人文系歴史系スタッフのsusacです。今回は明治大学を題材に志望校の考え方についてお話したいと思います。
つい先日令和5年度(2023年度)の明治大学の募集要項が明治大学のHPにアップされ衝撃を受けた方も多いのではないかと思います。というのも、例年募集してきた文学部史学地理学科の日本史学専攻が今年度は、学生を募集しないことが判明したからです。明治の日本史学専攻を狙って勉強してきた方もいらっしゃると思いますので、当校にも激震が走りました。
Q:それでは、日本史関連の勉強をするために明治に編入学を行うという選択肢は完全に潰えてしまったのでしょうか?
A:結論を申し上げればNOです。
日本史学専攻が募集を今年(今年のみと祈りたい)止めたからといって、明治に編入して日本史関連の勉強をするという選択肢が消え去ったわけではありません。
なぜなら、明治大学には幅広い勉強を行うことのできる文学部文芸メディア専攻なる専攻が存在するからです。
一見しただけではイマイチピンと来ないこの学部ですが、この学部に在籍している先生を見てみると、日本近世の小説史の研究をしている先生や、文化史・メディアの社会史の研究をしている先生がいるではありませんか。
筆者は近代史が専門なので、適切な例かはわかりませんが日本近世の小説というと、『里見八犬伝』などでしょうか。文化史・メディア史の研究をしている先生は、1930年代なども研究しているようなので、昭和期のメディア(ラジオ、新聞、映画)と当時の政治なども研究できそうですね。
ここではあくまで明治の例を挙げましたが、実は文学部の史学科以外にも案外歴史の研究ができる学部学科は存在します。実は法学部などにも歴史の先生は結構な割合で在籍していて、
「政治史」
という分野を扱っていることが多いです。歴史はときの政治家や為政者の動きと切り離して考えられませんよね。だから、政治学の理論を使って当時の歴史を説明することも可能というわけです。その他、経済学部にも経済史の先生がいますし、社会学部にも歴史社会学、社会史の先生がいることは珍しくありません。 ですから、大学の選択肢を考える際に必ずしも文学部の史学科でないと歴史が勉強できないというわけではないのです。
もちろん法学部に行くには法学の勉強、経済学部に行くには経済学の勉強をする必要があるので、文学部とはなかなか併願しにくいのが現状です。ですから当校でも文学部と法学部の併願などはお勧めしていません。
さらにいえば、文芸メディア専攻には文学作品、メディア(ここでは映画なども含む)から見て取れる内容の分析を中心に研究している先生も多いですし、文学史、メディア史の先生の研究もいわゆる通史を扱うような史学科の歴史とは毛色が違うので、ミスマッチがないかは慎重に検討する必要があるでしょう。メディア史の先生であれば研究に必要な社会学に関する知識を求めてくる可能性もあります。メディア史に限らず政治史であれば政治学的な知識を、経済史であれば経済学に関する知識を持っているか否かも問われる可能性があります。
しかし、以上のミスマッチについて慎重に検討したうえで、科目的にも併願もうまくできそうなところを見つけられれば、挑戦してみるのもアリかもしれません。
今年はすでに編入学試験も山場に差し掛かっていますが、もし来年以降編入による受験を検討されている方がいらっしゃれば、ぜひ参考にしてみてください。
この考え方は大学院を考えている方にもあてはまります。
もしどんなところが受けられるのか分からなければお気軽にご連絡ください。
長文お読みいただきありがとうございました。