編入試験で得られた新しい自分

 やっとのことでした、自分の努力が報われて心から嬉しいと思えたのは。私が編入を目指し始めたのは高校3年生の2月ごろからです。大学入試センター試験が満足いかない結果に終わり、2次試験では第一志望の国立大学を受験することすら断念せざるを得ませんでした。(毎日遅くまで塾で勉強し、人一倍頑張ってきたのに何がダメなのだ。努力は報いてくれないのだ。)と精神がズタボロになる高校3年生の冬でした。こんな心身共に不安定な中、幸い滑り止めだった私立大学から合格通知が届き、浪人は避けられたとばかりに4月からその大学に通うことに決めました。しかし、私が通っていたいわゆる進学校の友人らは、次々有名国公立大学へ進学を決め、私には彼らが誇らしげに見えて仕方ありませんでした。(なぜ自分だけ。)この時から、何かのきっかけで編入試験を知り、3年次で第一志望校に絶対受かるという決意をしました。
 ここまでの文章を読み進めてくださった皆さんの中には、受け取り方が大きく二通りに分かれると思います。まず、私と同じように闘志に燃えて編入を目指している方。そして、なぜここまで大学の名前にこだわるのかと思っている方。このように編入を目指す動機、編入に対する考え方は本当に人それぞれだと思います。私の場合、圧倒的に前者でしたが在籍大学での生活を通して考え方は段々変わっていきました。でも、一つ強調して伝えたいのは、編入の受け取り方は人それぞれで良いということです。周りから反対されようが、自分が本当に編入したいならば、一生懸命一途に挑戦してみればいいと思います。結果がどうであろうと、一心不乱に頑張ったことは将来の財産になってくると今では思うからです。
 私が編入試験を乗り越えて得られたことは主に次の2点だと思います。1点目は、自分を信じ直すことができたことです。前で述べたように、大学受験の失敗から(自分はできないのだ。)と弱気になり、自分に自信を無くし始めていました。しかし、私は、約2年の受験生活を終え、見事小学生の頃から行きたかった大学に合格できました。正直に、編入受験時は本当に頑張りました。失敗を恐れる気持ちを捨てて、自分を信じてみました。合格通知はその自分を信じて頑張り続けたことを証明するものだと感じました。このように、編入試験に合格したことは、志望校への権利を得られただけでなく、自分の努力を再認識できるきっかけともなりました。
 2点目は、自分を変えられたことです。編入受験生期間中はとにかく気が張ると思います。在籍大学の友人や先生、受験校の受験情報や試験科目の勉強等、色々なものに注意をむけておかなければなりません。私の場合、四年制大学であったため近くに編入を志望する仲間もおらず、一人で地道に戦略を立てました。その際に、自分の何がいけなかったのか、次はどうしたらいいのかというように自分で自分について考える時間がものすごく増えました。このことが編入試験以外の実生活の中にも生きてきて、目標の立て方、進め方がとても上手くなったようにも思えます。そして、何よりよかったのは努力を過信する自分から脱却できたことです。というのは、高校生時代の私の努力は、根気強くひたすら勉強し続けることでした。悪く言えば、無計画な見た目だけの努力です。夜遅くまで塾で勉強する自分の姿に満足していました。けれども、それでは結果に繋がりませんでした。今では、長い時間をかけなくても、計画的に賢くこなすという努力の仕方ができるようになるました。この経験から伝えたいことは、頑張り方を間違えないで欲しいということです。自分を知り、自分の弱みを素直に認めて、解決策をじっくり考え、そして必要な時には他人の助けを頼んでみるのが一番の成功の近道ではないでしょうか。
 これら2点のように編入試験に向けて頑張ってきたことで得られたのは、合格通知だけではありませんでした。受験期間中はもちろん辛いこともたくさんあって、夜寝られない日も何度かありました。そんな時には、日記帳に心の中の気持ちをそのまま文字に起こしてみてください。再び何かに行き詰まった時、きっとそれが心の支え・気力に繋がるはずです。そして、周りの人への気配りも忘れないでください。編入というレアな挑戦をする以上、孤独を感じることも多々あると思います。例えば、在籍大学の人に罪悪感を感じたり、親密さを抱けなかったりするかもしれません。でも、私は在籍大学の人との関わりも大切にしながら、自分の道を目指してきました。人それぞれの頑張り方があります。周りの人を尊重しながら、自分らしく切磋琢磨してください。
 最後にもう一度、編入受験をするならばこれまでにないくらい、自分を信じてとことん頑張ってみてください。少なくとも私にとっては、編入という経験は一生の宝物になっています。皆さん、最後まで頑張ってください! 

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