第一志望校は諦めずに!

 私が編入試験を受けようと決意を固めたのは大学二年の夏休みでした。一年前から考えて準備をし始める人も多い中で、私がこのように出遅れてしまったのは、金銭的負担が大きな問題でした。編入試験を受けるということは、塾の代金や受験料、入学金等たくさんのお金が必要になるため、親にそのような負担をかけてまで進路変更をすべきなのかどうかと私は何度も悩んでいました。一度入学させてもらったのだから、最後まで今の大学でやりきるべきではないのかと、二年前に自分で選んで受験したことへの責任も感じていました。
 編入試験を受けることを決意して、すぐに中央ゼミナールの入学相談を受けました。平行して他にもいくつかの個別指導塾に見学に行き、大学の編入試験にも対応してもらえるのかと相談をして、ほとんどの塾から可能だとのお返事を頂きました。しかし、他の塾には中ゼミで見せていただいたような編入試験の過去問がほとんどなく、他の塾を見れば見るほど、大学編入という特殊なケースに合わせた特別な対策の必要性を感じるようになりました。そして同時に、大学編入に特化した中央ゼミナールで勉強したいという気持ちを強く持つようになっていきました。中ゼミの入学相談では、今からでも間に合うのかという不安を率直に相談すると、3日後から始まる夏期講習からの受講をすすめられ、「夏期講習から入る子もまだいるし、今から真剣にやればきっと間に合う」というように言われました。しかし、夏期講習の代金と2学期の学費分の両方を親に頼むことはできないと思った私は、悩んだ末、夏期講習は受講せず、2学期から入学することにしました。
 2学期が始まり中ゼミでの勉強が始まると、周りは1学期生や夏期講習生等、4月から勉強している子や夏期講習で中ゼミでの勉強をもう掴めている子が多く、今年受験する人で9月からの2学期生なんて、私くらいしかいませんでした。それどころか大学1年生の子が来年の受験に合わせて、私と同じ2学期から入学していたりして、私は時間のなさを痛感しました。先生によっては「春とか夏期講習からずっと頑張ってきた人は、もうここは何も言わなくても理解できるようになっているでしょう?ちゃんと力がついてるから。今頃やってきてそこに座ってるだけの奴はもう置いていくから。」と授業でよく言われ、そのたびに私は不安な気持ちになると同時に「追いついてやる」という気持ちで、毎日予習復習を行っていました。
 私は神奈川に住んでいるため家が中ゼミから遠く、毎日終電ギリギリで帰っていました。そのため家について夕食を食べ、シャワーを浴びるとあっという間に午前2時近くになっており、そこから課題や再提出の作成、予習、復習、小テストの勉強をすると気づけば朝方ということが何度もありました。実は課題の再提出はしない人もいるということを私はだいぶ後から知りました。私は1人、とにかく中ゼミに慣れていなかったので、優先順位や手を抜けること、抜けないことがわからず、まじめに先生に言われたことを全て、ただガムシャラにこなしていました。けれども、半年、1年間かけて勉強してきた他の大勢の受験生の中で私が志望校に合格することができたのは、全てこれのおかげではないかと今では思っています。
 特に、私が力がついたと実感していたのは添削英語の授業での英文を和訳する力です。どの授業でもそうかもしれませんが、この授業において再提出は私にとって自分が間違えていたところを理解し整理するためにとても重要でした。返ってきた添削を見て→授業で解説を聞いて→再提出というこの流れで、着実に力がついていったと感じています。そして何より、1回目の提出で点数が悪かったものが、理解してきちんと解き直して再提出すると大幅に点数が上がって返ってくることが嬉しくて、モチベーションにもなっていました。入ったばかりの最初の授業では、私は英文の構成をとるということが全くできず、目に入った単語を頭から順に訳して並べているだけでした。すると悲惨な点数で答案が返ってきて、授業後に山崎先生が私のところに来てくださって、「…徐々に、やっていきましょう徐々に。…気を落とさずに。(汗)」…かける言葉がなかったでしょうが、わざわざ励ましに来てくださったことを今でもはっきりと覚えています(笑)。しかし、授業や再提出を重ねるごとにandやコンマ等を意識して文の構成をとれるようになり、かたまりごとに訳をつくれるようになって部分点がもらえるようになり、添削にも「向上しています!」と毎回コメントがいただけるようになりました。これから受験するみなさんは、夜遅かったり、疲れていたり、さらには学校の授業もあって大変かとは思いますが、ぜひ時間を見つけて授業の復習と課題の再提出は怠らずにやっていただきたいと思います。そうすることで確実に力はついていきますので、しんどい時もやめずにぜひ続けてください。
 そして、もう一つ私にとって重要だったのは添削英作文の授業です。この授業では自分の言葉に言い換えて英作するという練習を初回からずっと行っていました。私がこの練習の成果や重要さを初めて実感できたのは、駒澤大学の受験が終わった後でした。駒澤大学受験当日、試験の英作文の問題で「歴史を紐解き…。」という文がありました。試験後に私の周りの席の子たちが、「やベー“紐解く”出てこなかったー」「私もー」「俺わかったよ!ギリ思い出した(笑)」と話しているのを聞いて、はなから“紐解く”など使っていなかった私は、自分一人だけが違うことをしてしまったようで、とても不安になりました。しかし結果は合格をいただき、その合格者数がとても少なかったので、そこに私が入れたということに本当に驚きました。後日塾の面談でその英作文の話をすると、「そういう言い換えができる人が受かるんだよ」と言われ、そこで一気に安心感と喜びが広がりました。そして、そのために今まで言い換えの練習してきていたのに、不安になっていた自分があほらしく思えました。やってきたことが無駄じゃなかったなと思えた瞬間でした。添削英作文の佐々木先生はとてもユーモアのある楽しい先生で、いろいろな言い換えをいつも伝授してくださっていました。英作文に関しては、冠詞や言い換え等正解が何通りもあるため、自分の作った英作文を持って、直接授業後に質問に行くのがよいと思います。細かい部分で疑問に思うことも多いと思うので、口頭で説明していただき、その都度腑に落ちないことがあれば聞くという形がベストだと思います。
 私は合格発表の早い学校を受けたり、他の合格発表を待ってから出願できるところを探したりと、受験料の負担をできる限り減らすために受験校を削減していました。その中で実は、先生との面談で、「受かる自信が全くないから第一志望である明治学院大学を削ろうか」という話も何度か挙がっていました。しかし合格が分かったとき、入学した当初から第一志望の欄に書き続けていた大学に合格したというその嬉しさは半端じゃなく、辞めないでよかったと心から思いました。これから受験するみなさんも、志望校に向けて必死に勉強し何度も面談を重ねる中で、ふと不安になるときもあると思います。けれども、第一志望は是非諦めずに頑張ってみてほしいというのが今の私の気持ちです。私は、一つ目に駒澤大学の合格がわかったときは嬉しさと安堵で号泣したのに対し、明治学院大学の合格は全く実感がなく、涙も出ませんでした。ただその達成感は言葉にならず、初めて自分を誇りに思い、自分に自信がもてました。みなさんにもこの感動を味わってほしいと思います。一方、みなさんに志望校選びで、特に学部を変更する方は必ず注意してほしいことがあります。それは、本当に受験資格を満たせているかを何度も確認するということです。規定の総単位数は満たしていても、学部によってはさらに“〇〇系の単位が○単位以上”と細かく定められている場合があります。私は教育学部から文学部の英文学科へと学部がかわったため、英語の単位数がわずかに足りずに受験資格を満たせていないことがギリギリになってわかりました。そのため、はじめ受験しようと思っていた大学が直前になってどんどん受けられなくなっていくということがありました。結果的に、第一志望の大学は受験することができ、合格をいただくことができましたが、私は第一志望を含めわずか2校しか受験しませんでした。受験する数を減らしたいとは思っていましたが、受かる自信もない中で、自分の意思とは関係のないところで受ける学校がどんどんと減っていくことは、本当に不安であり恐怖でした。なのでみなさんは、特に学部をかえる方は、受験資格を早めにじっくり読んで、先生と何度も確認し受験の予定を立てるようにしてください。拙い文で恐縮ですが、少しでも後輩のみなさんの力になれれば幸いです。ご検討をお祈りしています。

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