自分のやり方で自分に対する自信を!

受験体験記は、ほとんどどれも同じ内容で飽きてしまうのではないか。去年の先輩達は大半の方が「中ゼミで一生懸命勉強すれば大丈夫」「あきらめず最後までやれば必ず合格する」と最初から最後までそれを一貫して書いていたし、結局誰しも言いたいことは「とにかく頑張れ」ということであった。しかし、努力が必要なことくらい猿でもわかるし、努力は人に言われてすることではない。人一倍の努力を前提とし、そこに自分に合ったやり方や自分なりの工夫、プラスαを取り入れることでやっと合格を手にすることができるのではないか。また、受験において「努力」と聞くと「勉強を一生懸命すること」だけだと勘違いする人が多い。しかし、努力の仕方や頑張り方は人それぞれ違うためただ闇雲に勉学に励むことだけが「努力」なのではない。この勘違いに気付けないで最後まで「やり方」を間違えていた人の大半は、受験に失敗した時に「一生懸命勉強頑張ったのに不合格だった」という有りがちな台詞を口にする。長くなったが、以下からは自分なりのその「努力の形」について、具体的に述べていきたい。

まず、私は書物は読まなかった。一番の理由は私は本が嫌いだからである。また私は6月に中ゼミに入学したが、第一志望校の受験は4ヶ月後の10月で読書が苦手な自分にとっては、繰り返し読むことでしか効果が得られない読書は時間の無駄だと考えたからである。大事なことは読書の代わりに何を努力したか。先生の模範解答を暗記したのである。模範解答は一つ残らず目を通し、使えそうな文脈や単語、話のもって行き方まで、切り抜きをしたりノートに書き留め自分のものにしようとした。この方法で私は小論文の成績を、社会学や論文の書き方など中ゼミに入るまで全くの無知でありながら、私よりも前から中ゼミにいた生徒・読書を先生に言われた通り真面目に行っている生徒と同じにあるいはそれ以上に約1ケ月ですることができた。先生の作る論文の模範解答ほど的確で簡潔なうえに要点を即座に知ることのできる教材はない。

そして私は必ず「添削英語」の再提出をした。中ゼミが提供してくれる問題には無駄はないと信じていたからである。ゆえに授業で扱う問題さえ完璧にすれば英語に関しては受験で大失敗することはないと考え、どんな他の問題集よりも授業の復習を優先させ、添削された所・間違えた所は、しらみつぶしのように一つずつ時間をかけて潰していった。さらに英語で大事なのはこれに加え、単語や熟語はもちろん自分の志望大学のレベルに合わせた構文の新しい知識を自分で身につけていくことであった。構文の学習においては「基礎英文問題精講必修編」を1冊仕上げれば十分だろう。自分の弱点を潰しつつ新しい知識を盛り込む、これさえ根気よく続ければ早くて1ヶ月、2ヶ月後には周りに差をつけられる。

最後にこれはあくまで個人的な意見になるが、中ゼミ内でも推奨され多くの生徒間でも愛用されている『ターゲット』を私は使わなかった。難解で無駄な単語が多いからである。『ターゲット』にある単語頻出率は数ある単語帳の中でもトップクラスであるが、それらの単語がその長文読解においてのキーワードとなる語でなければ意味はない。つまり、『ターゲット』記載の単語は確かに長文に出てくる単語を網羅しているが、その長文の設問を解く上では必ずしも理解しなくてはならない単語ではない、ということである。もちろん、全訳が問題傾向にある大学を受験する場合は『ターゲット』は有益であるかもしれない。特に難関校ではそうだろう。しかし、一般入試型や下線部和訳問題を中心にして出す大学においては、問題となる英語の箇所はその長文内で重要な文、キーワードとなる文なので、必要最低限の単語とある程度の構文が理解できていれば、容易に解けることが多いのだ。だから、自分の志望大学の過去問をよく確認せずに、『ターゲット』に手を出すことは私はあまりお薦めしない。周りに合わせる必要も全くない。あくまでこれは個人的な意見なので、実際に色々な単語帳を手にとって比較してみると良いだろう。ちなみに私が薦める単語帳は『速読英単語必修編』である。

私が編入を決意したのは、一言で言えば、当時の大学の授業やその大学内の友達の価値観などに以前から嫌気がさしていたからである。私が編入に向けて勉強したのは、3~4ヶ月という短い期間だったが、当時の大学に在籍した2年間よりも比べ物にならないくらい、濃く、誇れるものとなった。そして合格した今、自分はやはり力を持っていたのだという自信と、大学受験時代の自分を思えば十分過ぎる学歴を超速で手に入れることができた。皆さんにも編入を通して自分なりのやり方で自分に対する自信を、コンプレックスとなっている現在在籍する大学を蹴散らすほどの実力を、手に入れてほしい。

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