執念と根性

 負けず嫌いで諦めが悪く、自分で決めたことはやりきらないと気が済まない、無理だといわれても根性論で押し通す、私はそんな性格です。この性格の影響で大変な思いをしたことはたくさんありましたが、今回合格できたのはこの私の諦めない性格のおかげかもしれない、と感じています。参考になるか分かりませんが、私が編入を決めたきっかけから合格するまでについて、少し書かせて頂きたいと思います。
 私が編入を考え始めたのは、大学一年の六月頃でした。もともと在籍していた大学は第一志望ではなく、自分の進路にあまり納得できていなかったこと、高三の受験時に心理学も興味を持っていたけれど、心理系の学科を受験しなかったことが、編入を考え始めた大きなきっかけでした。周りの友人たちが大学生活を楽しんでいる中、一人もやもやとした気持ちを抱えながら大学生活を送っており、この気持ちに区切りをつけるためにも編入試験を受験しようと決意しました。
 中ゼミを初めて訪ねたのは九月でした。編入を決めてから自分で勉強は進めていたものの、論文試験の対策をどうしたらいいか悩んでおり、いろいろと調べた結果中ゼミにたどり着きました。先生方と相談した結果、個別指導で教わるのが一番良いという結論になり、そこからは専門科目の内容を教わりながら論文の添削をしてもらうことになりました。やはり編入試験は情報が少ないため、中ゼミで過去の受験生の情報が得られたり、先生に添削して頂いたりできたのはとても大きかったと感じています。私は編入試験を受ける上で決めていたことがありました。それは、本当に行きたい大学に絞って受験するということです。編入試験を受ける人は併願している人も多いと思いますが、私は第一志望の大学しか受験しませんでした。合格のチャンスを増やすというのももちろん選択肢としてあると思いましたが、今の大学を辞めて他の大学に行く以上妥協はしたくないという思いがあったので、一校に集中して勉強しようと決めました。
 私の受験した大学の試験は合格者数が確約されていないもので、落ちたらそのまま今の大学に在籍するつもりだったため、家族とごく少数の友人にしか編入試験を受けることを話していませんでした。周りが大学の授業終わりや休日に遊んでいる中、一人図書館にこもって勉強するのは辛いときもありましたが、家族や友人の応援を支えに何とかやり遂げることができました。
 編入試験は、大学受験をやり直すことができる大きなチャンスだと思います。しかしメリットがある反面、試験の合格ラインが分からない、孤独な戦いを強いられるといったデメリットもあります。ここまでやれば大丈夫という指標がなく、同じ受験者の人たちがどんな勉強をしているかも全く分からなかったため、いつも不安との戦いでした。そのため、精神的に苦しくなって全部投げ出したいと思ったこともありました。ですが、冒頭でも述べたように、私の諦めの悪い性格がそうはさせませんでした。どんなにつらくても、絶対に受かる、やり遂げるという強い信念をもって勉強を続けました。執念深く志望大学で学びたいという思いを持ち続けたこと、最後まで自分のやってきたことを信じて諦めなかったことが、この結果につながったのではないかと思っています。私は有難いことに志望大学に進学させて頂けましたが、もし受からなかったとしても、決して無駄な時間ではなかったと思います。編入という道は簡単ではありませんが、自分のために挑戦してみる価値は大いにあると思います。受験生の皆様のご健闘をお祈りしております。 

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