします。

http://www.chuo-seminar.ac.jp/guidance/

お待ちしております~。

 

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フランス語系、ドイツ語系、中国語系学科の編入試験について

 前回に引き続き、中央ゼミナール人文系指導スタッフのおかわりです。

 英文系、日文系以外にも大学では様々な言語にまつわる文化や文学を学ぶことができます。中でも代表的なフランス語系、ドイツ語系、中国語系についてお話しましょう。

 大学の文学・言語系の学科では語学の授業がとても充実しています。しかし語学を勉強すること自体が学びの最終目的ではありません。たとえばフランス文学科やフランス語学科で学べる内容は、フランス語圏の文学作品(ボードレールの詩やユーゴーの小説など)や芸術(モリエールの演劇作品やパリ・オペラ座のバレエ、フランス映画のヌーヴェルヴァーグなど)、言語学(フランス語学)、フランス現代思想(バルト、フーコーなど)、フランスの社会(ライシテをはじめとした宗教政策など)、フランスの文化(料理、ファッションなど)といった内容であり、フランス語の勉強はあくまでもそれらを学ぶための手段です。ですから編入試験を準備するにあたっては、語学を勉強するだけでなく、その言語が使われている国々の文学、文化、社会、歴史について知識を得ておくことが必要です。専門試験でそれらを問う大学もあります。また面接では編入後の研究テーマが訊かれます。語学を勉強するとともに、その言語に関わる何を勉強したいのか、ということを準備しておくことが求められます。

 以前はフランスについて勉強したい場合は「フランス文学科」、「フランス語学科」、ドイツについて勉強したい場合は「ドイツ文学科」、「ドイツ語学科」を志望することが一般的でした。しかし近年、地方国公立大学を中心に学科の再編が進んでいます。仏文、独文、英文学科を統合して「ヨーロッパ言語文化」(岩手大、富山大)、「ヨーロッパ・アメリカ文化」(埼玉大)、「欧米言語文学」(熊本大)という形のコースになっていることがあります。また中国文学科、中国語学科も日本文学科、日本語学科と統合され「アジア圏文化」(岩手大)、「日本・アジア言語文化」(埼玉大)、「東アジア言語文学」(熊本大)コースとなることもあります。地方国公立を中心に編入試験を行っている大学は多くあるので、学科名に惑わされずに自分に合った志望大学を見つけていきましょう。

 編入試験で求められている語学力ですが、東京外国語大学、お茶の水女子大学、上智大学といった難関大学では、長文の読解やライティングが試験の中心になります。MARCHレベルの大学になると、長文読解だけでなく、文法問題が出題される大学もあり、若干ハードルは下がりますが、いずれにせよ最低でも語学検定試験で2~3級を取るくらいの語学力は必要です。これは一般的な大学2年生が第2外国語の授業で勉強するレベルを大きく超えています。英語がとても苦手で、大学の第2外国語で中国語を取っているから中国文学科を受験したい、といった感じではなかなか編入試験には対応できないので注意しましょう。

哲学・芸術系の編入試験について

こんにちは、人文系指導スタッフで哲学・芸術系を担当しています、おかわりと申します。今日は編入試験で哲学系および芸術系に興味を持っている方向けに、試験の傾向や対策についてお話したいと思います。

①哲学系の編入試験について

 哲学では、人間の存在や認識のあり方から世界の成り立ちや神の存在まで、さまざまな問題をその根源から突き詰めて考えていくことが求められます。とはいえ、ただやみくもに難しそうなことを考えるだけでは哲学になりません。大学での哲学の勉強は、様々な哲学者の書いた書物を緻密に読み解いていくことが中心になります。日頃から本を読む習慣を身につけておくことが受験対策の大前提です。

 哲学系の学科で編入試験を実施しているのは、東京およびその周辺では、千葉大学、埼玉大学、上智大学、法政大学、明治大学、國學院大學などであり、決して数は多くありません。専門試験で求められる能力は主に、西洋哲学史上の様々な理論についての一通りの基礎知識と、論理的な思考力と文章力になります。知識については西洋哲学史についての概説的な本で学び、重要語句をノートにまとめていくことが効果的でしょう。論理的な思考力、文章力に関しては、考えていることを文章にまとめていくトレーニングが必要です。また面接では卒業論文につながる特定の哲学者についての自分の関心を述べることが必要になります。筆記試験向けに概説書を読むのと並行し、志望理由書や面接対策として、特定の哲学者の本を何冊か読んでおく必要があります。

 語学試験は長文和訳が中心となります。大学によっては哲学科が独自に問題を作成する場合もありますので(埼玉大学、同志社大学など)、哲学の基本用語を英語で覚えておくことも大切です。またいくつかの大学では第二外国語の試験もあるので、志望校選択の際には注意しましょう(東洋大学、広島大学、およびここ2年は募集がない学習院大学など)。

 

②芸術系の編入試験について

 「芸術系」の編入というと、美大や音大などの実技系が思い浮かぶかもしれませんが、いくつかの大学では、実技ではなく、芸術の研究を学ぶことができます。芸術には美術、音楽、演劇、映画、バレエなどさまざまなジャンルがあり、どのジャンルについて学べるのかは大学によって異なります。「美術史学科」なら美術史のみ、「演劇学科」ならば演劇、オペラ、ミュージカル、バレエなどの舞台芸術のみになりますが、「芸術学科」ならば美術、演劇、映画、音楽など幅広く学べる可能性があります。また近年は、西洋美術や日本美術、クラシック音楽やオペラ、バレエなどの、少々敷居の高い、いわゆるハイカルチャーだけではなく、商業デザインやマンガ、アニメ、J-POP、ミュージカルといった、大衆的なエンターテイメントも含めて学べる大学が徐々に増えています。

 芸術系の編入試験で求められるのは、特定の芸術ジャンルについての基礎知識と、芸術の意義を論じたり、作品を分析したりする能力です。近年の傾向として、幅広い知識を問う大学が減少傾向にあり、専門試験はテーマ型長文論述が増えてきています。対策としては、特定のジャンルの作家や作品について、いくつか詳しく語れるものを持っておくといいでしょう。美術史であれば、西洋、日本および古典、近代以降で詳しく語れる画家が4、5人(たとえばダ・ヴィンチ、フェルメール、ピカソ、狩野派、北斎など)、演劇学であれば、西洋、日本それぞれの古典的な作品と近代以降の作品で詳しく語れるものが4つ、5つ(シェイクスピア、歌舞伎、チェーホフ、寺山修司など)は必要です。長文論述では、観たり聴いたりする中で感じたことを、いかにして論理的な言葉に置き換えられるかが重要になります。「きれい」、「すごい」、「感動した」、「泣けた」ではなく、美術ならば構図や色彩、演劇ならば人物造形のあり方や舞台装置の特徴について、具体的に記述しながら論じることが求められます。

 語学試験は長文和訳が中心になります。対策としては一般的な英語対策で大丈夫です。芸術関連の英文が出題される大学もありますが、特別な専門用語を覚えることは特に必要ありません。背景知識を持っているかが大切なので、専門試験対策をしっかり行えば、英語試験の対策にもなるかと思います。

 芸術系を志望する際に大切なのは、興味があるだけではなく、場数を踏んでいることです。美術史志望ならば多くの展覧会を観ていること、演劇学志望ならばいろいろな舞台を観ていることが重要です。試験対策が忙しいのでなかなか足を運ぶことが叶わないかもしれませんが、面接の際に「最近観た展覧会は?」、「最近観た舞台は?」ということを聞かれることがありますので、できる範囲内で観に行ってください。

歴史系編入学試験の概要と特徴について

こんにちは、歴史系担当のsusacです。本日は歴史系編入学試験の概要と特徴についてお話したいと思います。内容は1、歴史系分野で学べること、2、歴史系編入学の試験の特徴に分けてご案内致します。

1、歴史系分野で学べること 

 歴史系分野は、大きく日本史、西洋史、東洋史に分けられます。史学科で学べる内容は幅広く、ある時代の文化様式がいかにして広まったのかをみる文化史や、ある都市がいかに形成されてきたのかをみる都市史、さらにはある時代の新聞や雑誌、映画の内容が同時代の国民にいかなる影響を与えたのかといったメディア史・社会史なども研究可能です。また近年は国家間の外交がいかに展開されたのかを複数の言語を駆使して調べる外交史も盛んになりつつあります。その他やや硬いテーマでは、ある国の政府と軍隊の関係がいかなるものであったのかを調べる政軍関係史・政治史なども可能です。

 どの大学にどのような研究をしている先生がいるのか、またどの大学でいかなる授業が受講可能なのかシラバスを確認しつつ、研究したいテーマについて思いを巡らすのも楽しいでのはないでしょうか。 

2、歴史系編入学の試験の特徴

2-1、語学 

 歴史系編入学試験における筆記試験は語学+専門試験という形式をとるところがほとんどです。ここでは筆記試験の中でも語学、そして語学の中でも最も選択されることが多い英語について述べていきます。

 歴史系編入における英語の筆記試験は他の人文学分野と同様、英文和訳が中心となります。もっとも歴史系編入においては、必ずしも有名校であっても高難易度の英文が課されるわけではありません。基礎的な英文法を押さえ、地道に英語の長文を読む練習を繰り返していけば、文章の大意をつかむことは可能になります。もっとも編入学試験においては、文章の大意をつかむだけではなく、それを正確に訳出しなければなりません。したがって、正確な和訳ができるように訳出の訓練を積むことが重要です。また、歴史学の専門的な英単語が出てくる場合もあるので(例えば、crusade=「十字軍」など)、歴史学系の英文に慣れておく必要もあります。しかしこれらの訓練を積めば、十分太刀打ちできるようになるのが歴史系編入における語学の試験と言えるでしょう。 

 なお、歴史系編入においてTOEICやTOEFLといった語学スコアの提出を求めるところは限られています。もっとも、大学によっては提出は義務づけられていないものの、語学のスコアを持っていれば面接でアピールできる可能性が考えられます。とりわけ西洋史研究を志す人は、英語のスコアのみならず研究対象地域の言語のスコアを持っていれば、その地域研究を行う語学能力を有すると面接でアピ―ルできるでしょう。また日本史研究志望の人も、日本と他国の外交関係を研究する外交史研究や、日本と他国の政治体制の比較を行う比較史を志す場合には、日本語以外の言語も駆使した研究が可能であるとアピールできます。さらには将来的に留学も可能であるというアピールにもなるかと思われます。以上を考えれば試験に必須ではなくても、無理のない範囲で語学のスコア取得に挑戦することは長期的にみて有益かもしれません。

 2-2、専門科目 

 歴史系編入における専門科目(日本史、西洋史、東洋史)の特徴は、記述式の試験であるという点に求められるでしょう。専門試験は大きく①語句説明問題、②論述問題に分類できますが、重要なのは①・②いずれも、背景・原因・結果といった因果関係を踏まえて記述する必要がある点です。したがって単に歴史上の出来事を覚えるだけでなく、それが歴史上においていかなる意味や意義を持つのか、いかなる因果関係のもとに起こったのかを常に考えて勉強をしていく必要があります。その意味で歴史系編入における専門試験は、考える力が不可欠です。加えて、それらを試験官にわかりやすく伝えるための論述力も必要になります。大学によっては指定された字数、行数内で書ききることを要求するところもありますので、それらに対応するための訓練は必須です。 

 以上の試験内容の記述を見るとハードルが高いと思われるかもしれませんが、これらのハードルをクリアできれば、自分のやりたい歴史研究にどっぷりとつかることが可能です。歴史上の人々は、現在の我々とは大きく異なる価値観や行動基準のもとに動いてます。その意味で歴史は「異文化」ですが、歴史系の学部に編入して、その「異文化」に没入してみてはいかがでしょうか。 

英文系編入試験の特徴

こんにちは。英文系スタッフのnobiです。
今回は英文系編入試験の特徴について書いてみようと思います。

◎英文系学科で学べること
英文系の編入先で学べる分野は主に以下の3つです。
 ・文学(イギリス文学、アメリカ文学)
 ・言語学(音韻論、統語論、意味論、語用論、社会言語学など)
 ・英語教育
看板が「文学部」であっても、受験する学部学科に上記分野を専門とする先生がいれば、その分野から志望理由書の研究テーマを設定することができます。今の時期にしっかり情報収集をしておけば、この先の準備もスムーズに進みます。大学のホームページや募集要項で教員の情報を収集し、メモやノートに整理しておきましょう。

◎英語試験
英文系編入試験で、合否を大きく左右するのが英語の試験です。小論文や専門試験は実施せず、筆記試験は英語のみというところも多く(特に関東の大学)、「専門試験」の枠で専門的な内容の英語長文の要約や読解をさせるところもあります。
また、対策しなければならない試験形式としても、
 ・英文和訳
 ・和文英訳
 ・長文読解(記述、要約など)
 ・エッセイライティング
 ・総合問題(内容一致、文法語法穴埋め問題など)
等々、大学によって様々です。受験する大学の出題傾向を早めにつかんでおきましょう。

◎小論文、専門試験
地方国公立大では小論文試験が課されることろもあります。形式としては「課題文型」か「テーマ型」、出題内容としては「文学・言語・文化」といった英文系学科に関連するものが多いですが、「社会・時事・歴史」といった内容が出題されることもあります。専門試験を実施する大学は少ないです。出題される大学を受ける場合には、過去問で傾向をつかんでおくことが重要です。

◎面接
英語面接を行う大学が多い、というのも英文系編入の特徴です。英語面接の中身としては、日常会話程度でおしまいということあれば、志望理由についてしっかり話させることもあり、また、英検の二次試験のように英文を手渡され、その内容について質疑が行われるといった形式の試験を面接内で行う大学もあります。
募集要項に英語面接に関して明記されている場合もありますが、昨年度までは日本語面接のみだったのにいきなり英語面接が始まった、というようなケースもまれにあります。英文系学科への編入を目指す場合には、どの大学を受けるにせよ、日英両方の面接対策をしておいたほうがよいでしょう。

◎英語資格試験、事前審査
出願時にTOEIC、TOEFL、IELTS等のスコア提出を求める大学が増えてきています。また英文系では4技能のスコアが求められることが多いです。中央ゼミナールの下記のページでまとめていますので、ぜひ活用してください。
http://www.chuo-seminar.ac.jp/transfer/english/

また、出願の前に受験資格について事前審査を行う大学もありますし、出願時の単位に関して細かい決めごとを設けている大学もあります。昨年度の募集要項を参考にして、どのような準備が必要なのかを早め早めに確認しておくことが重要です。

「日文系」ってどんな分野?

こんにちは、しらのです。

今回は日本文学・日本語学分野、通称「日文系」に関して、①編入後どんなことを学べる分野か、②どんな試験勉強が必要か、をご紹介します。


日文系で学べること

まずは最初に挙げた日本文学(国文学)、日本語学(国語学)です。

文学であれば、文学作品やその成り立ち、生みだした作家、そして作られた時代状況などに関心を当てます。言語学の方はそもそも「国語」と「日本語」の使い分け自体がおもしろいですが、種々の言語現象や日本語の歴史的変化、地域的差異、そして言語教育などに目を向けます。

それ以外にも、大学によっては日文系の学部・学科に、芸能や映像作品、衣食住などの生活史を専門とする教員や、特定地域の独自の伝統文化・習俗を追究する民俗学の教員が所属していることもあります。みなさんの行きたいと思っている大学にどんな先生がいるのか、ぜひぜひ調べてみましょう!



②-1 日文系の試験勉強~英語編

基本的にはこれに関して、分野によって大きな違いはありません。扱う内容がその分野寄りになるくらいで、中堅私立あたりなら選択問題の数が多く、いわゆる難関校ほど記述問題の比率が大きくなっていきます。

とはいえ、中でも日文系は比較的易しめで専門性の高くない文章が出ると言ってよいでしょう。したがって、基本的な語彙と文法を押さえ、それなりの長さの文を丁寧に訳せる力が求められています。中には筆記の代わりに外部試験のスコアを求める大学や、英語を課さない大学もありますが、あまり数は多くありません。


②-2 日文系の試験勉強~専門編

多くの大学で課されるのが、「現代文」「古文」「文学史」の3点セットです。いずれも大学受験レベルと考えてよいですが、古文ではとりあげられた作品の時代に関する知識を踏まえた問題が出ることもあります。また、特定の時代の文章を好んで出す大学もあります。

その中のさらに一部の大学で出されるものとして、「漢文」「くずし字」があります。漢文はまれに白文が出ますが、その場合はごく短文です。くずし字は聞き慣れない人がいるかもしれません。そば屋さんの暖簾(のれん)でこんな字見たことないでしょうか?

「生(き)そば」と書いてあります。今でこそ、ひらがなは“a”なら「安」由来の「あ」と決まっていますが、昔はさまざまな漢字を基にして自由にひらがなを書いていたんですね。そのバラエティ豊かなひらがなが「くずし字」です。上の「そ」と「は」はそれぞれ「楚」と「者」から来たものです。・・・言われてみれば、原型が残っている気もするでしょう? 大学によっては、この字(文)読める~?と聞いてくるところもあるわけで、どんな漢字がくずし字として使われるのか押さえておく必要があります。まぁ、あくまで一部の大学ですが。

あとは、いくつかの大学では「日本語学」「日本語教育学」が別に出題されます。日常的な言語使用の延長線上で考えられる問題もありますが、専門的な勉強を必要とするものもそれなりにあります。もちろん小論文を課す大学も少なくないので、その経験も積んでおきたいですね。

今回の紹介は以上です。

次回は英文系でお届けする予定です。それでは!