決断してよかったと感じた瞬間

 私が編入を強く決意したのは、大学1年生の春休みに1か月間語学現地実習を受け、フランスに滞在したことがきっかけである。元々現役の際に私は仏文科志望であったが、希望の大学には行けずに今の大学に進学することとなった。しかし進学先でも第二言語でフランス語を学んでいくうちにフランスの言語や文化を学びたいという気持ちが諦めきれず、そして実習を受けたことでもう一度自分が学びたいことが学べる大学に入り直したいという思いを抱いた。
 希望の大学への志望理由書を提出する時に一番悩んだのは、大学に入って研究したいテーマの設定である。当初は自分が学びたいことをどう言い表していいのかわからず、構成の部分から志望理由書を担当の先生と相談しあいながら何度も書き直した。そして実際志望理由書が完成することにより、希望の大学へ入ると言う士気が更に高まった。
 私が受験した大学は国立だったため編入の試験は一次と二次に分かれており、一次試験は筆記であった。学科の試験は専門科目であるフランス語の和訳と作文だったため、私が試験の対策として行っていたのは、和訳に関してはひたすら練習問題をこなすことだった。中ゼミで受講していたフランス語講座の他にも、自身で買った短い仏文の訳をノートに書き連ねていった。また、作文に関しては基礎構文を身に付けることを強く意識して、2,3回ほど反復をした。そして、一次試験の合格後は二次試験、自分が希望する学科の教授たちとの面接であった。最初は面接の練習が上手く出来ず指摘された点も多くあったため、担当の先生と一緒に3回以上の練習を重ねた。それだけではなく、自宅でも親に面接の練習に付き合ってもらった。
 私が今回の編入試験の体験を通じて強く感じたこと、それは「絶対に最後まで諦めないこと」だ。編入の旨を両親に伝えた際も、当初は費用などの面から反対されていた。しかし、もう一度新しい環境でフランス語を学び直したいと訴え、編入試験を受けることを認めてもらうことが出来た。また、筆記試験の面でも大きな課題があった。前述したように、私は試験の1か月前までは特に仏作文がほとんど出来ず、また中ゼミで受けた模試の成績も芳しくなかった。だが、そんな状態でも最後まで諦めずに自分を信じて勉強を続けていたら本番の試験では全力を尽くすことが出来た。そして面接では、あまり大きくない部屋の中で複数人の試験官と話すというのは、大きな緊張を伴ったが、私が希望の大学で学びたいという気持ちを強く持つことで、練習通りに自分の考えを主張することが出来た。
 この経験は、私の人生を大きく変えた重要なものとして私の中に一生残り続けると思う。編入先の大学では取らなくてはいけない授業が多くあり、課題の量も以前の大学に比べると増えており、大変であるが同時にやりがいも感じている。あの時、諦めずに大学を受けなおすという決意をし、またギリギリまで諦めずに試験の勉強を頑張って本当に良かった。これからも私は、編入試験で得た自信を糧に新たな大学で、そして社会で努力し続けたい。

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