編入の覚悟

 私は、中央ゼミナールで通信サポート(受験アシスト)コースを受講しました。そして、第一志望である筑波大学医学群看護学類の編入試験に合格することが出来ました。病院実習と試験勉強の両立は大変でしたが、中央ゼミナールで担当していただいた宍戸先生をはじめ、周囲の心強いサポートによって、私は編入という切符を獲得することができました。過酷な病院実習や膨大な実習記録で、心身ともに限界を迎えることも多い看護学生ですが、編入を決意し、合格するまでの道のりは簡単なものではありませんでした。しかし、もし私と同様に看護編入を考えている方がいるのであれば、私のこの1年間の振り返りが少しでも参考になれば幸いです。

 私は20代後半で看護学校に入学しました。看護学校のカリキュラムは3年制で、2年生の後半から10か月間は実習でした。私は出産のために1年間休学したので、復学後は実習と家事と育児で多忙な毎日だったことを覚えています。しかし、実習を行ううちに「もっと教養を身に付けて、社会全体に対する視野を広げたい」という思いが強くなり、看護学校入学時から考えていた大学編入の思いが確固たるものになっていきました。そして、家族が編入に賛成し、応援してくれたことが、受験を覚悟する決め手となりました。とはいえ、家庭の経済状況を考え、学費のかかる私立大学よりも、国立大学であり、かつ自宅から通える範囲の大学を調べた結果、筑波大学一本で勝負することに決めました。ちなみに、不合格であれば、看護師として働きながら通信大学で学士を取得するということも考えていました。結果がどうであれ、色々な道を考えておくことで、僅かですがプレッシャーから解放された気持ちになりました。一方で、受験料を払って受験するからには絶対合格したい、という強い思いもありました。

 まず私は、情報収集から始めました。しかし、筑波大学の過去問や受験情報の収集を個人で行うのは困難だと感じていました。そんな時に知ったのが中央ゼミナールの存在です。前年も筑波大学への看護編入で5人合格という実績をもつ予備校だったため、興味を持ちました。最初は説明会に参加し、無料で看護学と英語の実力試験を受けました。後日、郵送された結果はそれほど悪いものではなかったので、筆記試験の勉強は自力で行うことにして、過去問等の情報提供や志望理由書の添削をしていただける受験アシストコースへの入会を決めました。私の自宅から都心までは電車で1時間以上かかり、育児や実習で通学が困難だったため、通信サポートという受講形式を取らせていただきました。メールで請求すれば過去問や過去の受験情報(試験や面接の内容)をすぐに郵送してもらえました。また、担当していただいた宍戸先生は知識が豊富な方で、看護のみでなく医療や福祉に関する最新ニュースまでご存知でした。志望理由書の作成について簡単に考えていた私は、宍戸先生から、具体的に大学で何をやりたいのか、なぜ筑波大学なのかと問われ、大変悩んだことを覚えています。一生懸命考え、修正して再提出した志望理由書に対しても鋭い添削が入りました。しかし、そのようなことを繰り返しながら、「自分は本当に筑波大学に編入したいのか、具体的に大学で何を学び、それを看護にどのように生かしていくか。について自分自身で考察し、大学編入後のみでなく、卒業後のビジョンについても明確に見出すことが出来たと思います。そして、その明確なビジョンをもって編入試験の面接にも臨み、面接官に対してはっきりと自分の意見を述べることができました。

 筑波大学の編入試験は7月に実施されました。私の場合、看護学校2年生の時に大学編入を決意し、受験までの半年間は必死に勉強したことを覚えています。試験科目は専門科目(看護学)と論文(英語)というものでした。勉強法として、専門科目については、国家試験の過去問題6年分を10回程度解いた結果、試験直前の国家試験過去問題の得点率は9割以上まで上がりました。論文は英語の文献を読み、日本語で解答を論述する形式でしたが、もともと英語圈での留学や就業経験があったため、英語に対する苦手意識はありませんでした。試験対策としては、『ターゲット1900』を一通り読んだことと、定期的にJapanTimes等で英語で日本の最新ニュースを読んでいました。実習と家事育児で忙しかったため、受験勉強の時間を確保するのは大変困難でしたが、数分でも空き時間を見つけては勉強していました。もちろん、実習記録や家事育児を優先しながらの受験勉強でしたが、睡眠や食事は十分にとり、体調管理にも気を付けていました。しかし、努力していたのは自分だけでなく、実習メンバーには係の担当を代わってもらったり、家族には家事や育児をお願いしたりと、周囲の支えは非常に大きなものでした。すなわち、この合格は私一人だけの力で得たものでなく、家族や友人の支えがあったからこそ得られたものだと思っています。

 1年間を振り返り、目標に向かって努力できる環境があることの有難さ、そして、目標に向かって努力することが自分の自信や成長に繋がるということを学びました。大学では、さらに多くのことを学び、看護師としての経験を重ねた後は、大学院へ進学するという目標があります。高い知識と技術、そして豊かな人間性を兼ね備えた看護のプロフェッショナルになること。そして、大学での学習や様々な経験を通して私が得たことを、看護を通して社会や人に還元していくことが、私の夢です。編入を覚悟するのは容易ではないかもしれません。しかし、覚悟したからには、目標に向かって突き進んでください。結果はおのずとついてきますし、結果を受け入れてその先をいかに進んでいくか、全ては自分次第だと思います。

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