自分と向き合うきっかけを与えてくれた編入試験

【はじめに】
 去年の夏の私は…
①夏期講習のみ参加(英語の添削目的)
②4年制大学生
③メンタル弱め
④ネガティブ
⑤どんなに勉強しても自信が持てない(浪人の失敗より)
こんな学生でした。そして更に
⑥夏休み前に軽いパニック症候群になる
⑦試験直前に母親が体調を崩し、看病等で勉強どころでない状況で試験当日を迎える…と、正直かなり追い詰められた状況下にいた編入生でした。第一志望校の試験日も早く時間もあまりない中でしたが、物事に対する自分自身の考え方、捉え方を変えることで前向きに試験日を迎えることができた点が何よりも合格に近づいた契機になったと思っています。
【夏休みまで】
 2年の前期は平均的な単位をとりながら、基本的に放課後は学校の図書館で勉強をしていました。どちらかというとこの時期は本格的に勉強していたというより志望校をどうするか、研究テーマをどの分野にするかなど情報収集に力を入れていました。しかしテスト期の忙しさで心身ともに余裕がなくなり、突然吐き気や呼吸困難に襲われ、学校に来てテストを受けるだけが精一杯の健康状態に。そんな時に私を大きく支えてくれたのが、次の二つの言葉です。
●満点を目指す必要はなく、合格ラインを超えることができたらそれで十分
●落ちるかも…と思うと本当に落ちてしまう。自分はここまで勉強してきたのだから大丈夫、受かる。 と信じる。
 自分を信じることができない私でしたが、この時期にポジティブまではいかなくともネガティブに考えることを意識的に止め、明るい未来を前向きにイメージし言葉にだすことで、少しずつですが自分を信じてみようと思うことができるようになりました。この言葉をきっかけに、自分の力でなんとか編入を諦めず頑張り抜くことを決心しました。
【夏休み】
 8月は中ゼミに通い、9月からは毎日学校の図書館を利用し勉強していました。英語添削を目的に夏期講習に参加したので、添削のある英語関連の5つの講義のみ受講していました。夏期講習期間は授業の復習がメインの勉強スタイルで、再提出は遅くなったとしても必ず出すようにしていました。そしてこの時期、中ゼミで一番刺激を受けたのは合格者説明会を通して正しい勉強方法はなく、自分の勉強スタイルを信じ頑張り抜くことが大切であるということを知れたことです。心身の健康状態が不安定だった私にとって、ストイックな勉強スタイルは難しかったこともあり、そのような勉強方法を行っている人を見ると焦ってしまう自分がいました。そのため、勉強方法は自分にあったやり方が一番であり、他人と比較するものではないということを実感させられ、自分の中での迷いが吹っ切れました。9月に入った時点ではまだ志望理由書は完成していなかったので、志望理由書の作成と英語の勉強を同時進行で進めていました。しかし、私の場合、志望理由書に苦戦しかなりの時間をとられ、あまり語学の勉強に集中できない時期でもありました。
【夏休み後~試験直前】
 後期の単位は8単位と思いきりました。そして授業が終わったら図書館に9時まで引きこもり志望理由書を完成させる準備と並行して過去問を解いていました。面接用の一問一答の原稿も制作していましたが、過去問の解答がないため疎かになっていたスペイン語を集中的に勉強しました。試験日まで一か月程度しかない中、大学のスペ語の先生によくして頂いたこともありなんとか乗り切ることができましたが、語学の勉強は時間を要するため早めの対策をおすすめします。この時期は試験日までのカウントダウンを意識し始め、何をやればいいか気持ちだけが焦りがちになりましたが、将来でも過去でもなく、今自分に必要とされている勉強に没頭することで余計なことを考えずに勉強に集中できました。同時に、この時期は勉強を見て頂いくために大学の先生方と話す機会が増えた時期でもありました。経験の豊富な大人の人との対話から学べる点は多く、学校や先生方が編入に対して寛容であれば、ぜひ先生方に協力してもらってみてください。編入への捉え方の視野が大きく広がるチャンスになると思います。
●長い人生から見ると大学生活なんてほんの一部。色んな経験を自ら求めていくチャレンジ精神をもつことが最終的な結果より大事。
【試験前日当日】
 前日は切羽詰っていたこともあり、あまり具体的に覚えていませんが、急遽大学の先生に英訳の志望理由書を見て頂いたりしました。夜は体調の悪い母が晩御飯を無理して用意してくれ、有難みを噛みしめながら、そして絶対諦めずに頑張りきることを胸に誓い、駅へ向かいました。というのも電車酔いの酷かった私は、前日は大学に近いホテルに一泊し翌日そこから大学へ向かう予定だったからです。本来は母も一緒に来る予定だったのですが結果一人で一晩過ごしました。正直、心細くなかったといえば嘘になりますが、健康であるだけ恵まれているという気持ちが当時は強く気持ちは前向きでした。今考えれば、ちゃんとした面接練習を一回もできていない余裕とはとても言えない状況下、当日を迎えるにあたって心の余裕をもつことを常に意識していた習慣が私を支えてくれていたのかなと思います。夜は面接の練習のみを繰り返し、そして朝を迎え、温かい紅茶で体と気分を落ち着かせ学校に向かいました。その時の心情としては頑張るぞ!という自分でも驚くほどの前向きな気持ちしかなく、自分の成長を実感した瞬間でもありました。試験では最初のスペイン語で大きくつまずき、正直もう落ちたと思いましたが何とか諦めず粘りその後の英語、小論そして面接を終えました。しかしほとんど手ごたえがなく、すべてが終わった時には放心状態で「もうこの学校に来ることはないんだろうな…」という思いで学校を去り、電車では爆睡。そんな長い一日でした。
【合格発表当日】
 本当に全く期待していなかったため、普通に2限まで授業を受け、とりあえず帰ろうかなというような心境でした。マンションの下で郵便局のおばちゃんが仕分けしているのを見た時は一瞬ヒヤッとしましたが、他大の出願について調べているときの不意打ちの合格通知は頭を真っ白にさせ理解するのに時間を要しました。しかしその後はひたすら号泣で、入院中の母を始めとする家族、お世話になった先生方、そして友人へと連絡を入れました。そこで多くの人に支えてもらったことの実感と共に、恩返しをすることができたことへの安堵感が込み上げ、忘れられない一日となりました。
【近況状況】
 単位認定があまりされなかったこともあり、授業を詰め込まざるを得なくなった結果、課題に追われる日々を送っています。津田は基本的に課題が多い学校なので編入生には少しキツイかもしれませんが、勉強したい人には満足できる環境かと思います。学生もまじめで学びへの意識が高い人が多く、良い刺激をたくさんもらっています。自分のやりたいことや、自分自身について考える機会が増えたことも津田に通い始めてからです。今までの人生の中で今が最も忙しいですが、自分自身を大きく成長させてくれていると実感できる学校生活はとても充実しています。
【終わりに】
 心身ともに弱気で合格へは遠い道のりのようにみえた去年の私が合格を掴めた一番の理由は、たくさんの人の支えの下、自分白身で変わろうと努力し、実際に変わったことを実感できた点が大きいと思います。編入への道のりは容易ではありませんでしたが、多くの学びを与えてくれたこの経験は今現在の私の原動力となり大きな意味を与え続けてくれています。

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