信じられない!

「信じられない……!」合格通知を手にした瞬間、喜びよりも驚きで心がいっぱいになりました。今振り返ると、長いようで短い、短いようで長い受験期でした。この体験記では私の体験をまとめ、少しでも来年度受験者のみなさん、特に社会科学系学部志望の2年次編入受験者の方の力になれたらと思います。また、勉強方法については特に論文対策に焦点を当てて述べたいと思います。
 そもそも、編入受験への気持ちは高3の3月で固まっていました。高校がそれなりの進学校だったこともあり、周りの友人たちは皆、国公立大学もしくはいわゆる有名私立大学に進路を決定していました。そんななか私はというと、合格したのは滑り止めの大学1本のみ。大学生活への希望よりも不安を抱えたまま高校の卒業式を迎えたのを覚えています。このとき、大学には進学せず浪人して来年もう一度受験することもできましたが、合格した大学にはとにかく籍を置いておくべきだとする両親のありがたい勧めもあり、2年次編入試験を目指すことに決めました。
 そして大学入学。私は自分の中で決心をしていました。それは“周囲には秘密にしたまま合格を手に入れる”こと。子どもっぽいと思われるでしょうが、高校時代の友人たちを驚かせたい、見返したい、そんな気持ちで新学期のスタートを切りました。サークル活動にももちろん興味はありましたが、私は特に何も参加していませんでした。2年次編入を目指すのであれば、そこは割り切って編入試験1本に絞って挑むべきだと思います。
 また、履修については、あくまでも編入試験合格を念頭におき、社会科学系の授業、つまり社会学入門や文化人類学の授業など、少しでも受験勉強に役立つように工夫し履修しました。こうしたことにより、興味のない授業を受けて無駄な時間を過ごさなければいけないというストレスも軽減され、大学での授業にも集中して臨めました。レポートの提出も中ゼミで勉強している内容を使うことができるので自分にとっても格好の復習になったと思います。また、中ゼミの授業で得た知識とリンクさせて授業を受けることにより、より一層理解を深めることができたと思います。
 次に、論文対策についてですが、何よりも“目的をもった読書”をできるかどうかが重要だと思います。社会科学系学部志望であれば、赤田先生の授業で社会学の入門書から専門書までさまざまな本を紹介していただけると思います。それに伴い、今までより本を読む機会が増えることと思います。しかし、自分は何に興味があるのか、どんな知識が不足しているのか、何のために本を読むのか、そこを明確にして日々の読書に臨むことが重要なのです。ただ1冊読み終えただけの読書と、自分で考え読み進める読書とでは得られるものが格段に違います。また、社会学者たちのさまざまな理論を身近なものに置き換えて理解するのもひとつの手だと思います。そうすることにより、日頃から世の中の現象を社会学理論を使って考えてみる癖がつき、だんだんと世の中を考察するのが楽しくなってきます。つまり、社会学的考察ができるように訓練することが大事なのであり、そのために常にアンテナを張り、“目的をもった読書”をすることが重要なのです。
 以上、私が2年次編入試験を受けようと志した経緯、大学生活と受験勉強、社会科学系学部の論文対策を簡単に述べてきました。もちろんこのほかにも英語力は必須であり、単語帳を完璧にし、文法をおろそかにしないことは必要です。そして、何よりも「合格したい」と思う気持ちがあればやり遂げることができると思います。2年次編入に関して言えば、実施校が少ないなどの問題はありますが、みなさんが志望する進路へ道が開けることを願っています。

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