どん底からの挑戦!

高校生の時、志望する大学に入ることが出来ず、浪人したら入学できる保証はなかったため仕方なくほかの大学に通うことになった。私は正直、行きたくなかった。親に受験料を払ってもらったのに結果が出せなかったため、あれ以来、親と会話しづらくなってしまった。自分が入学する大学は東日本大震災の影響で5月からの入学になっていた。その間に本屋に行ってもう一度親に内緒で受験しようかと思い参考書を見に行った。
すると予備校の大学受験の本の隣に編入学の本が置いてあった。最初は内容があまりよく分からなかったが、大学を変えるための予備校があることが分かった。そこで「中央ゼミナール」という名前を知った。その本で私が入学する大学と同じ学科(私は地理)のある大学を探した。するといくつか該当する大学があることが分かった。その1つがこの大学である。家に戻ってインターネットで「中央ゼミナール」を調べて資料をもらった。
本だけでは内容が分からないため資料を基に編入ガイダンスに参加した。その後、英語の能力テストを受けた。そこで自分の本当の実力を知った…。能力が全く身についてなかったのだ。正直自分自身に失望した。その時から情けない自分を直したい、また編入で一般入試のリベンジをしたい、と思うようになり勉強は面倒だと思っていた自分が無意識に勉強するようになった。前から英語が苦手だったので、通学中は「英熟語ターゲット1000」を見て長文を読むためのカを付けていった。
金銭に関して問題があったので私は夏期講習から参加した。まず専門科目の「地理」と、先ほど述べた通り英語が苦手だったため「徹底マスター英語文法」を受講して英語の基礎を学んだ。「徹底マスター英語」を担当していた千頭和先生からオススメの参考書を教えてもらった。「英語を一から学びなおすためには中学英語の参考書が良い」と言われた。私はそのアドバイスを聞いて、創育社の「基礎からできる1・2年の総復習」とシグマベストの「これでわかる英文法 中学1~3年」を何度もやり直した。講習中に受験する大学の過去問をもらった。秋は講習会でもらったテキストを見直しながら過去問を解いていた。それと共に「志望理由書対策ガイダンス」と「面接対策ガイダンス」を受けて面接で質問されるようなパターンを試験当日までずっと考えていた。この大学では志望理由書は試験に関係なかったが面接で志望理由を聞かれるので面接のネタにした。さらにこの大学は1次の筆記試験が受からなければ2次の面接に進めないという決まりがあった。編入の英語長文は専門科目の論文なので試験当日までに専門科目の英単語を覚えていた。また専門では語句の説明が問題になるので「一間一客の地理」で語句説明の文章を暗記していた。しかし体調管理が甘かったせいで、試験直前に風邪をひいてしまった。結局、病み上がりの状態で試験に臨むこととなってしまった。
試験当日、専門科目は編入先も同じ学問なので興味がある内容だった。しかしさすがに難関大学なのでそう簡単には解けなかった。英語は長文全てを和訳する問題だった。問題の量が多い上に時間配分にも気を付けなければならなかったので言うまでもなく難しかった。筆記試験の時点で「もうダメだ、絶対不合格だ」とずっと思っていた。教官たちが採点している間に自分は外へ出て大学校内を巡っていた。その間に後悔したことをずっと引きずることの無いように「また頑張ればいい」とずっと自分に言い聞かせていた。でもやっぱりこの時は悔しい思いが強く、涙が出そうになっていた。
しかしとんでもない奇跡が起こった。1次試験を通過することができたのだ。正直あの出来で通過できたことがあり得なかった。嬉しい気持ちと共に一気に緊張に変わった。面接では前から考えていたネタで自分の熱意を全て伝えた。そして最終的には…無事に合格した。大学で講義を受けた後に母から連絡が来たのだ。英語で足を引っ張った気がしたのだが、面接で自分が持てる力の全てを伝えることができたのが一番大きかったと思う。大学受験で失敗したぶん喜びが大きかった。その後、親とも和解することができた。
今回の試験を通して以前は諦めやすい性格だった私が、「絶対に合格する」という前向きな気持ちを持つことができたことや一から学び直すことで苦手分野を克服し、さらに勉強する意欲を培うことができたことが一番成長できた点ではないかと思う。この年は非常に感動することが多い1年だった。中ゼミで基礎から学び直させてくれたことに大いに感謝している。

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