中ゼミの情報は充実している

 他の方の合格体験記を読んでると、割りと皆さん立派な理由で編入を決意したりしているのだが、私の編入を決意したきっかけはその方々のように立派なものではなかった。
そもそものきっかけは前の大学で留年したことである。私は情報工学を学ぶことを志して前の大学に現役で入ったのだが、大学で学ぶ内容は情報よりもむしろ電気にウェイトが置かれていた。そこに、学ぶ内容とやりたい内容のギャップを感じていた私は、もともと文系科目の方が得意であるのにも関わらず理系を志願した経緯もあり、勉強になかなか身が入らず、結局留年をしてしまった。
留年が決まった当初私は、もう一度2年をやり直して進級をしようと考えていた。だが、私が留年をした原因となった、基幹科目(選択必修科目のようなもの)の担当教授は非常に単位を出さない事で有名であり、もう一度この教授の講義を受けても単位を認定してもらえる自信が無かった。そこで私は、もう1年ここで勉強するよりも編入のほうが楽だろう、と非常にネガティブな理由で編入を決意したのだ。(最近聞いた話によると、今年のその教授の単位認定者は120人中僅か10人程度であったらしい。故に、結果的には編入を決意したことは正解であった。)
このような経緯で編入を決意したので、私には他の学問への興味も関心も、意欲も無かった。唯一決まっていたことは、法学や経済学や経営学は学ぶのが大変そうだからやらない。ということだけだった。
ここまで読んで頂ければわかるだろうが、ハッキリ言って私は勉強が嫌いであった。とりわけ何かを憶えたりということは本当に苦手であり、逆に何かを想像していくことはさほど嫌いではなかった。暗記をしなくてもいいからである。そして私が社会学部を受けようと考えたのも暗記をしなくてもよさそうな学問であると考えたからであり、ラクそうに見えたからである。
こんな感じで適当に志願学部を決めて私の編入浪人生活がスタートした。適当に決めた、とは言え、社会学を勉強していくことにそれほど抵抗はなかったので、それなりに真面目に勉強をしていくことができた(もっとも、社会学は他の学部より時事問題に関する出題が多いため、さほど難解な内容にならないということはあったが)。
だが、それなりに真面目に、では大学に受かる事ができないということが明らかになる出来事が起きた。それは宇都宮大学国際学部の試験であった。
ここは、語学の試験が無く、論文試験と面接試験で合否が決まるなど、学力以上に本人の専攻に対する興味や人間性にウェイトを置いている試験を実施している大学である。そして結論から言えば結果は不合格であった。
何が悪かったのかと言えば、筆記よりも面接で聞かれた志願理由であったと思う。冷静に考えてみれば”なんとなく”で、何の展望もなく社会学を学んできたからこの結果は当然であったと言える。
何となく勉強するだけでは駄目だということをこのとき学んだ私は、この後に控えているほかの大学の志願理由をどのようにするのか、に非常に悩んだ。1週間ぐらい考えたがとうとう答えは見つからず仕方が無いので中ゼミの先生に相談することにした。
私が、自分には社会学でも取り立てて学びたいテーマがないこと、だが大学には受かりたいという趣旨を先生に伝えると、先生はとりあえず格差社会や失業者社会について学ぶことを志願理由にしてみては、と言われた。理由はこれらの問題は今世間でも問題視されており、社会学部で学びたいと考えるのに相応しいテーマであるからである。
これらの問題に対しその時の私は、まったく学びたいという意欲が起きなかった。だが他に策があるわけでもないのでとりあえず先生の言葉を信じ、格差、失業者問題について集中して取り組んでいくようになった。
だが不思議なことに、当初は興味が持てなかった格差・失業者問題について学習を重ねるごとに興味が湧き、積極的に取り組んでいけるようになった。まあ、要するに勉強の食わず嫌いであったのであろう。そしてその結果、面接でも自分のやりたいことをしっかりと述べられるようになり、私は大学に合格することができた。
中央ゼミナールでの1年間の勉強は私に様々なモノを与えてくれたが、その中でも何よりも大きかったのは勉強に対する興味を与えてくれたことである。前の大学で留年し、仕方が無く編入を目指した私だったが、中ゼミの先生の「とりあえずテーマを持って取り組んでみたらいい」というアドバイスのおかげで私は社会学の楽しさを知り、そして積極的に社会学を学んでいきたいと考えるようになれた。そういう意味で、中ゼミでの1年間は非常に充実していたといえるし、今は感謝の気持ちでいっぱいである。
そして今年中ゼミに所属し、編入を目指している諸君、中ゼミの編入情報は明らかに他の予備校より充実しているし、先生方も学問への情熱を持った方ばかりだ。だから、それらの環境を最大限利用し、努力を積み重ねさえすれば必ず志望の大学へ受かることができると思う。是非頑張って欲しい。

タイトルとURLをコピーしました