何事も集中力と努力が必要

 私は短期大学を卒業してから2年のブランクを経てこの春、関西大学に入学する。第一志望の大学には全く届かなかったが、後悔はしていない。自分の努力が全く足りなかった。ただそれだけである。私はこの受験経験を活かし、これからの糧にしていきたいと考えている。また、これから受験をする人にも同じような失敗をしてほしくないと切実に思う。

 私は短期大学卒業目前に周りの友人が就職活動や編入学試験に勤しんでいるころ、かなり遅めの編入を決意し、進路が定まらないまま短大を卒業した。

 今思えば、元々編入学などに力を入れている学校で、TOEIC高得点のための講義やノウハウを教えてくれる講師陣がいたにも関わらず、私はその環境を活用することができなかった。

 最初の1年は編入の対策方法がいまいち分からずバイトに明け暮れ、あっという間に2年目に突入してしまった。また、その頃は独学で神戸大学経営学部に編入した先輩が勉強を教えてくれようとしていたのに、この時も周りの環境を活かすことができなかった。

 さすがにまずいと思った私は、真剣に編入について調べて行くうちに中ゼミのことを知った。高校受験は通信講座でうまくいった経験があったので、大阪に分校はないものの、通信講座なら資金を集めながら自分のペースで勉強できると思い、早速申し込み手続きを行った。その時は2月だった。まず、自分は要領よく勉強できないと分かっていたので、勉強科目を絞り、筆記の英語試験がある学校は受験しないことにした。

 そして、夏まではひたすらTOEICの勉強を行った。今まで英語を毛嫌いしている私だったが、その時は単語帳を何十回もくり返し、公式問題集を何度も何度も解きまくった。しかし、点数はなかなか伸びず3月に550、4月に600、5月に635と、この点数で足踏みしてしまっていた。編入試験でTOEICが600点台というのは致命傷である。しかし、本命の大学には結局9月の660のスコアを提出することになる。勉強方法をきちんと調べ計画を練ることも重要だ。あまりそれに時間を取られるのは良くないが、あせって間違った内容を続けてしまうよりは、ある程度の時間を割いてきちんと調べた方が結果的には時間を節約できる。その時の私は石崎力也という人の勉強法(リスニングをやりこめば筆記も勝手に上がるという内容だった)に重点を置いてひたすらにリスニングを行っていたが、筆記の点数は上がらなかった。今思えば当たり前である。なのに、私は愚直にその勉強法を続けていた。時すでに遅し、私がその勉強法を変えたのは夏が過ぎてからだった。『TOEIC TEST 3カ月で高得点を出す人の共通点』(中村済子著)はお勧めだ。他の受験生の体験記にも書かれていたが、編入ではTOEIC高得点をいかに早い段階で取得し、残りの期間を専門分野の勉強にどれだけあてがえるかが本当に肝である。受験体験記を早くからできるだけ多く目を通しておくことも大切だと思う。

 さて、専門科目はというと、途中から経営学はいい加減になり後半はほとんど勉強しておらず、経済学だけを勉強していた。その時は基本をテキストで学習した後、公務員試験用の『スーパー過去問ゼミ』を何度も解いていた。しかし、ここでも反省しなくてはいけなかったのは、問題の解き方にむらがあったことと、記述問題対策をおざなりにしてしまったことである。これは後で説明する面接にもつながる大事な内容だ。加えて、実際の大学の過去問を解いて、分からないところはしらみ潰しに無くしていく、というところまでにしておくべきであったのにそうはしなかった。

 小論文や志望理由書対策においては、小さな日々の学習が欠かせない。私は毎日TBSのビジネスオンデマンド系列を見、小論文対策は新書を読んで行った。この際も、問題で問われそうだと思った内容はまめに一冊のノートにまとめておきたいところである。小論文では知識の広さが問われるだろう。

 最後に面接においてである。これは各大学によってあったりなかったりするのだが、気をつけておきたいポイントが二つある。一つは自分が話そうと思っている専門分野の内容を空で的確に話せるかということだ。私は話した内容自体はよかったのに、間違った意味の専門語句を使用してしまい、TOEICのスコアはクリアしているのに駄目だった。二つ目は、話す内容は一つだけではなく、複数用意しておくということだ。実際、人と違う経験を面接で話したが、編入のきっかけや卒業後、編入後の学習で行いたい研究テーマなどのほとんどがその経験から派生したものだったので「その内容だけなのか」と面接の最後に一蹴されてしまった。

 私がこの受験勉強の経験を通して言えることは、何事も集中と努力が必要だということだ。あとは自ら動き調査すること、先の予定を見通して計画するということである。これらが結局、効率と時間の節約につながってくる。

 時間というものは本当に何ものにも変えがたい、特に若いときの時間はかけがえのないものである。これから受験をされる多くの受験生の方々の健闘を祈っています。

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