一人で戦うのではなくみんなで戦う

私は、一般入試であまりレベルの高くない私立大学の比較文化系の学科に入学し、学生生活最初の2年間を過ごしました。その大学での日々は非常に楽しかったのですが、あまり「勉強をしている」という実感が無く、また私の学科の学生や教授の先生方には、学問への意欲が全くありませんでした。そのため、私は学科とは関係の無い、副専攻の授業を精力的に受けていました。副専攻の授業はとても充実していて、良い先生もいらっしゃったのですが、やはり専攻でないことが気にかかっていました。
さらに、就職に対する不安にもかられました。同じ学部の先輩のほとんどが就職先を決められず、また同級生の誰もが将来に対するビジョンを持ってませんでした。
そして、なによりも次のことが決め手となりました。自分の学科は比較文化学・文明学系の学科であるにも関わらず、西洋哲学や現代思想などのゼミしかなく、興味のあった比較文化論や文明論を研究できるゼミが無かったのです。
「大学に入ったのに、自分はこのまま『研究したいこと』も無く、ただなんとなく過ごすなんて絶対に嫌だ」そう思っていた頃、父親が中央ゼミナールの『まるわかり!大学編入』を買って来たのです。これが、私が編入を決めるきっかけとなりました。
授業は3月のプレ学期から、千頭和先生の基礎英語を受講しました。それまで、中学・高校でまともに「英文法」というものを勉強していなかった自分にとって、千頭和先生の最初の授業はあまりに衝撃的でした。千頭和先生の授業の特徴には、英文法を基礎中の基礎から教えてくれるということの他に、受験に耐え抜くための「精神論」があります。千頭和先生の授業に出るたびモチベーションは上がり、自分の「英語嫌い」も知らないうちに消え去っていました。
そして4月からは赤田先生の社会学を始めとした専門分野の講義に出席、春の時点で自らが編入学後に学びたいことがおおかた決まっていた私は、それに関する本や論文を読むなどの勉強を、スムーズに進めることができました。
また、英単語の勉強には予備校で指定されたもの以外に、自分の気に入った『出る順』の単語帳を購入し、これを重点的に勉強しました。
夏ごろから、いくつかの地方国立大学を受験するとともに説明会にも積極的に出席し、志望大学の先生とコンタクトを取る努力をしました。結果として、この説明会への参加が大学合格への大きなプラスになったことは確かです。静岡大学の説明会では、参加者が少なかったため、二人の教授の先生に面接試験さながらの質問タイムを設けていただき、試験までに読んでおくべき文献や勉強のコツなどを教えていただきました。そして、いざ本番を迎えてみると、その二人の先生が面接試験の試験官の中におり、私はあまり緊張せずに口述試験を受けることができたのです。
面接試験では、説明会の時に教えていただいた文献を持参した上で、説明会で得たさまざまな情報を参考に、質問に回答しました。静岡大学の面接試験はいわゆる「無関心面接」の一種だったのですが、「なぜ静岡大学に入りたいのか」ということを、単に研究内容だけでなく、説明会で知ることができた日常生活面での魅力などを織り交ぜて積極的に回答したことが、評価されたのではないかと考えています。
また、編入学試験を受けるにあたってのポイントは、「自分のタイプにあった大学を見つける」ことだと思います。大学の雰囲気、国公立であるか、ミッション系であるか、自分の学びたい学問の専門家がいるかなども重要ですが、自らの得意科目(論文、外国語など)を意識した上で各大学の試験における点数配分を調べ、例えば外国語が得意なら外国語を重視する大学を、論文が得意なら論文を重視する大学を、発表や面接に自信があるなら面接を重視、もしくは面接のみの大学を受験するなどの対策が必要です。
最後に、中ゼミにいて最も積極的に活用すべきなのは、志望理由書作成と模擬面接練習です。志望理由書と面接試験は、編入学では学科試験と同等に重要な課題で、中ゼミで学ぶ最大のメリットはこれを集中的に練習できることにあります。私は、面接可能回数をめいっぱい利用して、先生が「もういいんじゃないか」とおっしゃるまで志望理由書作成の面接を行い、試験本番の前日まで模擬面接練習を繰り返しました。
以上が、私が編入試験を受けるまでの流れと、本番までの勉強のポイントです。
私は本当に中央ゼミナールを選んで良かったと思っています。今回の受験は、先生方と同様に同じ人文系・社会学系の同級生にとても支えられました。一般入試向けの大手予備校では、同級生は「ライバル」というイメージが強いと思いますが、中央ゼミナールでの同級生は「戦友」というか、いつも「お互いがんばろう」と声を掛け合える仲間だったと思います。これを社会学では「セルフヘルプ」というのですが、中ゼミの一番の良い点は、この先生との関係、同級生との関係による精神面でのケアが非常に優れているところだと思います。
「一人で戦うのではなく、みんなで戦う」これが中央ゼミナールだと思いました。

タイトルとURLをコピーしました