受験生にお伝えしたいこと

 私には教員になりたいという思いがあり、入学した時から漠然と編入学を考えていました。とはいっても編入学への勉強を始めたのは受験の5ヵ月前です。今思えば、もっと早く、少なくとも春休み以前から取り掛かるべきだったと感じます。教育学部ではなく文学部・総合科学部にしたのは、これらの学科の特色として自分の専攻以外の講義(心理学や哲学など)の受講が可能であったことが挙げられます。様々な分野の知識を吸収し、広く深い知見で物事を考えられる教諭になりたいと考えたからです。また、言語学専攻・言語文化プログラムにしたのは高専での授業や留学を通してコミュニケーションや第二言語習得に関しての研究がしたいと思ったからです。

 私もずっと先輩から言われてきたことですが、編入学は決して合格が終わりではありません。就職を目指す人は、入学して1年後にはもう就活が始まります。そのため、何か目標や目的をもって入学してください。これは、入学してからの指針になるだけでなく、受験勉強中の指針にもなります。また、苦しいと思った時でも、指針がハッキリしていれば進み続ける事ができるはずです。

 勉強時間に関しては、学習のリズムを作ることが大切だと思います。私は朝が一番集中できたので、平日は7:00に学校に行き、放課後は18 : 00 まで、帰宅後は20 : 00~24 : 00まで勉強し、6時間の睡眠で慣れるように調整していきました。休日や夏季休業期間中は8:30に図書館へ行き、閉館まで勉強し、帰宅後は25:00まで勉強するという流れを組みました。リズムに関しては人それぞれだと思うのでいろいろ試してみてください。また、一週間に一回カフェで勉強する日を決め、息抜きをしていました。

 時間だけでなく。その日の目標を立てる事も大切です。そのためには、長期的な目的を細分化し短期的な目的に設定してください。具体的には「名古屋大学に合格する」→「教科は英語・小論文そして面接がある」→「私には英語がたりていない」→「これとこのテキストをする」→「全部3回繰り返すためには一日これだけ進む」といった具合です。

 英語の勉強には、過去問を解いて語彙力が足りないと思い、中ゼミでも使われている「TARGET 1900」と「TARGET 1000」(熟語)を用い学習しました。コンパクトで持ち運びやすく、どこでも隙間時間にでも学習できるのでおすすめです。また、関連語彙として形容詞系・副詞系・反意語なども一気に学ぶことができ、結果としてかなりの数の単語をカバーすることができます。

 これと並行して「基礎英文問題精講」で文法を学びました。この問題集はなかなか曲者で、基礎という名前がついているのにまったく基礎ではありません。しかし、これを何度も繰り返すことで確実に文法が身に付き、また自信にもつながります。蛇足かもしれませんが、掲載されている文章の質が良く、新しい知見も学べるので小論文対策にもつながると思います。

 英作文対策としては「基礎英作文問題精講」を使いました。解答例は少ないですが解説が詳しく、問題数も多いため一冊やる価値はあります。英作文に使える文法ばかりなので確実に力になります。これらの基礎問題精講は難解な単語が下に載っているので辞書を引く時間を短縮できます。また、分からなかった単語を一周目で単語帳などにまとめて覚える事で二周目をスラスラとけるようになります。

 小論文の勉強は週一回過去問題を解いて、在学校の教官に添削していただきました。また、中ゼミ小論文の授業を受けました。名古屋大学文学部の小論文は「自然科学」「西洋史学」「教育」「文化人類学」の範囲からの出題が多いと中ゼミの授業で聞き、これらに関する新書や日本史・世界史の教科書を読み基礎知識を入れておくようにしました。また、社会学からの出題が多いので「社会学が分かる辞典」という本を一見しておくと良いと思います。今年も社会学からの出題でした。その他、幅広い知識を得る事を目的とし、輪読会を定期的に行っていました。毎週課題図書を読みレポートにまとめることで確実に力が伸びたと思います。その他、自分の専攻と絡めて論じられると好印象を与えられるという噂を耳にし、小論文に使えそうな言語学の知識をまとめて本番に備えました。これは面接対策にもつながると思います。

 面接対策も在学校の教官にお願いして指導していただきました。なぜ、志望校で勉強したいのかということを明確にする作業になります。入りたい研究室やとりたい講義などをシラバスや研究室のホームページを見て知っておくことも糧になります。また、私は、名古屋大学のオープンキャンパスに参加し情報を得ました。実際に志望専攻の教授・先輩ともお話できたり、卒業研究を見せていただいたり、顔を覚えてもらったりと、価値あることばかりなので参加することをおすすめします。また、友だちに試験官をやってもらい練習することも自信につながると思います。ここまで長々といろいろ書いてきましたが、これから受験期を迎えるみなさんに3点伝えたいことがあります。まず、利用できることはなんでも利用すること。過去問題やテキストもそうですが、先生方や実際志望校に行かれておられる先輩から直接情報を得ることを徹底してください。そうすれば、次第に受験に対する不安要素は抜けていくと思います。次に、息抜きを覚えること。何かを得るためには何かを犠牲にしなくてはなりません。しかし、その中でも短時間で出来る息抜きや気分転換を持っていると結果として能率は上がると思います。最後に、受験期に一番怖いのは自分に言い訳をすることだと思います。自分との戦いに勝って、志望校合格をつかんでください。夏の間の一週間だけでしたが、中ゼミで得たものはとても大きかったです。本当にありがとうございました。

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