苦しい思いの後、一歩前に

今振り返ってみると、編入試験に向けて勉学に励んだこの時間は、かけがえのないものでした。

私はこれまで、受験勉強に対して本気で取り組んだことがありませんでした。高校受験では、志望していた公立高校に落ち、併願していた私立高校に入学。その悔しさを胸に入学したものの、大学受験の頃にはその思いは薄れ、甘い考えで挑んだ結果全落ち。そして、選んだ道は浪人。浪人生になっても、最初のうちはやる気があるものの、俗に言う“中だるみ”の状態になり、1年間を通して本気で取り組むことはありませんでした。何事も努力した量は結果に出るもので、もちろん第一志望の大学に受かることはなく、第二志望、第三志望の大学にも受かりませんでした。幸い、あまり行く気はなかったけど、短大には合格することができました。周りはほとんどMARCHレベルの大学に受かっているし、浪人しても結果を出せないしで、すごく自分が恥ずかしくて、その頃から引け目を感じるようになりました。

短大に入ってからは、高校の頃に興味をもち始めた心理学の授業をいくつか受け、より関心が深まりました。もっと専門的に学んでみたいと感じ、編入したいという気持ちは入学当初よりも強くなりました。短大2年の4月に中ゼミに入り、自分と同じように心理学を学びたい人や、わたしが憧れをもつ臨床心理士を目指す人、心理系大学院を出たスタッフの方、先生方と出会いました。他者と共通して関心のある心理学についての会話は、とても楽しくて、学習意欲を高めてくれました。

心理学以外でも、中ゼミの千頭和先生の英語の授業は、とても印象に残るものでした。私自身英語は得意な気でいましたが、授業を受けてみると、基本的なもの(中学レベル)にも関わらず全く知らないものが出てきて衝撃を受けました。先生の授業は、基礎からコツコツと固めていき、長期的に学習を進めて応用へと繋げるというやり方で、それまで私がしたことのない方法でした。この長期的に勉強に集中するというのは、慣れない私には結構きついものでした。特に、夏休みは周りの友人が内定をもらって海でワイワイやってる中、机に向かって問題集とにらめっこ。「私も就職を選んでいれば、みんなとー緒に遊べたのにな」なんて思ったこともありました。でも。千頭和先生の熱意・やる気を毎回授業でいただき、「ここで諦めたらずっと自分はダメ人間だ。これが最後のチャンスだ。」と言い聞かせ、粘りました。今までの後悔があったのもそうですが、中ゼミの先生方、スタッフの方々、家族、友人のサポート、中ゼミの自習室で目標に向かって努力している人たちがいたからこそ、乗り越えられたのだと思います。周囲の方々には、本当に感謝しています。

そして、編入試験に向けて遊ぶのも我慢していたこと、編入試験に合格したことで、友人から「実はその姿に刺激を受けていたよ」「私も頑張ろうって思えたよ」などと言われるようになりました。自分の努力が他者の向上心に良い影響を与えることができたのは、とても嬉しく思いますし、自分に自信がつきました。毎日机に向かう日々は正直きつかったけど、この期間で成長し、自分の憧れの職業に近づくことが出来、編入を選んで良かったと思っています。

最後に、あんなダメ人間だった私でも、自分を変えることができたんです。誰でもやれば出来ます。やらないから出来ないんです。このことを胸に、これから編入試験を受ける人には精いっぱいの努力をして、目標を達成する喜びを感じてほしいと思います。

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