ゼロからのスタート

 この度、無事名古屋大学経済学部第3年次編入学試験に合格し、進学することに決めましたので、私の受験体験記を書かせていただきます。

 私が中央ゼミナールに通い始めたのは、8月の頭、つまり夏期講習からのスタートでした。私は2年間米国で短大に通っていて、6月に卒業し、7月に帰国しました。一応米国で経営学部に所属していたものの、私は米国に行くまで全く英語が話せなかったため、その大きな言語の壁を乗り越えながらの学習は、とても経営学や経済学を修得したとはいえないものでした。日本で習う事項と異なる部分も多くあったと思います。ですから、現に夏期講習より中ゼミで教えていただいた経済学や経営学は、ほとんどすべてが私にとって未知の内容でした。つまり、私は夏期講習から、そして経済、経営に関して知識0(ゼロ)からのスタートだったのです。

 果たして間に合うのか? という不安と焦りを持ちながら、夏期講習で毎日中ゼミに通い、講義を受けました。経済学は遠山先生の「基本マスター」という講義で1学期の分をすべてカバーしていただき、かつ通常の先生の講義を、1学期からスタートしていた他の生徒の方と一緒に受講しました。加えて、中原先生の経済・経営系添削英語と、難関大経済・経営系小論文、そして時事経済と経済数学を、すべて1日も休むことなく受講しました。

 講義を受けても自分で復習の時間をとり、習得しなければ全く意味がありません。しかし、夏期講習からの方は皆さんそうだと思いますが、とにかく講義が朝から晩まであるので、授業時間外に全然時間を取れないのです。ですから、私にとって、毎日25分の帰りの電車は勝負の時間でした。どんなに疲れていても、頭をフル回転させて、その日に習った全ての事項をその25分間に詰め込むつもりで暗記に徹しました。歩いているとき、シャワーを浴びている時、少し暇があればすぐにテキストの中の内容を覚えるように努力しました。その結果、夏期講習の最終日に受けた模試では、近代経済学で1位、経営学で1位、英語で2位という好成績を残すことができたため、1学期からの生徒さんたちとの時間的なハンデを克服することができたと実感しました。

 それから、私は中ゼミ以外の市販の教材は何一つ使用しませんでしたが、1つだけ自主的にやっていたことがあります。それは、日本経済新聞朝刊を読んだことです。2年間海外にいただけに、その間に日本で起こった時事についての知識はすっぽり抜けていましたので、それを少しでも克服するべく、8月から日経をとりました。そして、進学が決まるその日まで、毎日1日もかかさず、1面~企業2面まで全て読みました。新聞を人生で1度も購読したことのなかった私にとっては相当苦痛な時間でしたが、並行して受けて得た中ゼミの知識がプラスされて、最初は全く意味のわからなかった記事が、日に日にわかっていく楽しさも実感していました。合格後先生が、このことが勝因につながったとおっしやってくださり、嬉しかったです。

 名古屋大学は、小論文と英語だけですが、講義であつかったテキストの試験前までの全ての内容を、私は受験のその日までに頭に入れていた自信があります。先生がおっしゃっていた、「中ゼミのテキストは編入試験にでるところだけを押さえていて、ある意味ヤマを張っているのだから、それは全て習得しなきゃだめです」、という言葉をただただ信じ、勉強に励んだ日々でした。だから、名古屋大学に落ちていたとしても、全く後悔はありませんでした。しかし、最終的に、練習のためにと思って受けた初めての編入試験で、合格という思わぬ結果をいただくことができたのは、これ以上ないくらいの嬉しい誤算でした。

 とにかく私は、夏期からでも、ゼロからのスタートでも、自分の努力次第でなんとでもなるということを強調させていただきたいです。一般入試より圧倒的に情報量が少ない編入試験を独学で突破することは、不可能だったと思います。中ゼミを、講師の先生を、信じてください。中ゼミでの勉強は大変です。苦しいです。中学生や高校生みたいに若くないですから、疲れます。でも、そこに必ず学ぶ楽しさがあります。そんな楽しさに励まされながら、自分の目標や夢に一歩近づける編入学試験で合格を手に入れられる素敵な経験を、これから編入学を志す、素晴らしい可能性を持った中ゼミの生徒さんたちが、1人でも多くしてくださることを、その経験をした1人として願っています。

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