中ゼミに入学していなければ、今の私はなかった

私は、団塊の世代である。インターネットで福祉について検索していたら、社会人を受け入れる大学があることを知り、びっくりした。この年齢になってと思ったが、世の中を見れば80歳になっても現役で活躍している人がいる。予備校は教職員が優れているのと、実績があるのを知り、中ゼミに決めた。自宅から中ゼミまで、地下鉄、自転車を利用して片道約1時間半から2時間費やす。夜間の授業なので、家に到着するのは夜11時頃になる。
 志望大学が、学習計画書の提出と、入試では小論文と面接だけである。ゼミは5月に開講するので、その前に市販の小論文の参考書で勉強した。模範解答にだけ目がいってしまい、独学では時間の割りに実力が伸びないなあと実感した。5月から小論文の講義を受けた。最初の授業の後半に小論文を書かせられた。自分では何とか書いたが、次回の授業の時に添削して返されたものを見ると、コメントが厳しかった。先生が、小論文は今から勉強するのだから気にかけなくてもいいと言った。授業の前半は講義と前回の小論文の解説があり、後半は小論文を書かせられた。小論文を書くことは毎回プレッシャーだったが、提出し、高円寺のホームで、電車を待っている時は充実感があった。授業の後半で毎回、小論文を書くことにより、時間配分を組み立てられるようになった。またコメントや添削の指摘を読み、どう表現すればよい小論文になるか解るようになった。
 編入試験は10月なので前期コースだけでよいのではないかと思ったが、通年コースに入学してよかったと思った。小論文は書けば書くほど上達するものだが、添削を受けなければ的を射た論文にならないこともある。通年コースでよかったことは、前期コースと後期コースの前半で小論文を勉強できたことである。
 後期コースでは、とても大事な学習計画書(大学によっては志望理由書)の指導と面接対策が大切である。オープンキャンパスに2回行った時も、学習計画書と面接の大切さを個人面接の時に教授に言われた。私が学習計画書の指導を中ゼミから受けなかったら、合格していなかったと思う。指導を受け、完璧だったので、後は小論文の作成だけに集中すればよかった。本当に中ゼミのおかげだった。当初、入学金や授業料を見て、少し高いのではないかなあと頭をかすめたが、それだけの指導があった。入学できずに、1年間棒に振ることさえあるのを考えると、今では高くなかったのだと思うようになった。
 本番での小論文の試験は、90分で2問だった。1問が要約問題で、もう1問が課題文を参考にして自分の意見を述べる問題だった。授業では、毎回45分から60分で1問書いていたので、時間配分にあわてなかった。さらに小論文の導入文に授業で教わって暗記していた文章を書くことができ、ほっとし、次の本題、結論につなげることができた。そのため時間を少し余して完成することができた。それで、字句の見直しに残時間を使うことが出来た。
 面接では、試験官が2人(男の方と女の方)で受験生は1人だった。会議室で行われ、長テーブルが並んで座っていた。机上には成績証明書とか学習計画書の写しがあるようだった。2人の試験官のうち、男の試験官の方が入り口に近い方に座っていた。受験生1人に対し15分の予定だった。男の試験官に、学習計画書に書いてあることや、書いてないことの質問を受け答えたが、15分経過したようだ。男の試験官が、女の試験官に何か聞きたいことがあるか聞いたようだ。けっこう厳しい質問だった。学習計画書に書いてあるのを深くつっこんで聞いたり書いていないことも厳しく聞いて来た。会話が途切れないように答えていたら、男の試験官が「もういいのではないか」ということを耳打ちしたと思った。そこで面接が終了した。試験官から「これで面接が終わりました」と言われたので、私が「どうもありがとうございました。」と座ったままで言い、立ち上がってから、「よろしくお願いします。」と礼をしたら、はじめて気づいたように2人が顔をあげた。会議室を出る前に、入り口で荷物を持ち「ありがとうございました。」と礼をしたら、試験官2人がこちらを見て、「ごくろうさまでした。」と言った。面接時間は長かったが、大丈夫答えられたと思った。最初はマニュアル通り答えたが、長いとマニュアル通りにいかないので、無難なことを正直にしゃべった。インターネットで検索して笑顔の作り方を練習したので、面接時間は長かったが笑顔を出すことができた。暗い感じにならないように意識して面接に臨んだ。笑顔を出すことにより、緊張感がなくなることを知った。緊張感がなくなると、どんなことを聞かれても答えられた。繰り返しになるが、中ゼミに入学しなければ、今の私はなかったと思う。 

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