奇跡的な合格

 この度、私は神戸大学経済学部に編入することになりました。

 私が編入を志すようになったのは、第一志望の大学に補欠合格の末に不合格となった瞬間からでした。もう一年受験勉強を続けるか編入をするか迷いましたが、結局は編入を目指すことにしました。結果的に神戸大学に合格することが出来たので、あの時の決断には満足しています。

 しかし、この合格は奇跡的な合格だったと思います。実際、他に受験した京大・阪大・名大・横国大には不合格でしたし、神戸大も合格発表があるまでは不合格だと思っていました。全落ちになるかどうか紙一重の合格だったのです。では、なぜ神戸大学は合格し、他の大学は不合格だったのかを考えてみることにします。

 私は昔から英語が不得意で、中ゼミに入るまでは中学レベルの単語も文法も理解できませんでした。そのため大学受験では得意な数学と国語を磨き、英語にはいっさいに手を付けないといういびつな勉強をしていました。それでも補欠合格できた上智大学はどうかしていると思います。入学した埼玉大学経済学部は2次試験が2科目なので、国語と数学で受験しました。

 編入試験では英語は避けて通れません。そこに神戸大学以外不合格の理由があったのだと思います。まず、私のTOEICの点数は大学1年生の時に初めて受けた時、390点でした。大学2年の時、名古屋大学でTOEICが必要になったと知り急いで勉強をして受けた時の点数は620点。元が酷かったため上がり幅は大きいですが620点も大した点数ではありません。名大は専門科目がよく出来たと思ったのに不合格だったのは、これが原因だと勝手に推測しておきます。(横国は専門もダメでした。)

 また、中ゼミに入るまでまともに英語を勉強しなかった私は英作文というものをやったことがなく、中ゼミで丁寧に書き方を教えていただいたにもかかわらず私の貧弱な語彙力と発想力の前では付け焼刃にもなりませんでした。ダメだったのは英語だけではありませんが、そのような理由もあり京大が不合格だったのではないかと勝手に思わせていただきます。

 私がお世話になった千頭和先生の英語の授業では、文法・読解・和訳を1からではなく0から教えてもらえます。中学レベルの文法がわからない私には非常に助かりました。ただし、単語や英作文のセンスに関しては自分の力で学ぶほかなく、それは一朝一夕で身につけることは非常に難しいです。中ゼミでは英文法や専門科目、小論文に関して最初から教えてもらえるので事前に何かを学んでおく必要はなく、その時間を使ってできるだけ早い時期から英単語を覚え、英文を読むなどして英語に慣れておく方がいいと思います。また、TOEICを使用する大学も増えているので、TOEICの点数を上げておくのもいいかと思います。

 一方、神戸大学経済学部の試験ではTOEICを使いませんし、英作文は出題されません。また、試験中の辞書の使用が認められています。「英文法はなんとか理解できたけど語彙力がない」という私にピッタリの試験だったと思います。

 以上の理由から、私は神戸大学だけ合格し、他の大学は不合格だったのではないかと思っています。

 しかしながら、神戸大学の試験では英語はよく出来たのですが、専門科目は悲惨なものでした。自身初の編入試験という緊張もあり、経済学の問題が1問も理解できず、20分ほどチャレンジしてみたものの、結局は選択を数学へ変更。数学は数学で、まったく対策をしていなかったため高校時代にやったことを思い出しながら適当に解答。得意なはずの小論文も時間に追われ支離滅裂な内容に。専門科目の試験が終わった時点で英語を残して帰るか本気で迷いましたが帰らなくてよかったです。唯一受かった大学で半年間習ったことが全く生かせなかったため、経済学と小論文を教えていただいた先生には合わせる顔もないです。 やはり、私の神戸大学経済学部合格は奇跡的な合格、と言っても間違いないです。

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