「粘り」は合格に不可欠

私が大学編入を目指した理由はとにかくより良い大学へ行きたかったからである。当初私は法学部に在籍していたが、一般入試の悔しさが尾を引き、専門の学習をしようにも身が入らない状態が続いていた。このままでは駄目だと思い、大学入試に再チャレンジしようと思ったのは4月あたりだった。中ゼミのスタッフの方に尋ねた結果、もう新学期が始まっていることを知った私は、正直中ゼミに入るかどうか迷っていた。早く入らないと他の人に差をつけられてしまうと思っていたし、一方で合格する保証はないから大金をつぎこんで入りたくはないとも思っていた。しかし、やはり合格するには中ゼミに入って猛勉強することが一番の近道だと思い、入学を決めた。

入学後は、編入試験に特化した講義を受ける日々を送ったが、大学の講義との両立が非常に困難であると徐々に感じ始めていた。また一部の大学はTOEICが必要であることからこの対策も視野に入れていかなければならなかった。そして編入の勉強が軌道に乗ってからこのTOEIC対策を始めたのだが、自分が思ったよりも点数が取れないことに気付いた。当初、600点くらいは楽勝で取れるだろうと甘く見ていたのだが、実際はリスニングの演習の成績から600点取れるかどうか怪しい状況にあった。また、先生に聞いたところTOEICは600半ば位が目安だとわかった。これらの事実を知り、私は危機感を感じ、他科目を犠牲にしてでもTOEICに時間を割くようになった。今考えてみると結構リスキーな試みだったと思うが、これが功を奏し、本番では730点以上と、志望校受験に十分な点数を得ることができた。しかし、一方で後悔の念もあった。それは6月にもTOEICを受験できたはずだったにも関わらず、受けなかったことである。5月当時私はTOEIC対策を始めたばかりで、1か月後にまともな点数が取れるとは思っていなかったため受験しなかったのだが、やはり受けておくべきだったと思う。

夏休みはひたすら自習室に籠って勉強していたが、毎日を同じように送っていたので時々気分が落ち込むことがあった。しかし、そんな時は、思い切って全ての勉強を放棄し我を忘れて遊んでいた。

後学期はさらに志望校に特化した勉強をした。時が経つにつれて成績が順調に伸びてきていたので、それを自信に変えて精進した。

受験1か月前に入り、本格的に過去問に取り組んでみると、入学当時にアプローチ方法が分からなかった問題がすらすら解けるようになっていた。私は人よりも再提出に励もうと心がけていたので、この成果が出てきているのだと感じた。

神戸大の本番は、夏期講習の憲法で取り組んだ問題の類題と思われるものが出題されたが、臆することなく解答することができた。また、周りの受験者が例年とは違う問題傾向に面食らっているのを見て、自信を持って解答できた。その他は、一見して知識を問うような問題が出題されたが、知識が無いからと諦めず課題文から要旨を読み取り、論述することを心掛けた。

北海道大はやはり例年と違う問題が出たが、諦めずに制限時間いっぱいまで論述した。今考えてみると諦めずに粘りに粘った大学に合格しているので、「粘り」というのも合格に不可欠な要素なのだと思う。

合格発表時は割と穏やかにしていた。そして発表後も浮かれることはなかった。

こうして再チャレンジに燃えた受験勉強は終わりを告げたのだが、同時にこれから私の前に立ちはだかる将来の夢に向けた大きな壁も見えてきた。これからはこの壁を乗り越えるべく日々精進していくことになるが、今までと同じく謙虚さは忘れずにしていきたいと思う。最後にお世話になった先生方、中ゼミのすべての方々に感謝申し上げたい。

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