学びたいことを学ぶための編入

 無事編入試験に合格でき、この合格体験記を書けることがとても嬉しいです。拙い文章ですが、最後まで読んでくださったら幸いです。
 はじめに私の高校時代について。私は高校2年生のときに体調を崩してしまって、長期間学校へ通えませんでした。復帰できた頃にはみんな部活を引退して受験一色で、私は他の人たちより大分遅れて受験勉強を始めました(加えて、出席日数と単位習得が危うく、高校を卒業できるかという問題もあり、優先度はむしろ『大学受験<出席日数と単位の確保』でした)。当然ちゃんと学校へ通えた頃と比べて成績はガタ落ち、そこからなんとか戻してはいきましたが、体調を崩す前の成績までには到底及びませんでした。センター試験も失敗して志望校は不合格、親や担任の勧めで受験した、個人的にどうしても行きたくなかった地元の大学に通うことになってしまいました。いくら親に励まされても、周りの友達は志望校に合格していたし、充実した春休み、大学生活を送っていてとても羨ましかったし、何より悔しかったです。こんなことになるはずではなかったのに、あの時きっちり勉強していれば、体調を崩さなければ…と後悔して、今の環境を早く抜け出したいと思っていました。
 以上のように私が編入を志した理由は、不純かもしれないですが、いわゆる『学歴コンプレックス』ってやつです。体調のことが理由で親に反対されて浪人することができなかったので、私にとって編入試験が志望校に入れる唯一のチャンスでした。早速インターネットを使って編入について情報収集しましたが、自力ではあまり情報を集めることができず、途方に暮れていました。そんな時、検索サイトの広告バナーで中央ゼミナールを知り、同時に編入予備校の存在も知りました。資料請求をして中身を見てみると、合格者数と編入に関する情報の多さに驚きました。そして何より私の志望校に合格している方がいらっしゃったのが魅力的で、入学したいなあと思い始めました。その後講師の方との電話面談で編入についてあれこれ教えていただき、通学コースで入学したい気持ちはやまやまでしたが、自宅から片道2時間以上かかり通学は難しく、通信サポートコースでの入学を決意しました。これが高校卒業後すぐのことです。
 編入予備校に入学したから絶対志望校に合格するというわけではありません。要は自分からアクションを起こさないと何も始まりません。通信サポートコースであるならば尚更です。中ゼミに入ってすぐの頃は、講義や慣れない大学生活についていくのがやっとで、なかなか中ゼミのテキストにまで手が回らず、初めて答案を郵便ポストに投函したのが確かゴールデンウィーク直前でした。答案を提出して返却されるまでは通学途中にのんびり英単語を見たり、なんとなく興味のある分野の本を図書館で借りてきて読んだりしていました。数週間経って赤字で沢山直された答案が戻ってきたときは、自分のあまりにもできていなさに愕然としました。英語はギリギリ不合格、専門科目はおまけで合格でした。よくよく考えてみたら、英語は文系なのに嫌いではないけれど苦手だし、小論文は高校1年生の頃に学校で受験した小論文模試の1度しか書いたことがなかったので、当然といえば当然の結果かもしれませんが、すごく悔しかったです。添削を受けすぐに再提出をして、このままでは合格なんて到底できない、絶対編入してやると心を入れ替え、改めて編入することを決意しました。
 それからは中ゼミの課題で合格をいただいても自分の納得のいくまで再提出をしたり(時には「もうこの課題は再提出しなくていいよ」と書かれたりもしましたが…)、英単語をまるまる1冊覚える気で取り組み(中ゼミだと『ターゲット1900』を薦めていますが、私は高校時代使っていた『データベース4500』を継続して使用していました、ごめんなさい)、英文法は中学校レベルからやり直しました。専門科目は講師の方にオススメされた書籍、参考書を読んでノートにまとめて、課題を提出して手元に戻ってくるまでに課題に関連する本を読んでメモしていました。常に頭の中に編入のことがあって、サークルに入ったとか空きコマで出掛けたというクラスメイトの話が羨ましいときも多々ありましたが、今は編入することが最優先、今は我慢と自分に言い聞かせて、図書館で勉強していました。公開模試は毎回受験し、第3回の法学部の課題文型小論文では成績優秀者に入ることができました。志望理由書は出願開始の1ヶ月前から何度も添削していただきました。高校も大学も一般受験だったため、志望理由書を1度も書いたことがなく、最初は小論文同様酷いものでしたが、最終的にはなんとか書き上げることができました。
 面接は1度、午前中で講義が終わる日に中ゼミに出向いて練習しました。いつも添削していただいている講師の方にお会いし指導していただいたのですが、初めての場所に緊張して頭が真っ白になってしまい、志望理由すら上手に言えず、あっという間に60分が過ぎてしまいました。わざわざ高円寺まで来て何をしているんだ、と帰り道で落ち込んだ記憶があります。しかしそのおかげで本番のイメージができて、せめて志望理由はスラスラ言えるようにしようと、それから毎日練習しました。面接というと堅い感じがしますが、ある日、面接ってインタビューみたいだなあと気付き、それから面接のことをインタビューと思い込み練習をしたら、気持ちが楽になり、志望理由をスラスラ言えるようになりました。試験前日に電話でもう1度模擬面接をしてもらい、講師の方に問題ないと言われたので自信もつき、試験当日を迎えました。
 受験会場に着くと少なくとも昨年、一昨年よりも受験者数が増えていて驚き、もう駄目かもと不安になりました。英語はことわざや慣用句を英文そのままの意味で捉え答えてしまったり、英作文で自分の書きたい文の文法を忘れてしまったりと、かなり焦りました。私はTOEICをもっていなかったので英語を受験しましたが、受験校が要TOEICでなくても、TOEICを受験することをオススメします。規定の点数を取れていれば日本大学のように英語が免除になることもありますし、精神的に楽になると思います。小論文は2つの資料の異なる点から現代社会について考えを書く問題でした。実は1度中ゼミの課題で出題の意図と違う回答をしてしまったことがあったので、異なる点はココで合っているのか、出題の意図に沿って書けているのか不安なまま、なんとか書き上げました。面接は、比較的スラスラ言えました。面接官にはすごく緊張しているように見えたそうなのですが、個人的には落ち着いて対応できたし、笑いもあって和やかな雰囲気でした。しかし思っていたより早く面接が終わったので「こりゃ不合格だろうなあ」と落ち込みながら帰路に着きました。
 合格発表は学校の補講から帰宅してすぐにされました。しばらく合格発表サイト内を不必要にうろうろして、不合格でも仕方ないと覚悟を決めて編入試験合格発表のページを開いたら、自分の受験番号がありました。本当にビックリしたし、本当に嬉しかったです  実は私がずっと言っていた志望校は、日大ではない別の大学です。最初は合格後も受験勉強を続けるつもりでしたが、自宅から遠いけれど日大の方が学びたいことが勉強できるので、結局その大学は受験しませんでした。学歴コンプレックスで勉強を始めましたが、学校の教養科目を通して自分の学びたい分野がハッキリとし、今の学校では学ぶのが難しいことが分かり、次第に『学歴コンプレックス解消のため』編入したいのではなく、『学びたいことを学ぶため』編入したいと思うようになりました。
 編入試験はあまり表立った情報がなく、そもそも編入試験自体がマイナーで枠も少ないし、何より孤独との戦いで時には挫けそうになってしまうことがあると思います。実際私も何度も挫けそうになりましたし、ごく限られた人にしか編入試験を受験することを言っていなかったので堂々と受験勉強ができず、図書館で1人コソコソ何してるんだろう、今自分がしている勉強は無意味なんじゃないかと不安に押しつぶされそうになりました。ですが今では諦めなくて良かったと思いますし、無意味な勉強なんて存在しないと思っています。物事を志す動機なんて何でもいい、ただ自分からアクションを起こさず、それに本気にならなければ目標達成は不可能だと思います。辛いこともあると思いますが、頑張ってください。これを読んでくださった皆さんが編入試験に合格できるよう、祈っています。

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