三年越しの挑戦

 自分は高校時代に文系を選択し、三年には私立専願生となっていた。そして、現在の大学に入学した。大学ではドイツ語を学んでおり、友人も多くいるので充実している。しかし自分は大学を編入するという決断に至った。
高校時代の二年生の時、地学基礎という教科を受講することになった。生物などの理系科目や地理学が好きな自分にとって面白い教科であった。地学をもっと学んでみたいという気持ちからこの時の志望校は筑波大学の生命環境学群の地球学類となっていた。しかし、この時点では数学の成績が振るわず、理転は厳しいものとなっていた。そして3年生の時、私立専願を勧められたのであった。
 現在の大学に入学してから、一般教養科目の授業で自然地理学を受講した。内容は専門的でありながら、教授の授業は分かりやすく、地学分野に対する知識や理解が以前より深まった。地学を専門的に学びたいという気持ちも大きくなっていった。現在の大学の理工学部には地学の授業がありフィードワークなどが行われていると聞き、受講を試みた。しかし、理工学部は文系学部のキャンパスからは遠く、他学部履修も行っていないことが分かり、地学の授業は受けられないということになった。大学は転部を受付けておらず、地学を専門的に学ぶには大学の編入が必要だということが明白となった。
 受験した大学は筑波大学、金沢大学、神戸大学である。特に筑波大学と金沢大学は専門科目の地学の一教科とTOEICのスコアで試験が受けられるということから、自分にとって有利な試験であった。再試験で数学Ⅲなどを再び受験して受験に挑むことは自分には無理があると考えたのある。私立専願を選んでしまった自分にとって高校時代は受けることすら出来なかった大学に入学できるチャンスなのだ。高校二年生の頃から憧れていた大学を受験できるチャンスなのだ。このチャンスを逃したくなかった。
 中央ゼミナールに本格的に通い始めたのは4月からである。試験まで約6ヶ月間受験したが、塾に通う以前はTOEICをメインに勉強した。4月からは粕谷先生の個別指導の下、専門科目である地学の勉強と面接対策に励んだ。大学の授業のない時や休日を勉強に費やした。
 TOEICスコアを伸ばすにはまずリスニングを中心に勉強するとよい。自分はパート2を何度も聴くことによってリスニングが得意になっていった。聞こえてきた文章がどんな英文でどんな意味かを考えながら聴き、その後実際に言っていた例文と日本語訳を読んで内容を理解した上で再び聴き直すことを勧める。
 パート3と4はキーワードを聞き取れたかで正解選択肢を選べるかで決まる。英文が読まれている最中に回答するくらいのテンポが大事であり、回答箇所やキーワードを聞き逃してしまったら諦めて次の問題に集中すべきである。リーディングに関しては時間配分が大切で早く回答するための読み方や答え方は人によって異なるため、自分に合うやり方を探して欲しい。TOEICは数を受けて欲しいのでなるべく早い時期から取り組むことが必要である。
 専門科目の地学は、啓林館の『地学』という高校の教科書と慶應義塾出版の『自然地理学』とニューステージ地学図表を使いながら勉強することを勧める。金沢大学の問題は地学の教科書と図表を読み込めば解ける問題が多い。重箱の隅をつつくような問題も出るため、細かいところも読み込むべきである。筑波大学の問題は自然地理学のテキストと地学の教科書を読み込んだ上で、解くことを勧める。筑波大学は問題が予測しにくく、答えにくい問題が多く独特であるため、粕谷先生に予想問題を作ってもらうことを勧める。記述問題は必ず粕谷先生に添削してもらうことが重要である。
 面接は大学によって雰囲気は異なるが、筑波大学と金沢大学では圧迫した雰囲気はなかった。粕谷先生に面接練習してもらった際に面接で聞かれるであろう質問を教えてもらった。その通りの質問が聞かれることも多かった。あまり不安な気持ちで構えて望む必要はないので、面接は落ち着いて受けて欲しい。
 試験の結果であるが、自分は第一志望の筑波大学に合格することができなかった。敗因は専門科目であると考えている。悔しい気持ちはあるが、正々堂々と試験に臨むことができたことを幸福に感じている。合格した大学は金沢大学の理工学域自然システム学類地球学コースで、来年からここに通うことになる。
 自分の合格体験記が理転する方や同じ学部を受験する方のためになることを強く願っている。

タイトルとURLをコピーしました