通信サポート生の失敗から成功まで

 願わくば予備校で勉強したいけれど。中ゼミの通信サポートを受講することを決めた皆さまのなかには、心にそんな引っ掛かりを持っておられる方も少なくはないと思います。通信学習は教材こそ送られてきますが、それをやりなさいと諭すのは自分自身です。予備校に通っていれば、指導してくれる先生方や事務員さんたちの目が緊張感を与えてくれるでしょう。しかし自宅学習者には一人でモチベーションを保たなければなりません。本当に続けていけるか、今から不安だという方が大半だと思います。
 受験生に必要なのは、時間とやる気を除けば、環境だと思います。もし今でも間に合うのであれば、時間やお金が許すのであれば、私は通学生になることを強く勧めます。しかしそうもいかないという方に、私はこの体験記を残します。どうか私の二の舞にならぬようにと願って。

 私は通信サポート生の二年目です。大学一年生の秋から勉強し始めて第三年次編入を狙った、というわけではありません。一度、第二年次編入を試みで受からず、翌年の第三年次編入試験に合格した、というわけでもありません。第三年次編入試験に二年連続で挑戦したのでした。二年連続で挑戦したというからには、すなわち一度は不合格通知が届いたわけで、それがタイトルに言う失敗です。もしこれを読んでおられる方が現役の大学生であるなら、失敗なんて考えたくはありませんね。私は以前別の大学を中途退学した者で、第三年次編入でステップアップをもくろむ大学生の方々とは違って、もう後がないという状況ではなかったので、二度も受験するなんてことができたわけです(そういった焦りのない状況が、二年連続での受験という状況を生み出したともいえます)。
 ただ、二年目ということもあって、中ゼミの通信サポートがどのように進んでいくかはわかっていました。これから通信サポートを受講していく皆さまに注意していただきたいのは、(中ゼミさんには失礼を承知でお書きしますが)答案添削の返却は思ったよりも遅いです。一つの答案に一か月近くかかったことさえあります。答案添削は一度に二課題分までしか提出できないなんて注意書きされてたりするのですが、四月から受講の方で、私のようにお住まいが本校からかなり遠くにある方だと、それを忠実に守っていては、とても試験までに全課題を消化することはできません。私なんて、提出しても試験までに帰ってこないだろうと、提出しなかった回答済みの課題がまだ3問も手元にあります。皆さまはそんなことがないように、担当の先生と相談の上、一度にもっと多くの課題を提出できるようにとりはからってもらってください。
 二年目の私の場合だと、中ゼミの通信のテキストの変更により、課題を第一問目から提出しなおすことになったのですが、用意されている課題を四月のうちに全部仕上げてしまいました。課題がなかなか返ってこないということを知っていた私は、順番に課題を提出して待つだけという環境を作ったのです。そして二週間から三週間で返ってくる答案をみなおし、場合によっては再提出するという、なるべく課題に追われない状況にしました。というのも、通信サポートを受講していておかしな話ですが、課題をこなさなければならない、再提出しなければならないということが、自学のスケジュールを狂わせるということを知っていたからです。受験においてスケジュールを立てるのは必須の戦略ですが、郵送を使った添削という形態はそのスケジュールを乱すことが結構あります。一年目の失敗でそう気づいた私は、自学のほうに重点をおいて二年目を過ごしたのです。
 自学とは何をしていたのか。専門科目では、中ゼミの入会相談の時に担当の先生に勧められた『演習ノート』(法学書院)をつかってひたすらノートをまとめていました。法学・政治学系の受験者の課題テキストには、論文作成の手順として論文全体の構成を考えてから書くということを指導されています。一方、『演習ノート』という参考書にはただ問題と解答が記されてあるだけです。そこで私は『演習ノート』の解答がどんな構成でできているか、中ゼミの論文作成指導とは逆の手順でノートを作っていったのです。出来上がったノートには問われていることの知識や論述の展開が図解のように記され、いちいち解答の論文を読むよりも手軽に、かつ分かりやすく復習することができるというわけです。勉強しながら、試験直前に見るべき教材を作成しているとも言えます。英語の自学はひたすら音読をしていました。英語は比較的早く答案が返ってきたので、中ゼミの課題は試験前に終わったのです。正直ほかの勉強は何もしておらず、課題テキストどおりにノートを作って、復習に音読をしていただけです。自分の声の英語を自分の耳で聴いて、いちいち日本語に直す努力をしなくてku榱氈ッ儻譴w)€フまま意味が分かるようになることを目指しました。ネイティブの感覚を目指したということです。ネイティブスピーカーにはなれていませんが、それでも初見の長文でも、比較的早く読めるようにはなりました。それと、電子辞書には頼らないほうがいいというのは本当です。紙の辞書のほうが勉強になる、というのはどうかわかりませんが、辞書を引くのは早くなりました。実はこれがかなり重要で、私の受けた試験では辞書の持ち込みが許されていたのです。電子辞書の電池が春先にきれたのに、かえるのも億劫に思っていた自分のずぼらさが、功を奏したというべきでしょう。

 通信サポート生は、他の受験生以上に自分との戦いです。限られた時間を有効に、効率よく使って、ぜひ合格へ邁進してください。この体験記が皆さまの合格に少しでも参考になれば幸いです。

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