編入英語の落とし穴

 模試も無事に終了し、今日から本格的に執筆活動です。編集者にせかされると他のことをしたくなる…では、小学生が親に勉強しろと言われて反発するのとかわりませんものね。といいながら、そちらをほっといてこれを書いているのは、いい年をした社会人としてどうなんだろう??ま、いいか!ということで、今日は編入英語の話です。たぶん、長くなるので、何回かに分けてお話ししたいと思います。
 編入の英語は、記述式の長文読解が中心です。そして、中ゼミ生の合格実績に大きく貢献しているのが、「添削英語」講座です。各大学の受験情報に書かれている中ゼミで役立った点でも、一番多くあげられています。過去問題を受講生に全訳してもらい、それを授業担当講師が添削・採点、翌週答案を返却して、戻ってきた答案を見ながら解説を聞く、さらに勉強して再提出ができる…というのが授業方式なのですが、講義を担当する先生方も学生がどこでつまづくのかわかりますし、一人ひとりに適切なアドバイスができて、本当にすぐれものだと思います。この授業形式を考えだしたS先生(次回以降にまた登場します)の先見の明には、本当に頭が下がります。
 中ゼミ生にも、一般入試の時英語の偏差値が高かったから、英語には自信がある…という人がけっこういますが、この授業に出るとたいていの人が最初はへこみます。なんせ、思ったより点が取れない、日本語がおかしいと指摘される、中学文法から勉強しなさいと書かれる…など。これじゃあ嫌になりますよね。中には自分では70点取ったつもりが30点で、何でこんなに評価が低いのか!と怒って先生に詰め寄る人も…。でも、そこからはい上がってこそ結果が出るんです。受かるためにはプライドを捨てること!これにつきます(ちょっと熱くなってしまった…)。
 ところで実際の試験でも、本人は全部書けたから7割はかたい…と思っていたのに結果は失敗、あとで30点しか取れていなかったことがわかった…なんて話があります。
 また、志望校の過去問の英語長文を見て、「これなら大丈夫、今でも7割取れるから予備校に来る必要がない」と自分で判断する方もいます。確かに一般入試であれば、ほとんどが選択問題ですからOKかもしれません。でも、出題は全訳です。こなれた、そして適切な日本語を使った和訳が自分に本当にできるのか…、という視点がそういう人にはありません。実際その問題の平均点は30点くらいなのです。
 ここは思いきり理解しにくいところでしょうね。実は全訳の場合、採点によく用いられるのが減点方式です。もちろん100点満点ですが、細かい配点があるわけではありません。間違いがあればどんどん減点されます。また、キーワード一つ間違えることで日本語の意味が通らなくなり、一つのパラグラフが全く点にならない…ということもあります。
 中ゼミの「添削英語」でも、先生方はまともに採点したら0点どころかマイナス何十点になってしまう答案がある…と言ってます。ですから、実際の試験本番でも、知らないのは本人だけで英語の得点が0点だった…ということは十分にあり得るのです。解答用紙が埋まっているから得点になるとは限らないわけです。
 実際、ある東京の有名私立大学の先生から聞いたところでは、英語は細かく採点しているのではなく、このくらいできれば70点で合格!というおおざっぱな採点方法を取っているとのこと。印象点ですね。もちろん、すべての大学がそうではないでしょうが。
 一方、受験した学生は全部解いたから高得点を期待するわけです。記述式であるところが落とし穴です。小論文と同じで、書いたから点が取れるというものではなく、書かれた内容や日本語としての出来が大事になります。でも、案外受験生は、自分で書いたものを客観的に評価できないんです。
 ちょっと、思い出してみてください。受験者が多く、採点をラクにするためにマーク式や選択問題が多く取り入れている一般入試では、自分できちんと和訳する練習は必要がないことが多く、意外にやっていないものです。長文をなんとなく、こういうことが書いてあるんだろう…くらいに読んでいた人も多いのではないでしょうか。でもそれでも、カンが働く人、要領のよい人だったら何とかなって、一般入試の模試ではよい点が取れちゃうんですね。だからといって、大学の先生を納得させるきちんとした和訳ができるかというと、別問題なんです。在学している大学名で、「添削英語」でも成績がよいだろう…と勝手に思っていた学生が、実は毎回30点前後しか取れていないことに、びっくりすることもあります。大学の名前じゃないんだなと、妙に納得する瞬間です。要領だけではダメなんですね。でも、そういう学生の場合、努力すれば着実に成績が伸びることも事実ですが。
 今日は本当に長くなっちゃいました。またまたブログ失格かな(>_<)。編入英語の続きは次回に。