夏からの勉強でも大丈夫!

 私が編入学という制度を知ったのはかなり以前ですが、実際に受験しようと考えたのは受験年度の7月になってからでした。しかも、当初は受験する系統を法学系と社会学系で決めあぐねており、最終的に社会学系を選んだのは第一回模試の後でした。さらに、在籍校での成績は極めて悪く、長期間の休学もしていました。以上のように、私の編入学受験はとても困難な状況からのかなり出遅れたスタートでした。この体験記では、こうしたハンディキャップを乗り越えて合格を掴み取ることができた理由について、私なりに分析していきたいと思います。

 まず、編入学のために行った学習について触れます。私が特に力を入れて対策したのは、専門である社会学の勉強、論文の書き方、志望理由書、面接です。第一回模試の段階では、社会学についても論文の構成についても知識がなかったため、当然のことながら論文試験には手も足も出ませんでした。そこで、筆記試験対策としては、夏期講習や後期で開講された社会学の授業や、小論文の授業での学習を最重視しました。論文の段落構成や社会学の知識を大急ぎで吸収するうちに、気づけば夏期講習も終わり、その頃には何とか社会学的な論文らしき文章を書けるようになっていたと思います。小論文についても、専門論文についても、添削された答案を見返して自分の弱点を分析し、できる限り再提出してその弱点を克服するように心がけました。社会学のテクニカルターム・概念などを授業で学んだ後は、それを手のひらサイズのメモ帳にまとめ、何度も見返して覚えるようにしました。そのメモ帳を作る上で注意したことは、自分の言葉でまとめなおし、論文を書く際の概念どうしの組み合わせや応用法を書き込むことでした。それにより、学んだ概念を効率的に理解・活用できるようになったと思います。

 次に、志望理由書や面接試験対策など、独学では対策できない分野について述べます。志望理由書は、最初に執筆した段階ではテーマが全く絞れておらず、研究計画の甘さが露呈するような拙いものでしたが、面談を受けて、自分の研究したいテーマに関してより深く考えさせられることになり、その内容をメインに据えた志望理由書を書き直しました。自分の興味・関心をまとめ上げ、志望理由書として提出することで、自分の扱うテーマに責任感を感じるようになり、結果的に自分の専門についての学習をいっそう行うようになりました。その学習は面接対策で試されることになり、その都度至らない点を発見・学習していきました。私は面接試験に特に強い苦手意識を持っていたので、事前の対策をできるだけ入念にしようと何度も面接練習を重ねました。面接対策では、非常に厳しい質問をいくつも投げかけられ、何度も答えに窮しましたが、その体験や対策を経たおかげで、本番での質問が易しく感じられ、面接試験でも手ごたえを感じられるようになりました。

 英語に関しては、ターゲットの総復習で単語力を補強し、過去問を解いて傾向や時間配分の確認を行いました。英作文など独学が難しい分野については、日曜日の英語質問コーナーに入り浸り、丁寧な添削を受けるなど、質問コーナーを活用しつくすことで対策しました。

 私は夏期講習から入学し、さらに学費の問題で私立大学の受験ができなかったので、受験校が比較的試験時期の遅い国立大学に絞られてしまいました。その中でも比較的早い時期に受験できる国立大学は不合格になってしまったため、押さえのないまま本命の大学を受験することになりました。また、在籍大学に戻って卒業することも難しかったので、精神的にかなりつらい受験になりました。もしどこにも受からなかったらどうしようという考えが頭を支配し、非常に苦しめられたのですが、それでも授業に出席して学習を続けたことが、結果として本命校の合格につながったのだと思います。もちろん、独学では対策しきれない専門面接や志望理由書について入念な対策ができ、過去問だけでなく過去の受験情報も閲覧・活用できる環境を提供してくださった中ゼミの力なしには絶対に合格できませんでした。社会学系の先生方をはじめ、多くの方に支えられて合格を勝ち取ることができたことには感謝してもしきれません。本当にありがとうございました。

 私のように、在籍校での成績や休学、中ゼミへの入学時期などで不安を抱えている方もいるかもしれませんが、夏からの勉強でも、在籍校での成績が悪くても、休学をしていても、志望校に合格することは十分に可能です。どんなに辛くても、めげないで学習を続けていれば確実に実力が付いてきます。中ゼミの環境や授業は、その学習を強力に支えてくれるので、与えられたものは全て吸収し、さらに多くを求めるほどの貪欲さで日々の授業や添削、面談などを活用し尽くしましょう。中ゼミの授業や情報、先生方、そして努力を重ねた自分自身を信じて合格を勝ち取るにあたって、この拙い体験記が皆さんの参考になれば幸いです。

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