自分に合った対策こそ最良の対策

10月、11月が試験日のピークとなる編入試験では、効率的な対策が重要となります。編入を考える多くの方が、新年度になる時期に編入対策を開始することから、短期間の対策で合格レベルの学力を身につける必要があるからです。むしろ1年以上の準備をして本番に臨む人の方が少数派です。このことから、早めに編入対策に取り掛かれるだけでも様々な点で有利に働くでしょう。

そして、短期間で合格レベルの学力を身につけるためには、効率的に学習する必要があります。では、「効率的学習」とは、何についてどのように学習することなのでしょうか?「効率」は、費やす労力と身につく学力との比率と考えることができます。つまり、「効率的学習」とは、「がんばった分だけ、またそれ以上に、合格に近づく学習」ということです。

これを実現するためには、編入試験で頻出のテーマに絞って、繰り返し学習することが重要です。全範囲を網羅的に学習することと対照的な方法です。たしかに、すべての範囲を漏れなく学習し、その内容が身につけられるのであれば、それに越したことはありません。しかし、これは現実的ではありません。先に述べたように対策に割ける時間は限られていますし、そもそも私たちはスーパーマンではありません。もし、自分は他の人とは違ってスーパーマンだと言うのなら、そもそも編入試験を受験することにはならなかったでしょう。

まず、現状を踏まえて戦略を考えましょう。何も考えず「がむしゃら」に勉強しても、徒労に終わることでしょう。編入試験を突破した先輩方は、例外なく「戦略」を考えていました。スーパーマンではないからこそ、頻出のテーマや汎用性のある知識の学習に労力を集中して、それを繰り返し実行していくことで確実な知識、応用する力を身につけるのです。

法政治系編入試験では、どのようなテーマが出題されているか、そのために何を知らなければならないか、それはどのようにすれば身につくのか・・・勉強を始めるにあたって、考えておくことは多々あります。人によって今の学力が異なっているのだから、当然これら問いへの答えも異なってくるはずです。今の自分と編入試験を冷静に分析できるかどうか。ここから編入対策は始まっています。


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法学を勉強すること

「編入試験は短期勝負」ということお伝えしました。今回は、編入対策がどのような過程を経るのか、経る必要があるのか、法学の学習を中心にお話したいと思います。

まず、法学系3年次編入であれば、基礎法学、憲法、民法総則を中心に出題されます。もちろん、多くの場合、試験範囲が明確に決められているわけではありません。しかし、言い方を変えれば、これらの分野の知識は最低限もっておくことが望ましいと言えるでしょう。

では、この範囲の知識をどの程度の深さで身につける必要があるでしょうか。法学の学習は、「入門→基礎→応用」の過程を経ます。入門レベルは、そもそもその法はどのような分野のことについて定めているのか、それはどのような考え方(原理や原則)で成り立っているのか、そして、どのように社会の中で働いているか、身近な事柄に関連づけて理解する段階です。

その後、基礎レベルの学習に入ります。基礎レベルは、いわゆる「教科書」レベルの内容になります。法学部で勉強するのは、この基礎レベルの内容です。先に挙げた各分野の概念や条文について、その意義や趣旨、その理解をめぐる学説や判例、それらの論拠や批判などを理解する段階です。

この学習と並行して、応用レベルの「訓練」を行います。応用レベルは、基礎レベルの知識や観点をベースに、それを現実に生じうる事件や問題に対して「適用」して、「法的結論」や「解決策」を導くという訓練です。いわば「法律家として」考える練習です。

もちろん、それぞれの段階、特に基礎と応用の間に明確な線引きができるわけではありません。しかし、司法試験であろうと、編入試験であろうと「入門→基礎→応用」の過程を経て学習を進めていくことになります。

つまり、いきなり過去問題を解き始めても(実際には解けていないのですが)、編入対策にはなりません。その問題が何を求めていて、それに答えるためには何について考える必要があるのかが捉えられないと、解答にはなりません。それを捉えられるようになるためには、基礎レベルの知識が必要になります。そして、基礎レベルの知識を理解するためには、入門レベルの理解が求められます。

「基礎レベル」と聞いて侮ることなかれ。司法試験で必要とされる知識も「基礎レベル」、つまり教科書レベルのものです。司法試験と比べて、編入試験はその範囲はずっと限定的ですが、学習の過程は同様です。急がば回れ。まずは、入門から始めてみましょう。


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編入対策 事始め

新しい年が始まりました。今年度受験の方は最後の追い込みです。次年度受験を考えている方は、受験に向けて歩み始めましょう。今回は、編入対策に必要な時間について話したいと思います。

編入対策は短期勝負とよく言います。このブログでも折に触れつかってきた表現です。多くの大学で編入試験が10月、11月に実施されることから、進級(進学)後、編入対策を始めると約半年で本番の試験を迎えることになります。大学入試(一般入試)に比べると、その準備期間が短いことから、「短期勝負」となるのです。

現時点での「自分の実力」と「合格に必要な学力」とのギャップを埋める作業が「編入対策」ですから、このギャップの小さい人の方が準備時間は短くなります。逆もまた真なりで、このギャップの大きい人は、合格するために必要になる時間は長くなります。英語や論述に苦手意識がある人、法学部以外に在籍している人は、一般論として、英語や論述に長けた法学部生よりも、法政治系編入に必要な準備時間は長くなります(あくまで一般論です)。

もちろん学習効率がよい方が、あるいは理解力がある方が、合格レベルの学力に達する時間は短くなります。そうすると「合格に必要な時間」は、ざっくり言えば、「自分の実力(知識量、理解力、ストレス耐性など)」と「学習効率」との変数であると言えます。

編入試験の試験日は、大学が設定するので一律です。そうすると、合格するためには「試験日までの残り時間」≧「合格に必要な準備時間」という状態が必要です。

今の「自分の実力」はこれまでの蓄積ですから、過去に遡ることができない以上、「自分の実力」を嘆いてみても意味はありません。いかに学習効率を高めるか、いかに反復練習するか考えることが建設的です。学習効率を高めるには、まず何をどの程度勉強する必要があるか正確に把握することが重要です。反復するためには、可能な限り早くから始めることが手っ取り早いでしょう。

編入対策は「敵を知り己を知る」ことから始まります。勝手な思い込みは禁物です。早めに敵と己を正確に把握しましょう。


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