糧になる経験

 私が大学受験を決意したのは高校2年生の冬ごろでした。夏のオープンキャンパスでお茶の水女子大学に初めて行き、その雰囲気に魅了されたこと、興味のある研究室を見つけたことから、受験をしてみたいという気持ちになりました。考え始めたのが遅かったこともあり、この大学に合格するためには総合型選抜入試しかない、と考えました。今年は入試形態が少し変わり、学校推薦型選抜がなくなった代わりに、総合型選抜と合体され、受け入れ人数が2人から5人になったため、可能性が少しは広がったと思い、挑戦することを決めました。
 一次の書類選考では、志望理由1200文字以内と活動報告書並びにそれに関連する資料、調査書、A4サイズのポスターを提出しました。志望理由では、とにかく高校でやってきたことを多くアピールしました。特に部活やクラスではリーダーとして周りを引っ張っていくような役職についていたため、生物関連でのアピールポイントがない代わりに、そこでの活動を多めに記載しました。高校での成績が良かったことも1つのポイントになったのではないかと考えています。志望理由は、高校でやったこととそれを大学でどう生かすか、また大学でどのようなことをやりたいか、を中心に書くように指定されました。ポスターは二次に使うためのもので、学校で行った研究などをポスターにしてまとめたものです。生物関連の実験でなくてもいいとのことでしたが、私は高校の先生にご協力いただき、実験室を貸していただいて自主研究を行い、作成しました。
 二次は「ポスター発表と質疑応答」、それから口述試験(普通の面接)がありました。ポスター発表では、一次に提出したポスターを使って発表を行い、先生方からそれについての質問を受けます。事前の資料では時間についてなど全く情報がなかったのですが、当日に5分で発表、10分間の質疑応答がある、と言われました、10分前後で発表する練習をしていたので正直驚きましたが、周りを見ているとやはり予想外だった人もいたようなので、そこは同条件だと思い安心できました。自分の順番が来るまでに落ち着いて準備をしました。質疑応答は練習していたこともあり、聞かれたことにしっかり答えることを意識しました。あまり想定外すぎる質問は来なかったため、悩まずに答えることができましたが、あまり無言の時間を作らないように意識しました。
 面接は、あること自体が予想外であったため不安な気持ちもありましたが、かなり時間が後だったため、志望理由を見返して、あとは自分の気持ちを素直にぶつけよう、という意識で臨みました。行き当たりばったりだったので、逆にあまり緊張はしませんでした。生物学科の先生方がほぼ全員いらっしゃったため、圧倒されそうにはなりましたが、質問をくださった先生の目をしっかり見て答えました。普段から高校の先生方とよく話をしているため、大学の先生方であってもあまり身構えずに話すことができました。
 総合型選抜は、受けている人も少なく、どこまで進んでいるのが普通なのか、や自分は遅れているのか、順調に進んでいるのか、など周りと比較することができないため不安になることもかなり多かったですが、この経験は合格しても不合格であったとしても今後の糧になる経験だと思いました。私は合格をいただくことができましたが、この1年の経験、そしてそれを大学の先生方が認めてくださって結果が得られたことはこれからの大学生活への自信になりました、しかし、この合格は周りの方々の支えがなければ手にできなかったものだと改めて感じます。本当に挑戦してみてよかったです。総合型選抜は決まるのがはやいこともあり、入学前のサポートが充実しています。入学前から合格者の方や大学の先輩方と連絡を取らせていただくことができ、大学での生活がとても楽しみです。大学でも頑張って、お世話になった方々への恩返しができればと思います。

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