編入学の勉強

 私は経済学や経営学とは無縁である高専から経済学部への編入を成功させました。以下では私が経済学部編入を志した動機や勉強方法について述べます。

 私が所属していたのは高専の情報デザイン科という珍しい学科です。就職率が良く、早い段階からプログラミングが学べるということで入学しましたがプログラミングを実際に学んでみると案外面白くなく、デッサンや製図などをやっているときはイライラするぐらいでした。実際に就職率などに釣られて高専へ進学した人や専門の勉強が合わないといった人は多いのではないでしょうか。中学生の時点で将来学びたいことを明確に出来る人はそういないと思います。

 3年生になり普通高校に進学した私の友人たちが大学受験勉強を本格化させ、私も友人たちと同じように大学へ進学したいという気持ちが強くなったのがきっかけで、3年次編入試験を受けることを決意しました。志望校は東大工学部のシステム創成学科でした。なぜ東大工学部にしたかといえば、一番難しいと思ったからです。また、当時は工学部と理学部以外への編入は知らなかったため、経済学部への編入は選択肢にありませんでした。専門の勉強を疎かにしてバイトばかりやっていた私のそれまでの席次は20番台をさまよっている状態だったので、相当頑張らないといけないということはわかっていました。3年生になってからはバイトを辞めて図書館で編入対策の数学と物理を集中的にやり、席次も一桁になりました。英語の勉強は4年になってから始めました。4年の4月時点でTOEICは300点代でしたが、4年の9月で515、10月で615とスコアを上げていきました。

 経済学部への編入を意識しだしたのはこの頃です。きっかけは本当に些細な事だったのです。研究室内で、私がちょっとした転売で儲けたという話をすると、先生から「経済とか好きなの?」と聞かれ、実際に結構好きだったので「はい」と答えたことでした。「はい」と答えてしまったからには経済に関してなるべく詳しくなろうと新聞なんかもちゃんと読み始め、時事経済を学ぶうちに経済学を学んでみたいと思うようになりました。4年の12月頃にマンキュー入門経済学を読み、数学や物理とは違った面白さに触れて、本格的に経済学を勉強したいと考え始めました。色々と調べているうちに経済学部編入について知り、あとはもう工学部じゃなくてとにかく経済学部に編入したいという気持ちでいっぱいになりました。

 高専から経済学部へ編入する人はかなり少数なので情報がまったくなく、経済学についても編入のためには何をどの程度勉強すればいいのかもわからなかったため不安が大きかったのですが、Twitterなどを通して経済学部編入の経験者とコンタクトを取り編入試験について色々と教えてもらうなどしてがむしゃらに勉強しました。志望校は一番難しいところということで、とりあえず京大経済学部でした。TOEIC1月に725、5月に790を取りました。中ゼミの通信サポートコースに入ったのは4月頃だったと思いますが、主に小論文の添削をしてもらうことと過去問の入手を目的に入会しました。それ以降はTOEICの勉強を辞め、編入試験の英語対策、ミクロ経済学、マクロ経済学だけをやりました。ミクロ経済学とマクロ経済学に関してはどこの編入試験の過去問でもそれなりに解けるレベルまではもっていけたと思いますが、問題は英語でした。中ゼミの夏期講習で添削英語Hの講義をとったのですが、そこで順位が中の下ぐらいだったため軽く自暴自棄になったのを覚えています。周りの受験生のレベルを知るために通信の人は夏期講習に参加することをおすすめします。9月に九大を英語のみで受け、これで受かったら京大を受け、落ちたら京大を受けずに地元の東北大を受けると決めました。九大の結果は不合格だったため、予定通り京都大を受けるのを辞め、志望校を東北大に絞りました。すべり止めとして横浜国立大も受けました。高専の担任からはすべり止めとしてもっと確実なところも受けておくように言われたのですが、全落ちしたら編入浪人するつもりだったので東北大と横浜国立大のみ出願しました。

 結果から言うと東北大と横浜国立大のどちらも合格しました。今年は倍率的に東北大よりも横浜国立大のほうが難しかったかもしれませんので、どっちがすべり止めかわからなかったです。どちらも試験後に自己採点をしましたが経済学は東北大10割、横浜国立大9割。東北大の数学は10割、小論文は6割程度でした。経済学部の編入試験を受けてみた感想として、高専生(理系)ならばミクロ経済学とマクロ経済学にすぐに対応でき、数学もやったことのある問題ばかりなので比較的容易に得点源にすることが出来ると思います。英語のできる高専生ならば経済学部への編入は成功しやすいです。なので、経済学部への編入を志す高専生はまず英語をとにかく頑張っていただきたいです。

 最後に編入試験を受けさせてくれて、中ゼミにも入会させてくれた両親に感謝の意を表し、私の受験体験記を終わらせていただきます。

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