私の受験体験記

 私が現役のとき第一志望であった神戸大学に落ちたのは二月上旬のことだった。推薦を目指したもののセンター試験の結果は74%、合格者平均は85%、教師から教えてもらった最低点が75%でそれにすら達しなかった。その後の受験もあまりいい結果が残せず、結局都会に出たいという理由だけで地元の公立を蹴り東京の私大に進学した。
 進学先自体は悪い学校ではなかった。マンモス校と呼ばれるだけあり、いろいろな学生がいた。そこでの学生生活は楽しく、有意義なものであった。私は政策提案を学んでいた。だんだん勉強していくごとに経済学の重要性に気付いた。そこで大学の履修登録のしおりを見たが自分のいる大学では高度な経済学を学ぶことができないということが分かった。それに気付いたのが一年生の一月であった。そのころから他大学の編入を考え始めたが、決心がつかなかった。そこで私は冬休み二月に友人に会うついでにキャンパスを訪れた。その時感じた荘厳とした雰囲気を忘れたことはなかった。私は編入学試験を受けることを決意した。
 こうして勉強を始めたわけであったが、当初は神戸大学以外に東北大も目標にした。神戸、東北、ともにTOEICのスコアが必要であった。TOEIC自体は大学の単位認定制度があり一年生の九月から勉強していたため、早めにTOEICで高得点を取ろうと思い二月から五月まではTOEICと経済学を8:2の割合で勉強していた。五月で800点を超えてからは一切勉強しなかった。TOEICの勉強法だが、TOEICのためだけに高い月謝を払い、語学学校や予備校に通う必要はないと思う。公式問題集でシャドーイングなどを繰り返し、苦手なパートは究極シリーズや特急シリーズで演習すれば800点以上は確実に超える。TOEICやTOEFLなどは早めに目標スコアを取っておくと勉強しやすい。
 経済学に関しては大学で履修していたためミクロは大学と同じ進度でマクロは二年次秋学期に講義があり、試験に間に合わないため平行して勉強していた。中ゼミの夏季講習までは公務員試験の問題集、参考書などの易しめの問題集で一通り勉強し、夏休みから本格的に勉強した。そうしたのは、私は中ゼミには夏休みしか通っておらず、それ以外はバイト、サークル、ゼミをしながら勉強しており、まとまった時間のとれる夏休みしか勉強ができなかったからだ。(夏休み明けからはバイト、サークルは休んだが)
 神戸、東北で出題される数学についてだが、そこまで心配ではなかった。というのも、もともと数学は苦手ではなく神大オープンや模試でも合格者平均程の点数はとれていたからだ。
個人的な意見だが、数学の試験のある大学は私大文系、特に数学受験をしなかった人にとっては大変だと思う。ネットや予備校では楽観的な意見が多かったが、簡単なところは皆解けるのである。経済学で差をつけるといってもつかないような問題も見てきた。講習生として聴講していたが、数学を軽視する傾向があったのは残念極まりない。受かるにはどちらも怠らずどの難度でも8割近くできるようにすることが大事だと思う。微分、積分、線形代数の計算問題は間違いが絶対ないようにしてほしい。最悪、証明はできなくてもいいが、計算問題だけは落としてはいけない。これを落とすとライバルに大きく差がつくと考えてほしい。時間のある人は高校数学(行列、微分、積分、ベクトル)も復習しておいてほしい。高校の範囲も出題されることがあるからだ。
 ここでやっと中ゼミの話題になるが。添削や講義は充実したものであった。とても参考になった。中ゼミで添削してもらったものや、テキストを読み込むことで合格を引き寄せられたと思う。また過去問も閲覧できたことも大きかった。これで各大学の傾向をつかみ夏期講習以降の学習に大いに役立った。
 勉強面以外についてだが、つらくなったら息抜きしてもいいと思っている。私は酒を飲むことで息抜きしており土曜と日曜の夕方はいつも父と酒を飲んでいたし、試験前日ホテルや新幹線で飲んでいた。(その結果神戸は落ちたが)夏期講習後友達と九月下旬まで遊んでいた。ただし、勉強するときは集中して死に物狂いで勉強した。中ゼミで何人か見かけたが、編入試験のために今の大学生活を捨てるようなことはしないでほしい。今の大学でも何かしら得られるものはあると思う。周りとの交流を断ってまで勉強して、今いる大学を馬鹿にするような人はだいたい落ちる。
 この受験体験記が受験生の役にたつ内容であるとは思えない内容ではあるが、これは紛れもなく私の受験体験である。受験生が第一志望に合格することを心から願っている。

タイトルとURLをコピーしました