栄光への架け橋

高校3年間。目標はインターハイ出場。そして、国体出場。私はその目標を達成した。
そのときの12月。 案の定受験はうまくいかなかった。手元に届く通知の多くは軽くて小さな封筒。中身は自分の受験番号が載っていない1枚の紙だけ。そんななか、私はかろうじて合格した数少ない大学の中から1校を選択した。この選択が私を大きく変えることになる。
大学に入学した私は、高校時代あんなに夢中になっていた部活からも離れ、普通に大学生活を送っていた。でも、いつも心に何か引っかかるものがあった。立ち止まって考えてみると、ただただ「こんなはずじゃなかったのに。」という言葉だけが頭をよぎっていた。
2年生の春。まだその言葉は自分から消えていなかった。そのとき目に入ってきたのは「大学編入」の文字。当時通っていた大学には短大を併設されていたので、ガイダンスが短大生向けに行われていたのだ。早速「大学編入」について調べた。
自分を変えられるかもしれない。必死だった。同時に中ゼミを知った。どの予備校より目を引かれるものがあった。でも場所は東京の高円寺。神奈川に住んでいた私が通うのは難しかった。でもどうしても編入したいと思った私は、妥協して横浜にある某予備校に通い、編入を目指すことにした。だが、必死に勉強しても自分は合格に近づいているのか、同じ編入を目指す人たちはどのような状況なのか、ちっとも把握できなかった。編入というわかりにくい制度でただでさえ不安なのに、不安な気持ちは増す一方だった。
そんな私は、「夏休みだけ」と心に決めながら、春から気になっていた中ゼミに通うことにした。私は驚いた。授業を受ける人たちの目が明らかに違った。先生の目も違った。切磋琢磨し目標に向かっている姿が目に焼きついて離れなかった。私は決めた。この中ゼミで目標を達成する。高校生の時、目標に向かっていたあの頃のように。
横浜の某予備校をやめ、中ゼミでの私の戦いが始まった。中ゼミまで片道1時間半。1分1秒も無駄にしたくなかった私は、その時間を先生から紹介していただいた専門の本を何度も読み返し、または単語を覚えることに充てた。授業を受けることはもちろんだが、その他に短期間で英語の力を高める方法を教わった。時間はなかったが中学校英語のテキストからやり直した。わかったつもりが一番怖い。プライドを捨ててわからない自分を認め、納得するまで質問した。実際に試験まで手をつけた英語のテキストは3冊。3冊だけ何度も何度も繰り返し問題を解いた。そうしているうちに添削英語の点数も上がり、試験までのモチベーションを上げることができた。
そして、編入試験に必要な志望理由書、面接練習も手を抜かなかった。志望理由書は、何度も何度もしつこいくらいに添削指導をしてもらった。そして、面接練習も自分の言葉で自分のやりたいことを明確に説明できるという自信がつくまで指導してもらった。さらに、精神的に辛くなったときは先生に心の支えになってもらった。
そして迎えた試験。なぜか試験を受ける私には自信があった。中ゼミであれだけサポートしてもらったのだから大丈夫、心の中でそう思える自分がいた。
合格発表の日、私の元に受験した3つの大学から封筒が届いた。どれもずしりと重い大きな封筒だった。2年前にたくさん届いた小さな軽い封筒は1つもなかった。ずしりと重い大きな封筒には私の受験番号が大きく載っている合格通知が入っていた。
少し遠回りしたけれど、私はあの時数々の大学に落ちてあの大学を選択してよかったと心から思う。もしそうでなかったら今の自分はいない。そして中ゼミにも絶対出会えていなかっただろう。
もし迷っていたらとにかく一歩踏み出してみてください。それは栄光への第一歩かもしれません。

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