一瞬の1年、一生の1年

 僕が編入学を志した理由は、前の大学に通う気力がなくなったからです。僕は小学校1年から高校卒業まで甲子園出場を目標に野球漬けの日々を過ごしてきました。一方で、勉強については全く努力せず、周囲に流されて、簡単に行ける大学に進学してしまいました。これが人生における唯一の後悔です。やはり、努力もせずに合格した大学では本当に楽しい大学生活を送ることができませんでした。ついに、僕は大学1年生の10/1(僕の誕生日)に退学を決心しました。それから1ヶ月間、僕は自分を変えたいという思いと、この現状から抜け出したいという思いからひたすら読書に明け暮れました。1ヶ月間で10冊は読んだと思います。実際に、この1ヶ月間が僕の人生を大きく変えました。そして、11/1には今まで逃げてきた、やる前から諦めてきた勉強、とりわけ興味を抱いた経済学を頑張ってみようと思い、ここで編入学を志しました。
 編入学を志した大学1年生からこの受験体験記を執筆している今日まで、本当に月日の流れが早く、まるで一瞬でした。僕はまず、苦手意識があった英語から勉強を始め、並行して中ゼミの学費を賄うために、必死にアルバイトをしました。正直この時期が一番辛かったです。
 そして、僕はアルバイトで稼いだ30万円(残りは親に土下座)と「MARCH・関関同立に合格する」という目標と根性だけを持って、中ゼミに入学しました。ところが、僕はすぐに挫折しかけました。最初の英語の講義を受講して、内容が一つも理解できなかったのです。その日の帰り道は悔しくて、泣きながら帰りましたが、高円寺駅に着いた時にあの1ヶ月間のことを思い出しました。「ここで諦めたら、一生諦め続ける人生になる」と思い、すぐに走って中ゼミに戻り、閉室時間まで自習しました。
 上述したように、僕は英語に関して強い苦手意識がありましたが、千頭和先生と出会って大きく変わりました。千頭和先生は、「根性主義を笑う奴は知能が低い」という言葉が口癖の英語の先生です。僕もこの言葉が大好きです。先生は、英語が苦手な人でも努力次第で克服できると常に言ってくださり、そのための勉強法を指導してくださりました。お陰様で合格もいただくことができ、また、合格よりも大切なこと―大概のことは努力次第で克服できる―を教えていただきました。本当に感謝しています。
 苦手科目の英語を克服し、ついに編入試験のピークである11月を迎えました。初戦の駒澤大学経営学部から合格をいただき、ここで手応えを掴みました。それから、2戦目の神戸大学経済学部の試験では大ミスをしてしまいましたけれども、翌日にあった3戦目の中央大学経済学部の試験では、前日と同じ轍は決して踏まないという気持ちを持って、落ち着いて臨むことができました。中央大学の合格発表は、梅ヶ丘駅(元の大学の最寄駅)のマクドナルドで確認しました。「合格」の文字が見えた、泣くほど嬉しかったあの時の気持ちを鮮明に覚えています。その後、4戦目の同志社大学商学部、5戦目の中央大学商学部には落ちたものの、12/17に6戦目の同志社大学経済学部から合格をいただくことができました。駒澤大学経営学部、中央大学経済学部、同志社大学経済学部から合格をいただき、当初の目標を達成したものの、僕の中には「まだまだ勉強し足りない」、「もっと経済学を学びたい」という気持ちがありました。そして、僕は地元の筑波大学社会・国際学群社会学類経済学専攻の編入学試験の受験を決意しました。
 筑波大学の編入学試験は2月後半にあり、勉強時間を確保することができたので、毎日7:30~10:00までは新宿のスターバックス、10:00~21:00までは中ゼミの自習室で勉強しました。筑波大学の受験にあたっては、市販のマクロ・ミクロ経済学の参考書を購入し、マクロ経済学の参考書を4周、ミクロ経済学の参考書を6周して全ての内容を理解することができました。この頃にはもはや、経済学の勉強が楽しくて仕方なくなっていました。その勉強量の甲斐あって、試験前には自信がついていました。
 そしてついに、筑波大学の編入学試験を迎えました。初日は午前に経済学、午後に英語の筆記試験がありました。僕は経済学の問題を見た瞬間に、「いける!」と思ってしまい、そこで隙を生んでしまったと思います。実際に、経済学の問題は例年に比べ、格段に簡単だったのですが、僕は簡単な問題で計算ミスをしてしまいました。昼食を取っている時に、その計算ミスに気づいてしまい。あの時は周囲に高校生が200人程いる中(筑波大学の編入学試験は一般入試と同日)、泣いていたと思います。とはいえ、ここまで筑波大学の編入学試験に掛けてきた勉強量を思い出した時、これだけの大ミスをしてもなお、途中で諦めることなど絶対にできませんでした。気持ちを切り替えて、午後の英語、翌日の面接試験に臨みました。筑波大学は地元にあったので、大学の合格掲示板まで見に行きましたが、結果的に合格することはできませんでした。入学前から相談に乗っていただき。何度も面接練習をしていただいた本多先生、一貫して、志望理由書を添削していただいた吉原先生、理解できない経済学の問題を丁寧に途中式まで教えていただいた遠山先生には、結果で恩返しすることができす、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
 ただ、僕自身は悔しいという気持ちはありつつも、やりきったという気持ちの方が大きかったです。上述のように、僕の編入学試験における目標は「MARCH・関関同立に合格する」でした。この目標は達成することができたので、満足という言葉は適切ではないのかもしれませんが、満足でした。
 僕は今、この受験体験記を進学先の中央大学まで徒歩3分の新居で執筆しています。新しい生活、大学が楽しみで仕方ないです。今後は、就活などの編入学試験以外の方面での活躍を先生方に報告できるように頑張っていきたいです。
 最後になりますが、中ゼミに来て本当に良かったと思います。1年間という短い間でしたが、僕の人生にとっては大きな1年間となりました。本当にありがとうございました。

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