難関大経済経営小論文の核心「+α」とTOEICについて

 初めにお断りしておくと、私は中ゼミのいわゆる模範生ではなかった。以下に中ゼミの簡単な特徴と経済経営系小論文での差のつけ方を説明する。去年、卒業生のガイダンスを見て思ったが、明確な勉強法や他者との差のつけ方を明記してくれたものはほとんどなかったと記憶している。ほとんどが感情論であった。ここでは小論文に関しては具体的な差のつけ方を書く。

 では受験対策について。難関大とその他大学での受験対策はまるで違う。競争率の低い大学や、与えられる試験時間が短い大学では、小論文は一般論を書くのが望ましい。つまり中ゼミの講義でならったことをそのまま流用し、また設問は正面から解くのである。ただ、この場合は時間が短いため、短時間で確実に一般論を出すアウトプット力が必要である。そのため、繰り返しテキストを反復する必要がある。人は必ず忘れる。暗記が完璧! という状態は無いと先生が言うように何周も何周も永遠にするのである。これは中ゼミだからなせる業だ。中ゼミの講義レベルや過去問などの情報力は非常に高く、基本的に中ゼミ生以外の他の受験生は勝負にならない。それほど独学者と中ゼミ生の学力・情報力の差は大きいのである。中ゼミの講義にほぼ出席することができた時点で個人差はあるが偏差値60台になると考えられる。

 ただ競争率の高い難関大や旧帝大ではそれが通じない。ここからが本題である。そのような大学では実際中ゼミ生同士の競争となり。中ゼミ内部でのいすとりゲームとなる。すると周りのライバルも中ゼミの講義を受けてきたことになり、先ほど申した「中ゼミの講義にほぼ出席すること」では、単なる偏差値50程度にしかならない。つまり中ゼミの講義レベルが難関大受験生の平均なのである。また、先ほどのように設問を真正面から一般論で解くと答案の特徴が無いために、名大受験の場合だと受験生100人の中に埋もれてしまうのである。その中で合格できるのは10名ほどである。ということは受かるためにはライバル100人と決定的に差をつける「+α」が必要になる。わたしはこの「十α」こそが経済経営系小論文全体に通じる核心であると感じている。「+α」とは中ゼミ以外で身につけた得意分野(経済経営専門分野)である。大学のゼミでもいいし、読書でもいいし、個人研究でもいいが、誰にも負けない知識と問題意識のある分野を作ってほしい。私は大学二年次から始まる専門ゼミで保険経営論、金融論、危機管理論の分野を週に一回8時間みっちり学んで、研究論文を完成させた。そのほかでも夏休みや大学の瑕な講義中に読書をした。たとえばアベノミクスについて他の中ゼミ生と差をつけたかったので、「インフレで私たちの収入は増えるのか? 著 佐々木融」を読み、アベノミクス批判の意見を根拠をもって述べられるようになった。そのほかアマルティア・セン(開発経済学&格差、平等)や松下幸之助(経営、マネジメント)のような本を最低3冊ぐらいは読むべきである。どうせみんな大学の授業や通学の時間はずっと携帯いじっているだけ、なのだから(笑)

 ではこれがどう役に立つのかを説明しよう。私の専門分野が貿易論、国際経済論だとしよう。少々極端な例だが、設問がアベノミクスについてだとしたら、受験生の大半はアベノミクスについて真正面から解くことは前述のとおりだから、設問をひねるのである。アベノミクスがもたらす為替変動(円高)から輸出産業について論じることで、自分の得意分野である貿易論へ持っていく。設問が環境問題についてだとしても、TPPがもたらす農業、環境への影響へとひねり、自由貿易がもたらす環境への影響から貿易論へ持っていく。このように設問をひねっていくと、約6割以上の設問は自分の得意分野へ持っていくことができる。ということは小論文の6割は誰にも負けない内容を書くことができるのである。なぜならその得意分野は誰にも負けない知識と問題意識があるのだから。実際、自分の得意分野にひねれると講義での小論文添削でも評価Aがつく。こうなってくると妙に楽しくなる。すると読書に走り、得意分野が増え、より深くなるのである。自分の陣地を広め、強くしていくことで、最終的に経済経営含めて8割の設問は自分の得意分野に持っていくことができた。国とり合戦を思い浮かべてほしい。やはり自分の領域が大きいほど優位であるが、これも同じ要領である。より実践的な例として、名大平成26年度用の(試験日は平成25)経済・経営の二問を見てみよう。第一問は少々難しい問題であったが、「非合理」という言葉をひねり、保険経営論の分野で満足のいく解答を出した。詳しい内容は受験情報のほうに書き留めておいた。そして第二問は、ブラック企業の経営方法とその背景についてだが、これこそ真正面から書くと埋もれる設問。いわば引っ掛け問題なのである。ここに気づいてほしいのである。ここはひねって自分の領域に持っていく問題なのである。

 また名大の受験情報もひとつ持ち合わせている。名大は平成26年度用の大学院試験で不祥事を起こしている。本来一次試験で不合格であった生徒を合格として二次試験当日まで見過ごしていた。ここで開示された情報は英語の試験の点数を半分にして採点していたことである。その生徒の採点については英語の筆記を半分にしていなかったミスのために一次試験を突破してしまった。ということである。つまり、英語が80点の生徒と英語が60点の生徒は10点しかかわらない。今まで名大は英語で足きりをしている、もしくは英語の加点が高いという根拠のない噂があったが、これらの噂の信憑性が薄まった。また私自身堅い英文の和訳が苦手で名大の英語は体感で6割以下ほどしか取れなかったが受かっている。名大は英語重視というのは大きな間違いである。むしろ小論文重視であるし、私も小論文については今でも自分は100点だったと信じている。

 そしてさらに裏付けるのは名大27年度用の英語試験では筆記英語がTOEICに変わったのである。ここは注意してほしい。やはり小論文重視としか思えない。ぜひこれからも英語に自信がない人でも小論文に自信があれば名大は受けてほしい。TOEICは千頭和先生の授業で一通り品詞、構文解析ができるようになったら、「一駅1題新TOEICTEST文法特急 著 花田徹也」で文法問題のパターンを学んだあとに公式問題集を解く。このとき間違った文法問題は千頭和先生のプリントと照らし合わせて必ずなぜ間違えたか追求することである。TOEICの文法問題はパターンがあるのでひとつひとつつぶしていくのである。全30パターン以下かな? そのため上記のー駅一台を勧めている。この本にはほとんどの文法問題パターンが載っている。まずは従属接続詞か前置詞の選択間題パターンから完璧にしたい。

 そしてここでもTOEICの核心なのであるがPART5、6の文法問題が早く正確にとけるようになると自然とPART7も正答率があがる。なぜなら気づいている人もいるかもしれないがPART7はゆっくり時間を与えられれば誰でも解ける簡単な問題なのである。つまりPART5、6が早く正確に解けるとPART7への時間配分が増え、余裕を持って解けるために自然とリーディングセクション全体のスコアが上がるのである。このスコアの上げ方が有効な人の特徴はこうである、「試験を最後まで解き終われない」、「PART 5の正答率が7割以下というか文法は基本あてずっぽう」、「なぜかリーディングセクションのスコアが伸びない」などである。こういうひとはPART5を特訓すればよい。私もこれでスコアは200点もたった一ヶ月半で伸びたのだ。

 まだまだいろいろ伝えたいが、4000字もいってしまったし(きっと規格の二倍以上)、きりがないのでここまでとする。以上でこれまで経済経営系小論文の核心と名大の受験情報とTOEICのスコアのあげ方について述べてきた。

 最後にひとつだけ伝えたいことがある。冒頭のとおり私は授業の出席率は7割程度ほどであるし、中ゼミの自習室も一度も使わなかったし、中ゼミでこれといって友達も作っていない。また大学ではサークルの幹部をやっていたことから週に2回は典型的な大学生活をしてしまった。それに英語でもTOEICは700後半あったが千頭和先生の添削ではいつも20点台だったから相当焦った。変な自慢をしているわけではない。何が言いたいかというと、中ゼミに入学してから勉強が追いつかなかったり、なじめなかったり、つい遊んでしまったり、中ゼミの「模範生」になれなかったりしても編入試験や中ゼミを辞めないでほしい。中ゼミの「模範生」の定義ははっきりしていて、席は前の1、2列目に座り、自習室を毎日使い、復習をきっちりし、友達と情報交換する、である。果たして何%の生徒がこれを実現できるだろうか。見る限り30%程度以下であるし、そんな「模範生」でない私も今は立派な中ゼミからの旧帝大の合格生である。「模範生」になれなくても中ゼミを続けてほしいのである。やはり編入試験において中ゼミはもっとも確実な近道であるゆえにやめたときの機会損失ははかりしれないのである。

 中ゼミに通っているみなさんは編入の受験環境では最高の環境にいることを忘れないでがんばってほしい。

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