やっと掴んだスタートライン

「絶対編入する!」
そんな思いから、短大への入学を決めてからの2年間、私の決意は一度も揺らぐことはなかった。とは言っても、1年生のうちは資料や情報を集める程度で、実際に中ゼミに入り受験勉強を始めたのは2年の4月から。英語が苦手で大学受験に失敗した私にとって、英語+小論文という編入の試験科目に最初はとても不安だった。しかし、将来のため、自分のため、私には譲れないものがある。そのためには、この壁を乗り越えることが必須であった。
よし、ここで何としてでも英語を克服してやる!こうして私の受験勉強が始まった。

 苦手な英語の勉強には、一番力を入れた。
まずは、毎回の単語テストの勉強と再提出をしっかりやった。それと並行して、千頭和先生が紹介してくださる問題集を進めることにも重点を置いた。問題集を進めていくうちに、私は基本が全く頭に入っていなかったことに気づかされ、1つ1つ完璧に理解してから次に進むように心がけながら問題を解くよう努力した。
中学2年の問題集から始め、中3、中学総復習、和訳、構文、文法・・・と8冊くらいはやったが、その量は決して十分であったとは言えない。学校のテストやレポート、小論文など他の課題もあったので、1冊やるのにもかなりの日数がかかったが、要領の悪い私にとってはそれが限界だった。
現役の時には感じることのなかった、自分の本当の限界。それでも睡眠時間を削って必死に頑張っている周りのみんなに比べれば、私の勉強量なんてまだまだ全然足りなかった。
だから、「もっと勉強しなきゃ!あれもこれもやらなきゃ。このままだとまた受験に失敗してしまう・・・」そんな思いが常に頭の中を支配し、かといってそれを上手くこなせない自分に対し自己嫌悪に陥ることもあった。悔しくて、悔しくて、涙が止まらなくなることもあった。
しかし、それが自分自身の限界であり、自分の”容量”の限界だったと思う。1つのことをやるにしても人の倍はかかる私は、物事を上手にこなす”要領”も悪く、自分の生活の中で受験勉強に割くことができる時間の”容量”も少ない。最初はそれが甘え以外の何物でもないと思い、自分の性格や精神的な弱さを責めた。
だが、それが自分。人と比べて焦ったり、自分を責めたりする前に、自分のできる範囲で精一杯頑張ろう、そう心に決めて前を向きなおした。

 受験当日、英語と小論文の試験の出来は、正直あまり良くなかったと思う。小論文に至っては2題とも最後まで終わらなかった。面接では、短大時代に所属していた新聞サークルでの経験や、自分が日頃から考えてきたことや感じてきたこと、将来の目標のためにこれから勉強したいと思っていることなどを自分なりに表現した。
小論文と面接、その2つに共通することは、「受験のためのテクニック、受かるための解答ではなく、自分の正直な気持ちで臨んだ」ということ。面接ではつい本音が出てしまったのだが、今考えるとそれが良かったのだと思う。偽りの言葉や偽りの自分ではなく、ありのままの思いを表現したこと、そして、それを面接官に認めてもらえたことが、何よりも嬉しかった。
また、あんなに苦手だった英語も試験で認められたことが本当に嬉しかった。最後の添削に書いてくださった「辞書さえあれば、かなり正確に訳せるようになった」という千頭和先生の言葉が、英語が苦手でどうしようもなかった私にとって、大切な宝物だ。
多くの壁にぶつかりながらも必死に前へ進み、たくさんもがいて苦しみながらも仲間と一緒に支え合って頑張っていく。そうやって手にした合格は、本当にかけがえのないものであり、簡単に手にすることができてしまったものよりもずっと、何倍も大きいものだと私は思う。
伸び悩んだ時期や辛かったこともたくさんあった。しかし、中ゼミで一緒に頑張ってきた友達や、いつも相談に乗ってくださり、多くのアドバイスをくれた先生方がいてくれたからこそ、私はこの受験を乗り越えることができたのだと思う。
「自分の身に降りかかる辛い出来事も、深く悩み苦しむ時間も、全ては自分を成長させるために必要なプロセス」
一番辛かった時期に読んだ本から、私が学んだ言葉である。この言葉を胸に、これからもしっかりと前に進んでいこうと思う。
最後になりましたが、先生方、スタッフの皆さん、色々とお世話になりました。本当にありがとうございました。

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