諦めなくてよかった

 私が編入を考え始めたのは、2年の秋でした。家庭の事情ゆえに大学進学しなかったため、高校卒業後は通信制の短期大学で勉強しながら働いていました。しかし、やはり大学で勉学をもっとしたいという気持ちが強くなり、色々と調べていたところ、大学編入について知り、同時に中央ゼミナールを知りました。願いをかなえられるかもしれないという期待を込めて、1年後に編入する計画を立てました。まず2年でしっかりと単位を取って卒業することを目標にし、通信制短大を卒業後4月から中ゼミに通い始めました。法学の勉強をしたことはそれまでほとんどなかったので、初めは授業で言われている内容が外国語のようで全然頭に入らず、最後に提出して帰る小論文も悲惨なものでした。1,2か月して来たころにやっと授業で言われた内容を素直に頭に入れることができるようになり、夏期講習ごろに答案の書き方の全体像がなんとなく把握できるようになりました。はじめは意味がよく分からなくても不安にならずに、ひとまず授業で言われたことを覚え、復習を続ければ徐々に形になるのだと思いました。
 法学で勉強をし始めた当時の私は国際関係に興味があり、旧帝大の法学部に編入して国際法や国際政治を学ぼうと思っていました。しかし、関東以外の地域へ編入することが厳しくなり、関東にある国公立の大学に編入しなければならなくなったため、第一志望をお茶の水女子大学に絞りました。中ゼミの法学系の授業で学んだことを少しでも生かせるよう、生活科学部人間生活学科生活社会科学講座を受験することを決めました。お茶大は志望理由書が10月初めの提出期限で、夏休み頃から取り組んでいたのですが、提出期限まで一週間を切っている時に専門の先生に見せたところ、それまで練っていたものが却下され、その時、これまでやったことは何だったんだろうと絶望的な気持ちになりました。しかし、締切が近いなかで過去を振り返っても未来を心配しても何も始まらないと気持ちを切り替え、1週間弱の期間でできる最大限のことを頑張ろうと思い、受験する学科で扱う、女性と家族と社会に関する記事やワークライフバランスに関する課題を調べ、志望理由書を書き直しました。そして締切ぎりぎりにやっと完成して先生のOKも得られ、出願に至りました。
 このように志望理由書の提出が万全と言えるものとは程遠いものになってしまったため、諦めたくなる時もありましたが、論文で巻き返せるかもしれないという期待を込めて、先生から勧められた本を5冊くらい読み、過去問を解いて先生に週2回程面談で添削してもらい、一次試験を迎えました。一次試験では用語説明が出題され、社会学系の勉強を体系的にしていなかった私は問題を見た瞬間に終わった…と思いました。せっかく受験会場まで来たので、自分の持っている知識で解答用紙を何とか埋めて帰宅しました。
 一次試験が終わった後はほぼ諦めていたため、一次試験合格の通知が来たときはとても驚きました。その後は二次試験に向けて、志望校のホームページから教授の論文を読んだり、編入後研究したいテーマに関する本を読んだり、面談で先生に模擬面接をしてもらったりしました。こうしてお茶大の志望学科で扱う内容に関係する本を読み進めていくと、国際関係よりも、ワークライフバランスや貧困といった国内の問題への興味関心が大きくなっていきました。こうした経緯で結果として第一志望に無事合格することができ、本当にほっとしました。
 志望理由書で躓いた時も、一次試験の問題を見た時も諦めそうになりましたが、とりあえずその時できることをひたすら頑張れば、結果はついてくるのだという自信がつき、今後の人生にとってかけがえのない経験だったと思います。どんな時も見捨てず、優しく、鋭く指導してくださった中ゼミの先生たちに感謝してもしきれません。自分の力だけではとても合格にたどり着けなかったと思います。これから編入を考えている人には、自分の限界を決めず、できるだけ早くから志望校に特化した準備をして、中ゼミで授業の復習と志望校の試験対策をひたすら行えば、結果はきっとついてくると信じてがんばってほしいです。

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