完璧主義にならないで

この度、無事に神戸大学法学部の編入試験に合格することができました。まずは、お世話になった中央ゼミナールの皆さん、そして支えてくれた両親に感謝いたします。今は、進路が決定した安堵感と新しい環境へ飛び込むことへの不安感と体験記を書ける喜びとで複雑な心境です。具体的な勉強方法は、中ゼミの先生方に任せて、ここでは、あくまで私の体験を書こうと思います。

 編入試験を受けるきっかけとなったのは、私が一般入試の受験生の頃に通っていた予備校の先生の言葉です。それは、もうセンター試験が終わった後のことでした。当時の私は編入試験の存在を知りませんでしたが、どうやら3年生になる時に別の大学に移るチャンスがあるようなのです。センター試験で思うような結果を出せなかった私は、すぐに編入について調べました。そこで、中ゼミの存在を知ることになりました。

 一応、大学に進むことにはなりましたが、もはや私の頭は編入のことでいっぱいです。インターネットや本で情報を集めました。もとの大学は本当に酷い所でした。受験に失敗した人たちの集まりで、淀んだ空気が流れていました。授業中の私語や遅刻は当たり前、人間としての常識が欠けている人ばかりでした。「ここにいたら、自分の人生はお先真っ暗、絶対に編入しないといけない!」と焦るばかりでした。私は東北地方に住んでいたのですが、近くには通学できる予備校がなかったので、通信をやっている中ゼミでお世話になることにしました。在学中の大学での成績の編入試験で加味されるので(どれくらいかは不明瞭)、1年生のうちは大学の勉強とTOEICに力を入れました。勉強は主に公共図書館でやりました。1年生の冬から、本格的に受験勉強を始めました。ただ、この時期からバイトも始めたので、思うようにはいきませんでした。大学の授業中も内職する日が続きます。

 待ち望んでいたはずの編入試験も、いざ試験日が近づいてくると緊張感が増します。もとの大学に入った時には、試験まで長いなと思っていましたが、今思うとあっという間に時間が過ぎてしまいました。神戸大の試験は10月の半ばでした。前日に新幹線で5時間かけて神戸に行きます。今まで入試の時は自宅から行ける所しかなかったので、1人でホテルにいると、不安で落ち着きませんでした。ほんの少しの時間離れただけなのに、家族のありがたみが分かりました。前日は早めに床につきましたが、なかなか眠れず、寝不足の状態で試験を受けることになりました。ユンケルを飲んで試験モードに頭を切り替えます。試験会場に着き、座席表を見ると、受験者は全部で80人でした。募集人数は20人ですので、倍率は4倍です。1科目目は法学概論です。設問は3つありましたが、そのうち2つは過去問の傾向から考えて、ヤマをはっていた問題でした。嬉々として問題に取り組みます。残りの1問は自信がないけれど、残った時間でなんとか持っている知識を書きました。あと10分くらい試験時間が欲しいなと終わってから思いました。2科目目は一般教養です。神戸大の一般教養の形式は決まっているので、過去問を使って準備はできていました。感触としては、過去問よりも少し簡単かなという程度でした。ただ、下書きに時間をかけすぎて、第2問の最後の数十字を解答用紙に書き写せないというミスをおかしてしまいました。それでも大丈夫だったってことは、やはり90分で完璧な解答を書くのは相当難しいということでしょう。私からアドバイスできることとしては、完璧主義にならないということです。これは試験についてもですが、勉強計画にも言えることだと思います。あまりカツカツに計画を組んでしまうと少しでも狂いが生じた時に動揺してしまうと思いますし、些細なことでイライラして無計画な時よりもはかどらないという悪循環が起こるかもしれません。上記のことは体験談なのですが(笑)。無計画はよくありませんが、柔軟に対応できるくらいの計画にしておいた方が心にもゆとりができるでしょう。

 何はともあれ試験は終了しました。結果が出るのは約1ヶ月後です。合格発表は掲示板によるもので、電話やインターネットでは発表されませんでした。合格者にのみ通知表を郵送ということだったので、通知表が届くのを待ちました。なかなか来なかったので駄目だったのかなと思い、部屋にいるとうたた寝をしてしまいました。急に母親に起こされたので、何かと思うと手に封筒を持っています。それでも、もしかしたら不合格かもしれないと思いながら恐る恐る封筒を開けてみると、合格通知が入っていました。それでも実感が湧くまでは少し時間が要りました。「よかった」の一言しか頭にないという状態でした。

 合格発表の日の夜に考えたのは、大学院のことです。受験生体質が身についてしまったようで、次なる受験のためにウズウズとし始めました。大学院に行かなければならない理由はないのですが、「この際大学院まで行ってやれ」というのが今の心境です。元の大学で上位の成績をとっていたら、地方のある程度の企業に就職したりということもあったかもしれません。ただ、「安定した」というのを好かない性格なので、変化を求めてこれからも活動するでしょう。その1つ目は編入試験でした。今度は大学院入試です。そのための行動もスタートしました。編入試験では納得のいかない部分もありましたが、今度はそうならないようにしたいです。この先何が起こるか分かりませんが、編入試験を受けたことは私にとってプラスになりました。一般入試で不合格になった大学よりも偏差値の高い大学に行けるということだけではなく、精神的な面でも。

 体験記を読んでくださった皆さん、本当にありがとうございます。少しでも皆さんのヒントになること書けていたら幸いです。それと、私を含め、編入試験を受験する人には、すれている人が多いように思えます。孤独に勉強することがほとんどなので仕方ないかもしれませんが。だから、編入試験は一発で合格し、世間ずれしないようにがんばってください。中ゼミの後輩の皆さんが、納得のいく受験生活を送れることを願っています。

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