孤独になったら合格したことを考えよう

私は、一般受験の時から獨協大学の外国語学部フランス語学科が第一志望であり、個別、全学部、後期日程と、すべて受験したが、これらを含む受験したほぼすべての大学に失敗し、唯一受かった滑り止めの大学への入学が決まった。やりたかったフランス語が学べる大学ではあったが、行きたかった大学でないことや、受験した大学から一斉に不合格通知がきたショックから、やる気や自信、夢も失ってしまい、大学の授業に興味を持つことも、自身で資格取得や留学に踏み出すこともできず、日に日に大学を休むようになった。自身の大学を見下し、またそこに属している自分が何よりも嫌いだった。

編入に関しては、後期日程の不合格が分かった次の日から親に相談していたが、金銭面的なものも含め、なぜ自分が行ったことも学んだこともないフランス語がやりたいのか、なぜ獨協大学なのか、自身では強い意志を持っているつもりでも言葉でうまく説明することができず、ずっと反対されていた。しだいにサークルや友達との遊びに明け暮れ、大学のことなど考えないように生活するようになったが、受験期に思い描いた憧れのキャンパスライフを送っているはずなのに、心から楽しめていないことにも、このままではダメだということにもすぐに気がついた。そこで、独学でもフランス語の勉強を始め、検定試験を受けることを決めた。英語には苦手意識があったが、フランス語の勉強はとても楽しく、一か月で想像以上に伸び、自分の学びたいことはやはりこれだと感じた。そんな時、フランスの都市計画や、教育制度に興味を抱き、二年次編入があり、フランスの現代社会について学べる大学を東だけでなく西側の大学まで探した。そして最終的に第一志望となったのが獨協大学だった。他にも留学や専門学校、浪人とさまざまな選択肢を考えたが、両親との長い話し合いにより、編入を後押ししてくれることになった。

夏期講習から入り、一人暮らしだったため、夏休みはほとんど誰と話すことも、遊ぶこともなく、塾と家を往復した。時間は十分にあったが、ストレスから思ったように集中できず、家に帰っては毎日泣いていた時期もあった。しかし、自分が想像していたよりもはるかに友達や両親は心配してくれ、いつでも応援の言葉をくれた。「受験は自分だけのものじゃない」「今度こそみんなを喜ばせたい」と思い、八月下旬からこれまで以上に勉学に取り組んだ。

中ゼミの自習室は図書館や、大学進学塾とは違う空気がある。それは、年齢に幅があるだけではなく、誰もが仕事や大学で時間のない中、集中して本気で勉強しているからだと思う。高校生の時とは違い不慣れの地であること、家族や長年の友達などがいないことから孤独に感じることも多いと思う。しかし、今の不安ばかりを考えるのではなく、合格後のこと、そして、この合格を伝えたい人のことを考えてほしい。

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