編入試験で経験したこと

私は現役時代の大学受験の結果に納得がいかず、在学中も常に心の中がもやもやしていました。
編入学という制度を知ったのは大学二年生の春休みの時で、当日専攻していた学問と自分の目指すものとのギャップを感じるようになっていた私は、実習が始まる三年生に進級することを辞め、編入学試験にチャレンジすることを決意しました。

 編入学を決意した当初、自分の中に「こんなことを学びたい」という、漠然としたものはあったのですが、それが何という学問に該当するのか分からず、初めは日本語・日本文化を目指して勉強していました。
しかし、社会学という学問を知り、自分の本当に学びたいことはこれだと思い、夏期講習から社会学の授業を受けるようになりました。
春から社会学の授業を受けてきた人達に追い付こうと、授業で配布されたプリントの内容を自分なりにまとめたノートをつくったり、授業で出た理論を用いた論文を、一日一、二個ずつコンスタントに書き続けたり、先生の勧める書籍を何度も読んで、知識を身に付けていきました。
私は静岡から通学していたので、授業のあるときは自習室で、それ以外の時は地元の図書館やファミレスで勉強をしました。その甲斐もあって、勉強をはじめて約二ヶ月で、一校目の試験に合格することができました。

 私が一年間の受験勉強を通じて思ったことは編入学試験には情報収集や計画性ももちろん必要ですが、それと同じ位、志望大学に対する強い気持ちが必要なのだということです。
受験勉強をしていくなかで、心が折れそうになる時がたくさんあります。そんなとき、大学への強い思いが自分自身を支えてくれるからです。
勉強方法については、自分自身のスタイルがあると思うので、早い段階でそれを確立し、こつこつやっていくことが実力につながっていくと思います。
編入学は学力もそうですが、面接にも比重がおかれているので、大学の教授との相性によっても合否は左右されると思います。仮に一校が残念な結果であったとしても、くよくよ考えずに気になる大学にはどんどんチャレンジした方が良いと思いました。

 編入学試験は、大学受験での悔いを挽回できる貴重なチャンスだと思います。また、学問に対する知識を得るだけではなく、勉強と向き合うことで、自分自身が成長できる機会でもあると思います。
私はこの一年間、自分の将来のことや希望大学のこと、そして自分自身のことについて考え、内省する機会が多くあり、その度に何かを得て、成長することができたように思います。そして、自分自身を振り返ることによって、なぜ現役の時、試験結果に満足できなかったのか、自分はこれからどうしていきたいのかが見えてきたような気がします。
編入学をする人は、一般入試の人達と違い、大学生活をゆとりをもって送ることはできないかもしれません。また、遠回りと思われるかもしれません。しかし、編入を経験しなければ分からなかったこと、気付かなかったことも多くあると思います。
これから受験をする人達にも、好きな学問を思いきり学び、自分自身を振り返ることのできるこの一年を大切に、受験勉強に臨んでいって欲しいと思います。

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