立教大学法学部編入のホント(さらに続き)

 またまた立教大学編入の続きです。今日はそれぞれの学部について、もう少し詳しく説明しておきましょう。
 まず、法学部です。法学部は一般学生の合格が本当に少ないです(*_*)。平成18年度については法学部全体(法・国際比較法・政治学科)で32名志願、4名合格ですが、実はそのうち2名は政治学科の社会人編入での合格です。社会人編入は小論文・面接だけの試験ですから、一般編入とは筆記試験の難易度が全く異なります。一般については3学科あわせて28名志願で、法学科1名、国際比較法学科1名の2名のみの合格です。
 なぜ、こんなに一般が難しいのか。英語も確かに難しいでしょうが、私見では、理由は専門科目にあると思います。ここは東京の私立大学では唯一、法学と政治学、両分野から出題されます(関西では立命館がそうです)。しかも、いずれもまともに勉強しないと解答できない出題です。政治学科志望者が法学をきちんと勉強することは、とっても負担が大きく大変ですし、法学科志望者にしても政治学までは、なかなか手が回らないのではないでしょうか。実際、どちらかができなかったために失敗するケースが多いようです。つまり、英語に加え、法学も政治学もそれぞれ合格ラインを超えることが求められているのだと思います。そして、もちろん、面接対策も大切です。
 経済学部は、立教では比較的、筆記試験の対策を立てやすい学部です。英語はむろん、易しくありません。でも、論文は、経済学科・経営学科共通問題で、例年トピックスからの出題です。近代経済学や経営学の理論は出ていません。そこが法学部とは異なるところですね。トピックスは一番出題予想のつく分野です。中ゼミでは毎年、専門の講師の予想問題があたっています。ですから極端にいえば、専門英文の読解練習と経済経営のトピックスだけ勉強すれば受かってしまう…ということが、十分ありえるわけです。合格状況を見ると、平成18年度は95名受験(推薦のぞく、社会人含む)で18名合格。倍率は高いですが、確実に合格者数を出しているところも魅力です。
 こわいのは、突然英語の形式が変わった年があったり、何年かに一度、経済史が出たりしていること。出題者によってはそういうこともありえるということでしょう。でも、そういうまれなリスクを考えなければ、筆記試験ではチャンスのある学部です。後は面接対策。筆記試験で受かっても面接で落とされますから、十分な準備が必要ですね。前回も書いたとおり、なぜ、今の大学ではだめなのか…がポイントですから、編入したい理由を説明しやすい短大生や二部生・通信学部生のほうが、面接対策ではやや有利かな…という印象があります。と書くと、不安になる方もいらっしゃいますね。心配させてしまって、ごめんなさいm(_ _)m。でも、今は短大や二部からの受験は本当に減りましたから、あまり気にしないで下さい。そもそも短大や二部自体が減少しているのですから。
 さて、立教には今年から経営学部が設置されました。経営学部での編入募集は平成20年度からになると思いますが、それによって、経済学部・経営学部の編入試験がどう変わるのか。勝手に想像をふくらませると、経済では近代経済学が出題される、経営では経営の理論の出題、あるいは、受験資格にTOEICやTOEFLのスコア提出…ということもありえます。興味深いところですね。
 おっと、そろそろ時間切れです。次回は立教のその他の学部について、お話ししましょう。

立教大学編入のホント?軽く続きです

 久しぶりに2日間も仕事を休んだら、何だか疲れがいっぺんに出ちゃいました(=_=)。で、もっと休みたくなりましたが、当然出勤。今日は、夏期講習生対象のガイダンス。参加してくださった皆さんの熱心な顔を見ていたら、がんばらなくっちゃ!と、元気をたくさんいただきました!(^^)!。とは言っても、話す内容は厳しいこと、イヤなことばかりですみません。でも、中ゼミに来るからには合格しなくてはね。今日は、ご来校ありがとうございました。
 さて、立教大学編入の続きです。立教といえば、以前は当校で実施する大学フェアにも来てくれていたのですが、ここ数年参加がなくって…。入場者のアンケートに「立教大学が来てない」と書かれて…(=_=) (文句は立教に言いましょう)。編入に対して消極的になったのかと思いきや、実は同じ日に他社がやっている同じようなフェアがあって(全然知らなかったんですが、スタッフがホームページを発見しました。参加校の面々は中ゼミの方が断然人気大学を揃えているけれど、立教がね…。)そちらには行っていたんですね。ひどいじゃない立教大学! 長い付き合いなのに…って、勝手にこっちが思っていただけですね。ごめんなさい。謝ります。でも、中ゼミの方が校外生だけでも、そちらのフェアよりも数多く入場しています。万が一これを見たら、ぜひ、来年から中ゼミのフェアに来て下さいm(_ _)m。
 本題に入りましょう。立教大学も、古くから編入試験を実施している大学です。中ゼミには、20年分以上、過去問題が揃っています。名目は欠員補充というかたちで若干名募集ですが、欠員の有無に関わらず(?)、毎年、全学部で試験を行っています。
 受験資格は、大学・短大・高等専門学校卒業(見込み)者と、大学2年以上修了(見込み)で50単位以上(教職・資格科目除く)修得(見込み)者です。残念ながら、専門士は受験できません。
 以下、中ゼミ生から今まで聞いている情報やら、私の方で確認できていることやら、一部、やや無責任な憶測も含まれますが、その場合はちゃんと明記しますね。
 立教大学の大きな特徴は、筆記試験での合格ラインがほぼ決まっている(といわれている)ことでしょう。今までの学生からの情報では、法学部・経済学部・社会学部は、語学・論文(専門)ともに6割以上が、筆記試験合格の条件だと思われます。英語が80点でも論文が50点なら不合格ということですね。それで納得できるのは、英語が難しい年は合格が少なくなることです。その年の試験の出来に関係なく、6割で切るとしたら納得です。ただし、2次の面接でまだ落としますので、筆記試験で受かっても安心はできません。
 中でも法学部と経済学部は、面接が厳しいです。ポイントは、なぜ立教に編入したいのか…ですね。自分が編入後に勉強したいことと、きちんと結びつけて説明でき、かつ、面接官が納得しなくてはなりません。それができないと落とされます。特に、経済から経済というように、同系統出身者に対しては厳しい面接です。何で今の大学ではいけないのか…にきちんと答える必要があります。
 実は中ゼミ内には、立教のある学部は女性に有利…なんていう噂がちらほらです。実際、面接での最終合格では、明らかに女性の合格率が高いんですね。でも、私は女性の方が、ものおじせずにどうどうと、そしてにこやかに、自分をアピールできるから、得なだけだろうと思ってます(女性がなぜ得なのか…については、ぜひ別の機会に…)。それも能力の一つだといえます。
 話がそれました。すみません。長くなりましたので今日はこの辺で。次回から、それぞれの学部について、具体的にお話ししますね。ぜひ、また、のぞいてください。

立教大学編入のホント?

 法政大学は人気のようですね。昨日は多くの方にアクセスしていただきました。ありがとうございました。大学のことを書いちゃっていいの?という声もありますが、別に悪口を書いているわけではありませんし…。許してくれますよね(誰に頼んでる?)。
 あるスポーツ新聞の携帯サイトによると、「?といわれている」という表現は、「完全なウラは取れないけど、信憑性がある情報」だそうです。私が書いていることで、大学が正式には発表していない情報は、ほとんどが元中ゼミ生からの情報で、試験本番の面接や入学後に、大学教員から聞いたもの…です。念のため。
 さて、今日は立教大学編入のホント?です。
 立教大学はもちろん昔も今も編入試験でも人気大学ですが、中ゼミでは10年ちょっと前に比べると志望者がずいぶん減りました。理由は?…というと。
 当時は編入試験受験の中心は短大生、中ゼミ生の編入志望者の7割がなんと女性でした。ミッション系でおしゃれなイメージのある立教大学は多くの短大生にとってあこがれの大学です。加えて、当時は国立よりも私立の方が断然人気がありました。駒澤大学と埼玉大学の両方に合格した短大生が、駒澤に行くと言って、「国立は頭のよい人が行くところ…」とすり込まれていた私をビックリさせたりした時代です。それにそこはお嬢さん。できれば親元から通学できる東京の大学に…と考える人が多かったのです。
 でも、今は短大自体がなくなっていく中で、編入志望者の多くは大学生に。編入志望の中ゼミ生の男女比は逆転して、今では男性の方が多いくらいです。加えてこの10年で、編入を実施する国立大学が増加しました。中ゼミ生の志望する大学も全国の国立大学へと広がりました。そのため、立教大学を受験する学生が減少することになったのです。
 もう一つ、法政大学と同じく、試験日程の問題があります。立教大学の編入試験は法学部の社会人編入、コミュニティ福祉学部をのぞくと2月、3月の年明けです。中ゼミ生の多くは年内に合格が出てしまいますから、なかなかこの時期までは受験生活が続かないんですね。最初は絶対に立教に!と思っていても、11月頃に一つ受かると…(^_^;)。その気持ちはよくわかります。
 さて、それでは実際に中ゼミ生がどの程度、立教に受かっているかというと…。平成18年度は17名の合格でした。立教大学全学部を合計した受験者数(推薦除く、学内転部含む)は372名、合格は82名で、中ゼミ生の占める率は20.1%ということになります。
 ここでちょっと、古い数字を見てみましょう。平成7年度、今から11年前です。当時は学部学科数が今よりも少なかったのに、立教大学全学部受験者数は内部を除き721名、合格は74名でした。何と受験者数は平成18年度の倍近くで、合格は少なかったんですね。
 それにもかかわらず、当時は中ゼミから30名前後の合格を毎年のように出していたことを、(しかも当時は今のように編入定員を設置した学部なんか、立教にはなかったのに)考えると…、最近の数字はちょっとさびしいです(;_;)。もちろん、さっきも言ったように受験者数が減っているのですから無理ないのですが…。唯一うれしいことは、一人、二人しか受かっていない学科で、中ゼミ生が結構合格していることでしょうか。
 さて、次回は立教大学編入の続きです。今度は実践編と行きましょう! ただし、明日あさってと久しぶりの連休…。自宅で仕事をしない限り(たぶんしない…)、アップが遅れます。申し訳ありません。

法政大学編入のホント?(続き) 

 さて、昨日に引き続き、法政大学の話です。
 編入を希望する大学生が気になるのは受験資格ですね。大学2年次でしたら30単位取得(見込み)、3年次でしたら60単位取得(見込み)ですが、教職科目やその他資格科目は含まれず、卒業に必要な単位のみですから、注意してください。それから短大生で、短大1年修了時に法政大学に2年次編入できると勘違いする方が時々いますが、短大生は2年次でも卒業(見込み)が条件です。受験可能なのは、東京周辺では、ICUとフェリス女学院大学国際交流学部ですね。
 次に、皆さんがよく心配する在籍校の成績ですが、合否には関係ありません。何年も仮面浪人して留年を続けていた中ゼミ生も法政大学に合格していますから、成績同様、経歴について心配することもありません。合否は筆記試験の結果で決まり、面接(学部によってはないところもあります)は参考程度と大学教員が話すのを、中ゼミ生が何度も聞いています。ただし、学科によっては2次試験の面接で落ちる人がいます。おそらく筆記試験の成績上位者を合格させているのだろうとは思いますが、面接を甘く見ないようにして、面接がある場合は事前に対策を立てておきましょう。
 気になる単位認定ですが、学部学科で方針がバラバラです。経済学部に同系統から編入して70単位認められた人もいますが、学部によっては64単位が上限のところもありますし、同系統からなのに認定が50単位だけ…という学部も(=_=)。もっとも単位認定は年によって変わることもありますので、あくまで参考まで。2年次の場合は上限40単位とする学部があり、20単位から30単位ちょっとまでの間での認定が多いようです。
 友達作りは編入生が多い学部では問題ありませんが、文学部のように学科ごとで数名という場合は、サークルやゼミに入るとか、自分で努力することが必要ですね。編入生向けのガイダンスが行われない学部学科もあり、このケースでは他の編入生を探すのも一苦労のようです。
 さて、それにしても、人気大学にしては中ゼミからの合格者数が少ないと思われるかもしれません。平成18年度の中ゼミホームページの合格速報では、合格者が22名になっています。これはどうしてでしょうか。
 じつは、ひとえに試験の時期によります。法政はもう長いこと、12月の第二日曜日に編入試験を実施しています。ちなみに東洋大学も同じ日ですが、それだけが理由ではありません。まず、国立大学については、すでにこの時期にほとんどが編入試験を終了しており、上位校狙いはそちらで決まってしまうこと。それから、10月下旬に中央大学商学部・経済学部が定員を設置して編入試験を実施しており、中ゼミでも人気の高い経済系はそちらに流れてしまって(H18は中ゼミから中大経済・商に合計で42名も合格しています)、かつ、中大合格後は、年明けの立教・明治狙いになること。
 ですから、法政2年次志望者か、本当に法政が大好きで行きたい!という人、あるいは、11月までに結果が出ていない人が、中ゼミでは法政大学を受験することになるわけです。
 逆に言えば、法政って案外狙い目なんです。特に、3年次で結構人数を取ってくれる前出の法学部、それに経営学部・社会学部などはお勧めです。もちろん、しっかり受験準備をしてこそ、結果は出るわけですが。
 一方、合格者の少ない文学部などでは、中ゼミ生の占有率が高いです。平成17年度の日文2名、英文2名の合格者は、4名とも中ゼミ生です。予備校としては指導し甲斐があります。私は毎年のように日文志望者をみていますが、指導した学生が受かってくれるので、合格者数が多いのかと思えば(いや、もちろんみんなが頑張っているから受かっているンですが)、決してそうではありません。その他、中ゼミ生が日本社会事業大や立教(コミュニティ福祉)に行ってしまうせいか、現代福祉学部は本当に合格が出ていませんね(おっと、また、手前ミソが出ました!でも、ホンキでそう思ってます)。
 合格者の多い学部学科は言うまでもなく、たとえ、合格者数が少ないところでも、頑張った人は結果を出してくれる、それが法政大学です。

法政大学編入のホント?その1

 もし、編入試験に積極的に取り組んでいる大学はどこですか?と聞かれたら、躊躇なく法政大学と答えます。中ゼミには、法政の過去問題が、なんと昭和の頃から揃っています。おそらく20年分をはるかに越えているでしょう。皆さんが生まれる前から、編入試験を実施しているわけですね。
 法政大学の編入試験の特徴というと、次のことがあげられます。まず、何と言ってもほとんどの学部で、大学1年在学者が受験できる2年次編入を実施していることです。いわゆる法政2年次は、長年、中ゼミで人気を保ってきました。
 それから、専門士に対しても広く道を開いていること。東京のマーチ以上の大学で、専門士を複数学部で受け入れているのは、今のところ法政大学くらいです(後は唯一、青山学院が二部英文学科で同系統専門士を受け入れているくらい)。
 そして、法学部で3年次編入定員を設置していること。法律学科が20名、政治学科が10名です。当然、若干名募集である法政大学の他学部に比べて、合格しやすいということになります。
 それに長年、生協で過去問題集を販売していたことも特徴の一つと言えますが、これは昨年度からなくなりました。著作権の問題です。とても残念です(=_=)。
 以上のように、法政はいろいろな意味で編入志望者に対して開かれた大学で、とっても好感が持てますし、受験を勧めたい大学です。
 法政大学と言えば、かつて、私が大学生の頃に(戦前ではありませんよ!)、法政大学に彼氏のいた友人に連れられて、キャンパスに行ったことがありますが、その時は廊下に散乱するゴミや落書きされた壁の汚さに、女子大とはこうも違うものかと、ちょっとしたカルチャーショックを受けたものでした。でも、今はきっとそんなこともないのでしょう。こまめにオープンキャンパスに足を運ぶ英文や日文志望の女子学生にも人気です。
 というように、こちらから一方的にではありますが、長いこと法政とつきあってきて、実は、まいったことも何度かあります。法政って、かつては長いこと、3月20日前後に編入試験を実施していたんです。それがある年、一挙に3ヶ月も前倒しして、12月試験になったわけですが、この時は、すでに試験が終わっているのに、何も知らない校外生が「法政大学を受けたいんですけれど」なんて相談に来たりして(もちろん中ゼミ生は知っていましたが)、本当にかわいそうでした。インターネットなんかなかった頃なので、電話でもかけて問い合わせしない限り、わからなかったんですね。編入試験の怖いところです。
 それからもう一つ、以前は法政2年次って教養学部が問題を作成していて、文系全学部が共通試験だったんです。当時はどの学部も英語以外の語学で受験できて、英語が苦手な人はよく中国語などで受験していました。これが本当に英語に比べてラクな試験でした。ところが、ある年から各学部ごとの出題になって、英語指定の学部が増えちゃったんです。それも噂ばかりが先行して、大学がなかなかはっきりしてくれなくて…、判明したのは7月。それまで一生懸命、中国語を勉強していた学生がどんなにがっかりしたことか…。思い出してもため息が出ます。というような恨み節もあるわけです。でも、今は昔のことですね。
 法政大学のホント? まだまだ続きます。明日また、のぞいてくださいね。

編入英語はとりあえず今日でおしまい!です

 一昨日・昨日と、外出しての仕事だったため、全く書き込みができませんでした。ご来訪いただいた方、申し訳ありませんでした。
 さて、編入英語の仕上げですね。今まで編入英語の種類について、説明してきました。それでは、なぜ、このように大学によって出題形式が違うのか…ということなのですが、実は一般入試型は、立命館大学・東洋大学のように、全学部共通問題のところによく見られるのです。この場合、英語の問題作成は入試課が中心になって行っており、担当しているのは一般入試を作成する英語を専門とする先生になるのだと思います。
 ところが、学部ごと、学科ごとに問題を作成するときは、担当者は英語ではなく専門科目の教員です。ですから、自分の手持ちの英語テキストからコピーして切り張り、問題文は手書きで書く…ということもよくあるわけで、法学部なら法学英語、経済学部なら経済英語の出題になるのです。
 編入英語の最初の回で、添削英語を最初に考えたのはS先生だと書きました。このS先生は専門が法学で、研究職に就くべく論文を書く傍ら、中ゼミで指導を行っていました。もう、20年以上前のことです。その後、海外に留学して博士号を取得して、帰国後、中ゼミで英語を担当していたのですが、ここで先生を待っていたのは、思わぬ学生からの苦情でした。先生の説明に英語の文法上のまちがいがいくつもある…との指摘だったんです。
 そもそもS先生が「添削英語」を考案した当時の先生の考え方は、今の中ゼミとは全く異なっていました。つまり、単語の意味がわかって、きちんとした日本語になっていれば、文法の知識がなくても合格する…と、こうだったんです。かなり乱暴ですね(もう20年以上前のことなので勘弁してください…)。当時は学生数も今より少なく、ほとんどが、中央や明治、法政などの夜間部から昼間部への転部志望者、つまり受験校は自分の大学だけでした。このくらいできれば受かる…というラインもかなりはっきりしていました。だから、そういう考え方でも問題なく、合格が次々と出ていたわけです。
 ところが、S先生が海外で頑張っている間に学生の志望は多様化しました。それに伴い中ゼミでは講座も授業担当講師も増えました。S先生と同じようにほとんどの講師が大学院で専門の研究をしていましたが、同時に一般入試の予備校での英語講師経験者がほとんどでした。そのため、まず、英文を読むために必要な文法知識をきちんと習得させて確実に得点できるようにする…というように、中ゼミの英語授業も変わってたんです。学生も、他の講師と同じ質の授業をS先生に要求したわけですね。
 それではS先生の方針というのは、そんなに的はずれだったんでしょうか。実際、編入英語では、日本語の文章を書くことが得意な学生だと、単語をつなぎ合わせて、おそらくこういうことだろうと推測して、答案を作ってしまうんです。それも日本語表現力があるだけに高い評価を受けることができます。ところが、そういう学生は、いったん勘違いして外すとなると、全く違う内容の日本文をでっちあげることになっちゃうんですね。ですから、添削英語でも、前回80点で今回は30点…ということがあるのです。あたると高得点…、これはちょっと問題ですよね。だからこそ、英文を正しく読むために文法の勉強もする…ということになるのです。でも、実際には、日本語のうまい人は結構それで上位校に受かったしまうのが実情です。それに、練習の時はともかくとして、特に試験本番では、文法に忠実に訳すとうまく日本語にできない英文を、推測や常識を加えてこなれた日本文にすることも、一つの能力ですから。
 さて、前述のS先生ですが、地方の小規模の私立大学、そして国立大学の教授を経て、東京の人気私立大学法学部の教授になっています。地方の私立の時は、人手不足で一般入試の英語問題の作成まで担当していたそうですよ(ちょっとびっくりですね。文法問題はどうしたんでしょ)。今の大学では、さすがに一般入試の英語問題を作ることはないでしょうから、安心です。
 でも、編入試験では出題して採点する側ですね。相変わらず英文法は弱いでしょう。英文の内容を理解して、きちんとした日本文にしているかどうかをみる、細かい文法事項はチェックしない、S先生の言うとおり、それが専門の先生方の英語採点法であることは間違いないようです。先生方ご自身が、ふだんいちいち文法がどうのなんて考えずに、英文を読んでいるわけですから…。今、S先生が大学の教員であることが、先生の方針が一概に間違いとは言えなかったことを、証明しているのだと思います(もちろん、中ゼミでは、文法もしっかり、日本文もきちんと…の方針でやっていきますけれども…)。
 四苦八苦しながら書いてきた編入英語編が、とりあえず今回で終了です。次回からは、もう少し、書く方も読む方も楽しめるような内容にしなくてはいけませんね。反省です。(-_-;)
 明日は久しぶりのお休みです。リフレッシュさせてください。更新はあさって以降になります。

 まだまだ続く編入英語…

 今日も英語の話です。そろそろあきた? 実は私も…(=_=)。でももう少し辛抱して下さいね。始めたからにはしゃべりたいことは全部言わないと。
 もう、ずーっと前のことです。中央大学商学部の転部試験(2部から1部)を志望する学生の入学相談をしました。当時、中大はまだ、今のような編入試験を実施しておらず、内部の転部のみでした。その英語試験は、長文1題に英作文や文法問題がちょっと。長文総合型で、問題は1ページか2ページという状況。今実施している編入よりも問題量が少ない試験です。合格ラインは7割と言われていました。
 その学生には「添削英語」の受講を勧めたのですが、その時に彼から、「一般入試の時の大手予備校の先生が、全訳なんか時間の無駄だと言ってた。他の授業を取りたい」と言われたのです。大手予備校に引け目を感じている弱小予備校職員の私としては、「うっ!」と一瞬あせりましたが、なんの転部ではうちが上さ、と思い直しました。
 一般入試の場合は問題量も多いし、確かにじっくり英文を読んでいる暇なんかありません。でも、転部試験は問題も少なく、きちんと長文を読むことで、点数も確実に取ることができます。そう説明しても、彼はまだ不服そうでしたが、「添削英語」を履修してくれました。そして、3月になって合格報告に来た彼から聞いたのが、「あの時、添削英語を勧めてもらって、本当によかった」という言葉でした(^_^)v。あの時はじーんときましたね。やはり長文総合型でも、添削英語を勧めてよかったんだという、原点になった出来事でした。
 大手予備校と言えば、中には受験オタクのような方もいて、「中ゼミで配布している英語の参考書リストに載っているものは古い!今なら、○○予備校の△△先生の書いた何とかが一番だ!」なんてご指導をいただくことがあります。でも、編入英語と入試英語は違うんですよね。その差はますます広がっている気がします。なぜなら一般入試の長文で使用される英単語は年々易しくなってきているけど、編入英語の長文は英語の論文が多いから、相変わらず単語が難しい。一般入試では長文の精読ははやらないみたいだけれど(ごめんなさい_(_^_)_。一般入試についてはあまり詳しくないので英語講師の情報です)、編入英語ではそれが大事。でも、編入向けの英語の問題集なんて、中ゼミ関係で出しているものしかないわけだから、独学の場合は絶対的な量が足りない…。一般入試用のものを使用するしかありません。どうしても、かつて人気のあった、英文を精読させたり、単語が難しめのものを勧めることになってしまうんです。ぜひ、わかってほしいところです。
 さて、先ほどの学生の例と並んでもう一つ印象深かったのが、日大の転部で合格した複数の学生からの受験報告です。日大は今も昔も、長文を始めさまざまな出題形式を取る一般入試型です。それにもかかわらず、役立った授業としてあげられていたのは、「添削英語」でした。日大の設問は単語力・語い力があれば解けるものが多く、最終的には単語・熟語を含めて、長文の対策をしっかりやったことが、合格につながったのです。
 長文総合型でも一般入試型でも、基本は長文読解。長い指導経験から自信を持って言うことができます。でも、もちろん、入試英語の勉強も大学によっては必要です。実は中ゼミ生は意外にこれに弱いんです。徹底的に訓練しているので長文読解には自信を持つんですが、暗記の必要な独立した文法問題、書き換えや整序問題などになると…。本番の1?2ヶ月前には基礎的なものでいいから問題集の暗記を…と言っているのですが。どうも暗記物が苦手な人が多いようです(もしかしたら一般入試での敗因はそこらへんにあるかもしれない…)。もちろん、編入ではその手の勉強を必要としない大学がほとんであることが、暗記物の勉強が手につかない大きな原因でしょうけれども。
 中ゼミ生で東洋大学を受験する人が少ないのは、一般入試型、しかもマークシート式のせい(普通なら逆ですけれどね。マーク式ならうまくいけば…なんて思いますものね)で、中ゼミ生が受けないために東洋大学の全受験生に対する合格者数が少ないんだと、私は勝手に理解しています(おっと、うぬぼれすぎ?)。
 さて、次回は、編入英語のまとめとして、中ゼミでのいろいろなエピソードをお話ししたいと思います。

 編入英語について(続き)

 一昨日の英語の話の続きです。自分でも何を書いたか忘れて、読み返しました(>_<)。いきなり続きから始まりますので、まだ、読んでいらっしゃらない方は、前々回のご一読をお願いしますね。
 さて、前回の編入試験の英語は長文読解中心という話を読んでいて、でも自分が志望する大学は一般入試に形式が似ている…と思った方がいらっしゃるのではないでしょうか。お気持ちはよくわかります。でも、やっぱり長文が大事なことは変わりないんです。
 中ゼミでは編入英語を大学院型・長文総合型・一般入試型の3つに分類しています。
 大学院型は、専門英文を提示して記述式で解答させるタイプ。国立や私立の上位校で社会科学系の学部は、ほとんどがこれです。かつては全訳が多かったのですが、最近は下線部訳、記述式の説明問題、要約などが多くなりました。英文専攻や国立理系その他、英作文(和文英訳やエッセイ)をあわせて出題するところも結構あります。このタイプで読解が大切なことは、誰が見ても明らかでしょう。
 それでは長文総合型は…というと、これは一般入試のような長文問題に英作文や文法問題が少々ついているタイプです。中ゼミ生からの受験情報では、よく「一般入試に似ている」と表現されています。確かに、下線部和訳だけではなく穴埋め問題もあったりと、一見一般入試型です。でも、一般入試とは大きな違いがあります。それは、問題量が少ないということです。
 長文総合型でよくある例として、中央大学商学部は長文2題、それに穴埋めで語いや文法の問題があって最後に英作文…。問題は3ページにおさまっています。やはり問題量の少ないのが日本女子大。年によっては長文1題だけ。後はそれに関連した設問で、やはり、3ページです。ということは…。そうです。一つひとつの問題の配点が大きいんです。文法問題などはさほど難しいものは出ていませんから、結局、下線部和訳や語いの問題で差がつきます。確実に点が取れるようにするためには、語彙を増やし長文読解の訓練を多く行う、これにつきます。
 それでは一般入試型は?これは発音・アクセントから独立した文法問題、長文、英作文まで幅広く出題されている、まさしく一般的な私立大学の入試タイプです。マークセンスのところはさすがにあまりみませんが、東京では東洋大学がそうです。こういうケースはどうなんだ、長文だけでなく全部出ているじゃないか…と言われそうですが、やはり、語いと長文が大切なんですね。
 実はこのタイプはほとんどが中ゼミではB(ベーシック)レベルです。文法問題などは基礎的で、対策にはあまり時間がかかりません(もちろん、やらないと受かりませんが…)。でも、長文はそう簡単に読めるようにはなりません。だから最終的な決め手は長文なんです。
 では、なぜこのタイプの問題が易しいのか。編入試験は一般入試と異なり、受験者が少ない!ここがポイントです。一般入試なら不合格者を出すためにひねった問題も出すし、それでいて出題ミスが出ないように問題作成に時間もかけます。でも、受験者数が少ない編入試験では、そんなに時間はかけません。たとえば東洋大学の平成17年度の編入試験受験者は、7学部の2、3年次あわせて、約150名です。ですから、一般入試型の場合は基礎学力があるかどうかの確認になるんです。
 ふー、今日も長くなりましたね。息切れしました。ここまでがまんしてお読みいただいた方、ホントにお疲れさまでした。頭が下がります。編入英語の話はまだまだ続きます。

最高にうれしい1日

 今日は立て続けにうれしいことがありました。もちろん、合格報告です。すでに合格報告は信州大学などで何件か来ていますが、私が直接個別面談などで関わってきた学生では、今年度第1号・第2号です!
 最初のKさんは、わざわざ中ゼミまで足を運んでくれました。お茶の水女子大学理学部数学科に合格!です。本番の面接では、筆記試験の出来について面接官からおほめの言葉を頂戴し、将来の夢について話したら感心されたそうです。すごいですね(^_^)v。家族全員がとっても喜んでくれているけれども、やっぱり一番うれしいのは自分!そして、しみじみと、受験は毎日やることが大切…とのこと。この実感のこもった言葉を、これから受験する皆さんに贈ります。結果を出した人だからこそ言える、重みがありますね。それからさすがだなと思ったのは、周囲に支えられての合格だったと口にする彼女らしさ。いえいえそれもあなたの力です。勉強する場として、中ゼミを選んでくれて本当にありがとう!
 そして続けて今度は電話で、筑波大学合格の知らせが…。こちらは本人の了解を得ていませんから詳細は書けませんが、そろそろ結果の連絡がある頃かと、実は仕事をしながらもそわそわ落ち着きませんでした。面接がうまくいったとの言葉に、少しは役に立てたようで、一安心です。
 そう言えば、大学院入試コースの赤田先生のところにも、早慶の1次試験合格の知らせが次々と届いているようです。もう少ししたら、平成19年度の合格速報をホームページ上にアップできそうです。
 これからこういううれしい日々が、どんどん続いてくれるとよいのですが。いえ、中ゼミ生が毎日コツコツ勉強している限り、心配はないはず。私も負けずにこのブログでブツブツしゃべり続けたいと思います。どちらも積み重ねですね(すみません。私のブログと受験では、一緒にはなりませんでした(>_<))。
 そう言えば、昨年は中ゼミのホームページの質問掲示板でいろいろお世話になり、合格しましたという報告も、何件かいただきました。勉強方法というよりも、受験に前向きになれたという意味で感謝していただいているようです。編入も大学院も社会人入試も、情報が少なく、受験に向かって一歩踏み出すには勇気がいりますから。中ゼミがそのきっかけになれたとすれば、これも私にとって幸せなことです。私にも、いつか、大学か大学院で勉強できる日が来ると良いのですが…(内心、皆さんがうらやましいです)。誰か背中を押してくれますか(重くて無理?失礼しました)。
 さて、今日は英語の話をするつもりが、それこそ日記風になってしまいました。昨日の続きを期待していた方にはお詫びいたします。明日また、のぞいてみてくださいね。

編入英語の落とし穴

 模試も無事に終了し、今日から本格的に執筆活動です。編集者にせかされると他のことをしたくなる…では、小学生が親に勉強しろと言われて反発するのとかわりませんものね。といいながら、そちらをほっといてこれを書いているのは、いい年をした社会人としてどうなんだろう??ま、いいか!ということで、今日は編入英語の話です。たぶん、長くなるので、何回かに分けてお話ししたいと思います。
 編入の英語は、記述式の長文読解が中心です。そして、中ゼミ生の合格実績に大きく貢献しているのが、「添削英語」講座です。各大学の受験情報に書かれている中ゼミで役立った点でも、一番多くあげられています。過去問題を受講生に全訳してもらい、それを授業担当講師が添削・採点、翌週答案を返却して、戻ってきた答案を見ながら解説を聞く、さらに勉強して再提出ができる…というのが授業方式なのですが、講義を担当する先生方も学生がどこでつまづくのかわかりますし、一人ひとりに適切なアドバイスができて、本当にすぐれものだと思います。この授業形式を考えだしたS先生(次回以降にまた登場します)の先見の明には、本当に頭が下がります。
 中ゼミ生にも、一般入試の時英語の偏差値が高かったから、英語には自信がある…という人がけっこういますが、この授業に出るとたいていの人が最初はへこみます。なんせ、思ったより点が取れない、日本語がおかしいと指摘される、中学文法から勉強しなさいと書かれる…など。これじゃあ嫌になりますよね。中には自分では70点取ったつもりが30点で、何でこんなに評価が低いのか!と怒って先生に詰め寄る人も…。でも、そこからはい上がってこそ結果が出るんです。受かるためにはプライドを捨てること!これにつきます(ちょっと熱くなってしまった…)。
 ところで実際の試験でも、本人は全部書けたから7割はかたい…と思っていたのに結果は失敗、あとで30点しか取れていなかったことがわかった…なんて話があります。
 また、志望校の過去問の英語長文を見て、「これなら大丈夫、今でも7割取れるから予備校に来る必要がない」と自分で判断する方もいます。確かに一般入試であれば、ほとんどが選択問題ですからOKかもしれません。でも、出題は全訳です。こなれた、そして適切な日本語を使った和訳が自分に本当にできるのか…、という視点がそういう人にはありません。実際その問題の平均点は30点くらいなのです。
 ここは思いきり理解しにくいところでしょうね。実は全訳の場合、採点によく用いられるのが減点方式です。もちろん100点満点ですが、細かい配点があるわけではありません。間違いがあればどんどん減点されます。また、キーワード一つ間違えることで日本語の意味が通らなくなり、一つのパラグラフが全く点にならない…ということもあります。
 中ゼミの「添削英語」でも、先生方はまともに採点したら0点どころかマイナス何十点になってしまう答案がある…と言ってます。ですから、実際の試験本番でも、知らないのは本人だけで英語の得点が0点だった…ということは十分にあり得るのです。解答用紙が埋まっているから得点になるとは限らないわけです。
 実際、ある東京の有名私立大学の先生から聞いたところでは、英語は細かく採点しているのではなく、このくらいできれば70点で合格!というおおざっぱな採点方法を取っているとのこと。印象点ですね。もちろん、すべての大学がそうではないでしょうが。
 一方、受験した学生は全部解いたから高得点を期待するわけです。記述式であるところが落とし穴です。小論文と同じで、書いたから点が取れるというものではなく、書かれた内容や日本語としての出来が大事になります。でも、案外受験生は、自分で書いたものを客観的に評価できないんです。
 ちょっと、思い出してみてください。受験者が多く、採点をラクにするためにマーク式や選択問題が多く取り入れている一般入試では、自分できちんと和訳する練習は必要がないことが多く、意外にやっていないものです。長文をなんとなく、こういうことが書いてあるんだろう…くらいに読んでいた人も多いのではないでしょうか。でもそれでも、カンが働く人、要領のよい人だったら何とかなって、一般入試の模試ではよい点が取れちゃうんですね。だからといって、大学の先生を納得させるきちんとした和訳ができるかというと、別問題なんです。在学している大学名で、「添削英語」でも成績がよいだろう…と勝手に思っていた学生が、実は毎回30点前後しか取れていないことに、びっくりすることもあります。大学の名前じゃないんだなと、妙に納得する瞬間です。要領だけではダメなんですね。でも、そういう学生の場合、努力すれば着実に成績が伸びることも事実ですが。
 今日は本当に長くなっちゃいました。またまたブログ失格かな(>_<)。編入英語の続きは次回に。