努力しても実らないこと

 私が編入を志したのは、一浪の末に「あまり行きたいとは思わないけれどもう浪人できないからとりあえず受けた大学」に入学することが決まった、大学1年になる直前の3月である。大学受験に失敗した私は本当に悔しい思いでいっぱいだった。二浪は許されておらず絶望した思いを抱えていたところ、三年次編入という制度があることを知った。そして、三年次編入の対策を行ってくれる中ゼミという予備校があることも。こうして、私は今の大学を絶対に2年で辞めてやるという思いで編入を決意した。
 1年の頃は中ゼミのガイダンスに参加したり、2、3回程度法学系の先生に個別相談をしていただいたりした。いかんせん編入は大学受験と違って情報量が少ない。そのため、編入制度の詳細や、実際に自分がどのようなことをすべきかなどを教えていただけたことは大変ありがたかった。また、2年になって在籍大学の授業をあまりとらずに済むように単位をたくさんとった。他にも、編入にかかるお金を稼ぐためのバイトや、TOEIC対策を重点的に行い、空き時間に法学・政治学の入門書を読んでいた。そして、1年の終わりからプレ学期に参加し、徐々に編入対策を本格化させていった。
 2年になってからはほぼ毎日中ゼミに通った。授業は週6だったが、授業があってもなくても午前中から閉室時間になるまで中ゼミの自習室で勉強していた。最初は学歴コンプレックスから決意した法学部への編入も、勉強していくにつれて法学や政治学を学ぶことが本当に楽しいと感じたし、これからもこの学問を学び続けていきたいと思うようになった。
 授業の復習や再提出、小テストの勉強に加え、志望理由書の準備をしなければならなかった時期や、過去問を解いていた直前期は自分への負担が多く、1番苦しかった。特に直前期には、 “一浪しても満足な結果を得られなかった”という過去の失敗の経験から自分には編入は無理なんじゃないかと自信を喪失することもあったし、編入浪人は許されなかったので絶対に失敗できないという自分に対するプレッシャーもあった。でも、受験生活の苦しさ・辛さよりも、絶対に編入してやるという気持ちの方が強かった。中ゼミの先生方やOGの方、いろんな友達に励まされ、なんとか最後まで全力で突っ走ることができた。中ゼミの法学部クラスでできた数人の友達と時には一緒にご飯を食べに行ったりして、いろんな話をし、辛さや苦しさを共有しては、「やること多くて大変だけど頑張ろうね」とお互い支え合うことができたのも私にとっては大きかった。学歴に対する思いから編入を志したのも、答案がうまく書けず不安な気持ちになっていたのも一緒で、「自分一人だけじゃないんだ」と気づかされた。
 結果として、私は憧れの第一志望の大学に合格することはできなかった。努力しても実らないことってあるんだなあ。それって理不尽だと感じるし、結局問題との相性によるから最後は運なのか。でも思うところはあるけれど、精一杯努力したから後悔はないし、達成感はある。悔しくて泣いた一方、新しい大学での生活が楽しみになっていた。
編入試験を無事終えた今、最後まで頑張って本当に良かったと思う。何があっても自分の志を貫き通し続けられたことは今後の自分の糧となっただろうし、頑張る過程で得るものも多かった。
 先生方を始めOBOGの方、スタッフの皆様、友達には本当に助けていただきました。本当にありがとうございました。受験生活を送る受験生の皆さん、これから大変なことはたくさんありますが最後まで勉強し続けやるべきことをやり続けてください。そうすれば見えてくるものがあるはずです。頑張ってください。

タイトルとURLをコピーしました