私が考える編入合格に必要なこと

 私は2021年度法学部第3年次編入試験に合格した者です。編入先の大学への入学前の現在は私大文系非法学部2年次に在籍しています。私は法学・政治学を専門的には学べない環境に身を置きながら、かつ大学の授業を受けながら(コロナのため全てオンライン)編入受験勉強をしていました。
 まず受験結果について書きます。名古屋大学法学部に合格、同志社大学法学部政治学科と大阪大学法学部は不合格でした。そのため、私は不合格者でもあります。むしろ不合格の方が多いですね。それでも1校合格をいただいたので、ここに私が編入試験の合格に必要だと考えることを自分の体験や中ゼミの環境、大学受験との比較を交えて書きます。
 私が編入試験に必要だと思うものは、試験科目の分野の知識、編入試験そのものに関する情報、自分に即した対策・戦略の3つだと考えます。
 まず、試験科目の分野の知識の必要性について書きます。試験科目の分野の知識が必要不可欠であるのは大学受験も含めてすべての試験に言えることだと思います。もしかしたら何当たり前すぎることを言っているんだと思う人もいるかもしれません。ただ、編入試験は、範囲を把握することや実力をつけるための対策を実行することが大学入試とは桁違いに難しいという現状があり、これを伝えたかったためにこの項目を挙げました。まず、今いる環境で他分野を専攻している場合、法学政治学にはどのような内容があってどのような範囲が基礎に当たるのか、見当がつく人は少ないのではないでしょうか。少なくとも私はそうでした。なので法学・政治学・小論文(社会時事)の基礎が凝縮した中ゼミの授業は特に他学部出身の私には必要不可欠でした。また、法学部の編入試験は殆どの場合専門科目の試験で法学、政治学に関する問題の論述が課されます。これは大学の授業ではまずやらないと思いますし、インプットとアウトプットは完全に別物(インプットをしただけでは論述は書けない、論述の練習をしないとほぼ不可能)です。さらに論述は自分で書いて自分で見直すだけでは、改善すべきポイントなのかわからないと思います。そのため、中ゼミの授業で毎回論述の練習ができてプロに添削してもらい改善点を炙りだすことができたのは本当に有意義でした。
 次に編入試験自体の知識の必要性について書きます。編入試験はマイナーな試験で、経験者どころかその存在を詳しく知っている人すら多くありません。大学入試と比べると認知度は雲泥の差です。従って、数多の情報が溢れる情報社会とはいえ、素人が編入の情報を手に入れるのは容易ではないと思います。実際に私も中ゼミのプレ学期が始まる前までは編入の情報収集に苦労しました。その一方で、中ゼミでは長年の指導経験で蓄えられた編入に関する情報が蓄積されています。それが具現化したものとしてまず挙げられるのが中ゼミにおいてある様々な大学の過去問と先輩の受験体験記です。このほか、中ゼミでは授業の他に様々なガイダンスが行われています。授業内容や合格から逆算した視点での授業の意義を解説してくれる授業/講習ガイダンス、面接や志望理由書について詳しく解説してくれる面接/志望理由書ガイダンス、合格者に直接話を聞ける合格者ガイダンス等のガイダンスなど様々なガイダンスが無料で受けられます。実際に受かった人や教え子を合格に導いた人の実体験を聞けるのはとても有意義でしたし、説明を聞けるだけでなく自分から質問もできて、より確実に合格につながったなと振り返って思います。なので、中ゼミに入ったらガイダンスに行かないと大損です。
 最後に自分に即した対策について話します。当初は大阪大学、名古屋大、神戸大(いずれも11月上旬)と同志社大学(9月下旬)を受験する予定でした。しかし、9月頭に提出の阪大の志望理由書に予想以上に時間がかかり8月が丸丸阪大の志望理由書を仕上げるので消えてしまった状況、TOEICの点数が出願要件ギリギリの610しかなかったこと、民法・刑法が大の苦手だということを踏まえて、神戸大学の出願を直前で辞めました。そして神戸大学ほどは実定法の細かい知識が問われない、課題文型の大阪大学と名古屋大学に懸けることにしました。親には止められなかったものの、なんで神大を受けなかったのか、チャンスを自ら逃したと残念がられました。その直後名古屋大学が出願2週間前にして筆記試験を取りやめ1次試験の書類審査(実質志望理由書で判断)、2次試験の面接のみにすると決定しました。ここで大阪大学と名古屋大学の対策が全く別のことをしないといけなくなりました。阪大は殆ど合格者を取らず、問題も恐ろしく難しくて受かる見込みはゼロに近かったです。一方名大は毎年10人取っていました。この状況をふまえて思い切って名古屋大学の対策に全勉強時間を充てました。特に面接試験では重箱の隅をつつくような予想外の質問がたくさん飛んできて、名大の試験対策に時間と労力を費やしてどんな質問が飛んできてもいいようにと様々なことを考えたことが功を奏したと振り返って思います。とどのつまり、自分のキャパシティーに見合った対策をしたために合格できたと考えています。
 最後に、名古屋大学に受かったのとは対照的に、大阪大と同志社大は頑張ったけれども落ちました。編入試験はただ頑張ったからと言って受かるわけではありません。中ゼミは毎華々しい合格実績を出しており、編入試験も合格者ばかりが目立ちますが、不合格も普通にあり得る(というか不合格の方があり得る)というのが現状だということを書き添えておきます。
 私の体験記は以上になります。何か参考になれば幸いです。

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