恩師への手紙

体験記を書く際、昨年の先輩方が書かれた体験記を改めて拝読したのですが、あのように立派なことは私には書けそうにありません。そこで受験終了時に高校時代の恩師に贈った手紙を少々手直ししたものを出すことにしました。この手紙が私の受験をよく物語っていると考えたからです。体験記になるのかも不明ですし、全く参考にならないかもしれませんが、こんな編入スタイルもあることを知っていただければと思います。決しておすすめはできませんが。
先生、こんにちは。お久しぶりです。お元気ですか? 実は来年度から聖心女子大学文学部教育学科教育学専攻2年次に編入することになりました。
経緯をお話しさせていただきます。受験生生活が始まる前から絶対に先生にご報告できるように頑張ろうと思ってきたので、ご報告できることがとても嬉しいです。長くなりますが、ぜひお付き合いしていただければと思います。
現役時代は第一志望には届かず、しかし浪人もできなかったので、A大学に進学しました。悔しい気持ちもあったことは事実ですが、また新たな道も開けるかもしれないという想いもありました。そして入学。すぐに気の合う友人もできました。サークル活動をしたり、大学で紹介されたバイトを始めたりとなかなか充実した生活を送っていました。
1年生の秋に教授の紹介で、近隣の小学校で学習ボランティアを始めました。その中で大学入学時に半分諦めた教職への興味が湧いてきました。今考えると、その頃から編入を考え始めていたのかなと思います。そして2年生になったら、大学に通いながら編入の勉強もしようと冬から春にかけて、かなり真剣にプランを練り始めていました。しかし3月初旬に、クジに外れてなんと次年度の大学祭実行委員に任命されてしまったのです。それからどんどん話が進み、結局本部役員に就くことになり、そのプランは先送りすることにしました。どうせやるならどちらも本気でやりたいと思いましたし、かといって、受験勉強と実行委員会両方を本気でできるほどの力量は自分にはないと感じたからです。そこで作戦を変更して、2年次は編入試験にもまた編入後にも有利になるよう、できるだけ沢山の単位を良い成績で取得できるように更に勉強に力を入れつつ、実行委員会の方を頑張ることにしました。
編入試験は多くの大学が3年次編入を実施していることから、入学と共にゼミに入らなければなりません。従ってかなり具体的に研究内容すなわち卒論のテーマの方向性を考えておく必要があります。私自身は結果的に2年次編入になったので、そこまで具体的には要求されませんでしたが、在学時に真剣に考えておいたので、後の志望校選びの際にスムーズに決めていくことができたと思います。自分の研究テーマを決める良いきっかけになったのは、外部講師による教育社会学の講義でした。テーマ内容は自分がずっと疑問に思ってきたものだったので、大変興味を持って受けることができました。そしてその分野を研究してみたいと思うようになりました。
これも編入の特徴なのですが、同系統への編入の場合、その研究テーマなら今在籍している大学でもできるのではないかと面接時に突っ込まれ、結果不合格になることも少なくないのです。私も同系統への編入の該当者でした。しかし同じ教育学でも教育社会学系の教授はA大学にはいらっしゃらなかったので、良い編入理由になると少々あくどいことも考えていました。
そのようなことを考えつつも実行委員会の皆と必死に大学祭準備も進めていき、なんとか大学祭を終了することができました。いろいろと苦情もありましたが。
大学祭終了と同時に3年生になるにあたり、ゼミの希望調査が始まりました。いつかはこうなると予想してはいたのですが、また大きな決断を迫られる時が来てしまいました。私が在籍していた学科が教育系であるにも関わらず、教員免許が取れないのはその学科が心理学にウエイトを置きつつ、教育学も学べるという学科だったので、3年生になると必修で超過密スケジュールの心理学の実験実習及びレポート提出があり、教職を取っている場合ではなくなるからだったのです。それに加えてゼミを取らなければならない…。受験勉強+実行委員の忙しさの比にならないことは確かでした。そのことに早く気づき、去年のうちに大学祭を蹴ってでも受験生になるべきだったのかもしれない。本当に悩みました。そして散々悩んだ結果、最も危険な道を選択することにしました。大学を2年次修了で中退して、1年間編入浪人生として受験勉強に励み、そして他大学に編入するという道です。もちろん必ず編入できるという確証はなく、下手すれば最終学歴が大学中退にもなりかねない状況だったので決断した後も不安はかなりありました。しかしその決断を打ち明けた時の親や友人、教授たちの受け入れや応援が大きな後押しになりました。本当にありがたかったです。
そして2年次修了の3月、A大学を中退しました。
編入試験は概して一般入試よりも難易度は低いのですが、試験科目の英語が一般入試とは異なる形式であったり、専門の知識やある程度の小論文の技術が必要とされていたりすることから、自分で勉強するには不安がありました。そこで今までバイトで貯めたお金を使って、中ゼミに通うことにしました。
入ってみるとまわりには年齢も違えば、目標も違う、本当にあらゆる方々がいました。大学に通いながら、仕事をしながらの方々より自分はだいぶ余裕があると実感し、同時にサボリ行為へ走りそうな危機感をひしひしと感じたので、あえて毎日授業を取ることで気が抜けないようにしました。午前中から午後にかけて自習をし、夕方から夜間まで授業を受けるという生活を4月からほぼ毎日続けてきました。
またその中で、研究テーマ等から志望大学を絞っていきました。研究テーマ云々というよりはむしろ憧れでB大学(一応第一志望)研究テーマにぴったり一致する教授がいる聖心女子大学(一応第二志望だが、隠れ第一志望);A大学での成績が良好だったので成績重視のC大学(第三志望)の3校を受験することにしました。
まずは10月にC大学の入試がありました。ここは筆記試験なしで、面接と書類審査だけだったので、一応滑り止めという位置づけだったのですが、圧迫面接により案の定しどろもどろ状態になり、それがおそらく一因となり不合格でした。
次に11月中旬に聖心女子大学の入試がありました。ここはリスニング付きの英語、専門小論文、面接という試験内容でした。過去問を研究してみたところ英語のレベルが私にとっては非常にハイレベルだったので、正直挑戦校でした。しかし、運よく合格!!本当に涙が出そうでした。
本当は11月下旬にB大学の入試が残っているのですが、編入の意義やその他いろいろなことを考え受験を辞退することにしました。確かに編入は自分の出身大学のレベルアップの絶好の機会ではあるのですが、それだけで進学すると入学後に研究テーマが教授と合わない等々悲惨なことになりかねません。私にとってその危険性があるのがB大学だなと考えまして。
…非常に長くなりましたが、以上が高校を卒業してから約2年半を経て、聖心に編入するに至った経緯です。今考えても、本当に判断ミスだらけだと思います。しかし、こういう道を歩まなければ会うこともなかっただろう方々と会えました。そしてその方たちが私にとってなくてはならない存在になっています。なので、このような人生もいいかなと思っています。
さて、これから4月まで約5ヶ月あるわけですが、気を抜かず勉強を続けていきたいと思います。特に英語を。またこの半年は支出が多かったので、それを取り返すべくバイトにも励もうと思います。もしかしたら受験生生活より忙しくなるかもしれませんが、嬉しい忙しさです。
2つ年下の方たちが同級生になるが大丈夫かとか、超庶民風貌の自分がお嬢様学校と言われている学校に馴染めるかといったくだらない不安もありますが、聖心に入学後は小学校教員免許の取得を目指し、そして研究テーマを追究しつつ、第二の女子大生生活を楽しんでいこうと考えております。
追伸:私の勉強方法 (浪人生だったとはいっても、大した勉強はしていないのですが)
英語→とにかく再提出を必ず出す、ターゲットは満点を取るようにする
専門→課題は必ず出す、授業は大真面目に聞く(雑談も)、新聞を毎日読む、読んでみたいと
思った本はたとえ専門に全く関係なくてもいいのでガンガン読む
小論文→課題は必ず出す、沢山本を読んで文の構成や考え方を盗む、くだらないことでもよく
考える癖をつける
共通→プリント整理はこまめに行う、授業は休まないようにする、先生が薦めることは何でも
とりあえずやってみる
受験生の皆さん。勉強もとてもとても大事ですが、何より大切なのは身体と心です。それは
私も心の底から実感しました。具合が悪いなと思ったらさっさと寝て、辛くて涙が出そうになっ
たらちょっと公園でも行ってふぅーと休んだり、お友達とおしゃべりしたりしてくださいね。
大丈夫、そうやって自分のメンテナンスができる受験生は身も心もボロボロなままの受験生
に負けたりしませんから。
最後になりますが、中ゼミの先生・スタッフの皆さん、本当にありがとうございました。
これからも頑張ります。

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