通信制)高校卒業後、職を転々としながらやりたいことを探していた。ようやく「これかな?」というものが見つかったときにはすでに24歳、現実を見据えて今までの延長で生きていくか、大学進学かということを1カ月あまりも悶々と悩んだ。結局、ここであきらめたら一生後悔すると思い、一般入試を受験し、25歳で山口大学に入学した。しかし就職のことを考えると、就活のしやすい都市部にあり、(年齢を重ねているハンデを補うためにも)少しでも知名度の高い大学を卒業したかった。これが編入試験受験の(本当の)動機である。
山口大学入学当時から編入試験を受けると決めていたものの、1年の時は講義(事情により一般教育の必要単位をすべて1年次に取得)、バイト、部活に時間を取られ、編入のための勉強は長期休みにしかできなかった。本腰を入れられる環境になれたのは2年になった4月だった。中ゼミを始めたのもこのころだった。講義の受講数も減り、バイトは辞め、部活も休部したため、たっぷりと時間ができた。それでもずっと遅れをとっていた感は否めなかった。試験を1カ月後に控えていながら、押さえられていなかった基本事項もあったので、大学が夏休みに入った8月から、焦って中ゼミの課題の復習や概論書を乱読した。
そんな環境下にあっても合格できた決め手は、的を絞った勉強ができたことだと思う。受験校は神戸大1校のみ。得意だった英語は必要以上にやりすぎないようにした。かたや英作文を添削していただいたことで自分の思い込みや間違いを矯正するきっかけとなった。数学・物理については概論書の乱読とともに、志望校の出題傾向 (応用問題より基礎重視) に合わせたコースを受けることができ、知識の穴を埋めることができた。小論文はたくさん添削していただいた。他の科目は一度目の提出でだいたい合格するのに、小論文はほとんどが書き直しだった。しかしそのおかげで本番はゆとりを持って臨むことができた。面接については、模擬面接を受けたが支離滅裂でひどいものだった。その時にいただいたアドバイスを元に考え直し、志望理由を筋を通して言えたことが本番では功を奏した。
私の中ゼミでの勉強は、通常の授業ではなく、通信添削だったため本当に力がつくのか不安だったが、①勉強範囲の設定、②わからない所をいつでも質問できること、③ペースメーカー、④過去問・活きた情報からもたらされる編入界全体が見える安心感、などたくさんのメリットがあった。孤独に編入学の勉強をする上で「今のペースでいいのだろうか、ライバルに差をつけられていないだろうか」と思いがちな自分の強力な支えになった。返却されてきた課題に書き添えられていた、先生方の適確なアドバイスと励ましのメッセージもうれしかった。
精神論になるが、最後に私の好きな(戒めとしている)相田みつをの言葉を紹介したいと思う。
「やれなかった やらなかった どっちかな」