編入・浪人・大学院

大学の進学先は決まったけど、そこに満足できない方は少なくありません。そのような場合にどうすればよいでしょうか?

ひとつは、大学を受験しなおすという道があります。入学辞退して浪人生として、進学して仮面浪人で受験勉強を継続する方法です。この方法はこれまでの受験勉強を継続するという意味で、学習範囲が明らかです。しかも、合格すれば大学1年生から学生生活を送ることができます。しかし、浪人であれ仮面浪人であれ、合格しても入学が1年遅れることになります。また、合格できなかった場合のリスクは大きいでしょう。入学辞退をしていれば進学先がない状態です。しかも、仮面浪人であっても、大学の単位取得の勉強と受験勉強とはまったく異なった内容です。大学の単位を取得しながらの受験勉強は困難なので、どうしても取得単位数が少ない状態となりがちです。進級、卒業に影響も出てくるでしょう。

それでは、合格した大学に進学した上で勉強に励み、志望大学の大学院に進学するのはどうでしょうか?大学の専攻と同系統の大学院を受験するのであれば、単位取得の勉強が大学院の進学準備につながります。しかし、同系統でない場合は、大学院での専攻分野を自分で勉強する必要があります。また、進学するのは大学を卒業してからになります。しかも、大学院進学はその後の進路に大きく影響します。専門性をアピールして大学院進学が評価される分野に就職するのであればともかく、そうでなければ、就職の際に年齢的なハンデを負うだけになってしまいます。

そこで第三の道としてあるのが大学編入です。今の大学に在籍したまま受験するので、所属先がなくなることはありませんし、編入試験の受験資格は在籍大学の取得単位数なので、編入を目指す人はほぼすべて単位取得をしながら受験勉強をすることになります。条件としてはイーブンです。しかも、在籍校での取得単位が、編入先の卒業単位に認定されます(学校によってどの程度単位認定されるかは異なります)。2年次編入、3年次編入がありますので、比較的早めに大学を変えることができます。さらに、編入なので卒業年次が遅れることもありません。たしかに、専攻分野の専門科目を勉強しなければいけませんが、大学院受験ほどの専門性は求められていないので、志望先と別系統の学部学科に所属していても合格は可能です

進学先に満足できない方は、お気軽にご相談ください。


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論述試験に必要な力

今回も次年度受験を目指す方に向けて、編入試験で課される「論述試験」について、その対策を考えてみたいと思います。まず、そもそも「論述試験」とはどのような試験のことをいうのでしょう?いわゆる空欄補充や多肢選択などの「客観テスト」とは異なる試験形式で、色々な説明の仕方が可能だと思います。

ただし、編入試験はもとより、司法試験やその他の資格試験、身近なところでは大学での定期試験でとられている論述試験に共通しているのは次の二点です。第一に、一定の分量の文章によって解答することが求められていること。第二に、正確な知識のみならず、一定の見解(解釈)を示す必要があることです。

例えば、「犬と猫のどちらを飼うか?」という問題を検討するとき(このような問題が出題される試験はないと思いますが)、「どちらを飼うか?」について文章の形で解答することが求められています。そして、「犬か猫か」ということについて理由とともに一定の主張をする必要があります。そのためには、「犬の特徴」「猫の特徴」「世話の手間」「飼うにあたっての条件」などについて一定の知識が必要となるでしょう。

ここから、論述試験対策として必要なことが分かります。第一に、文章の形で解答する必要があるので、正確な文章表現ができなければなりません。いわゆる「日本語力」です。これに欠けると、どんなに専門知識があったとしても、それを出題者(採点者)に伝えることができません。自分が思っているほど、自分の言いたいことは相手には伝わらないものです。文章を実際に書いて「日本語力」を鍛える必要があります。

第二に、問題を理解するために、また、問題に解答するために、一定の専門知識が必要となります。つまり、論述内容について一定の知識が必要です。「日本語力」があっても、知識がなければ、何も論述することができません。編入試験であれば基礎的な法学・政治学の知識、司法試験であれば法解釈についての知識、定期試験であれば試験範囲の知識が必要とされます。

最後に、論述すべきことを見出す力、言い換えると、問題文から「答えるべき問い」を発見する力が必要です。どんなに知識があっても、何が問われているか、何を論述するべきかが分からなければ、論文を書くことはできません。問題文が抽象的であればあるほど、自分自身で問題文から「問い」を構成することが求められます。

まとめると、論述試験対策として必要なことは、「日本語力の養成」「一定の知識の修得」「問題構成する練習」と言えるでしょう。これらは、答案練習(論述し解答する練習)を繰り返し行うことで身につけることができます。ただし、大切なのは、ただ論述を繰り返すのではなく、論述したものを評価してもらうことです。解答を採点するのはあなたではありません。あなた以外の人物です。しかも、その分野の専門知識をもっている人である場合がほとんどでしょう。そうであるなら、答案練習として書いたものを専門知識のある人に評価してもらい、形式や内容の正確性、表現や見解の妥当性についてアドバイスを受けることが必要です。そして、それを次の論述に生かしていくことで、論述試験対策となっていきます。


新年度準備講座(2023年2月25日より全6回)「法学~入門編~」

法学部にいこう!

次年度に向けて編入をお考えの皆さんに、法学部の魅力をお伝えしたいと思います。もちろん、これから話すことが全てではないですが、法学や政治学を学ぶメリットみたいなものの一端を感じてもらえたらと思います。

法学部卒は、どの分野にも高い対応力を発揮することができると言われています。いわゆる「つぶしがきく」ということです。したがって、民間企業全般、公務員、国家資格などに幅広く対応できる能力が身につく学部だと言えるでしょう。

では、なぜそのような力が身に着くのかというと、法学は未知の問題を考え抜き自分なりの解答を導き出す学問だからです。いかに物事を筋道立てて考え、相手を説得できるか、「紛争」を通じて学びます。したがって、論理的思考力や説明能力が身につくことが、高い対応力を発揮するのだと思います

また、法は社会の基本構造の柱となるものです。したがって、法を通じて政治や経済など様々な分野も勉強することができます。ここから、公務員試験など、法学部卒には法曹以外にも多様な進路が開かれています。

さらに、教育面では、法学部では少人数教育が重視されています。したがって、きめ細かな指導を受けることができると同時に、関心のあるテーマを深く学習することも可能です。

そして、編入試験を考えた場合、法学系への編入は受験者数が比較的少ないので編入しやすいし、一般入試では難しい大学へも比較的編入しやすいというメリットもあります。

法学部って魅力的な学部だとは思いませんか?是非、法学部への進学や編入を考えてみてください!!


新年度準備講座(2023年2月25日より全6回)「法学~入門編~」