入念な準備と情報収集が鍵

 私が編入を目指したのは通常の北海道大学の受験に失敗した三月ごろからです。編入制度があることは元々知っていたので、比較的早い段階から準備することが出来ました。とはいえ、滑り止めの大学入学に伴う準備や履修登録など多忙だったため、きちんと勉強を始められたのは四月後半から五月ごろだったと思います。まず、編入を目指すにあたって本格的に勉強を始める前の下準備からお話しします。
 まず、編入試験を実際に受けた方のお話を聞くと良いと思います。幸い私の周りには数人北大編入試験に受かった知り合いがいましたので、中ゼミ生になることの利点やテキストの使い方、また在学する大学の授業と自分の勉強との兼ね合い、時間の使い方などかなり参考にさせていただけました。知り合いがいなくてもインターネットや中ゼミの合格体験記を参考にすると良いと思います。それから、編入試験では学力ももちろんですが在学中の大学での習得単位数も重要になってくるので、単位の取りやすい授業など、在学大学の先輩に尋ねると良いかと思います。在学大学での授業についての詳細は後程書きます。
 次に、春からの勉強についてお話します。まず、北大法学部編入試験の科目は英語と小論文。先述した通り春先は多忙ですので、この時期には中ゼミの課題のほか、英単語や英文法、また小論文ネタ帳・書き方テキストなどを読むことで土台を作ることをお勧めします。大学に慣れてきたら、中ゼミの長文和訳のテキストをやり始めます。最初は全く読めなくても問題ありません。知らない単語、構文はマーカーして調べ、かつ「わからなかったものノート」を作ると良いです。例年英和辞典の持ち込みOKだった北大ですが、私の時は禁止されたので(試験二週間前くらいに受験票で知らされました)かなり焦りました。単語の勉強はしっかりしましょう。小論文については私は高校時代一度も書かなかったので、まず小論文の構成の仕方を勉強し、それに沿って書いてみることから始めました。
 次に夏休みですが、個人的にはここが正念場だと思います。英語はこの時期までに長文和訳のテキストを一周終えていることが理想で、夏休み中に三周することを目標とします。夏休み終了時にはすらすら読めるようになっていると思います。小論文は中ゼミの課題を提出しつつ、自分の小論文テキストを使ってとにかく書いて数をこなします。小論文の中ゼミ課題は高得点は難しいです。私も最後まで最高で70点程度でした。参考程度にと考えてあまり気にしない方が良いと思います。注意して読むべきアドバイスは「全体の構成」「漢字・スペル」「言い回し」について書いてあるものです。これらはしっかり復習した方が良いです。北大の小論文は模範的な回答を書いても高得点を取れるとは限らないので、構成をしっかりして、求められた課題からあまりに逸れた内容でなければ、自分の書きたいように書いていいと思います。尚、中ゼミは通信生でも志望大学の過去問請求をすることが出来ます。夏休み中に過去問を5年分くらいやってみることをお勧めします。
 次に夏休み明けから試験当日まで。追い込みなのでひたすら中ゼミの課題を提出・復習し、長文和訳テキストと過去問をやり尽くします。小論文も課題と過去問に集中します。この時期は数をこなすしかありません。当日はぎりぎりまで自作の「わからなかったものノート」や単語帳で復習に時間を使いましょう。
 ここまでが試験までの勉強の流れです。この先は在学大学での授業についていくつかアドバイスを書きます。まず、北大の二年次編入は一年次修了時点で32単位の習得が入学条件になります。後期は追い込みの時期と重なるので、なるべく前期に単位を稼ぐことをお勧めします。私は前期に26単位取ったので、後期はかなりゆとりがありました。また、英語系の授業など編入の勉強に役立つ授業を取ることで効率的な学力の向上も図れます。更に、北大法学部では二年次編入での入学後、法学部系授業のほか教養科目10単位分を取らなければなりません。この時、元の在学大学で法学系教養科目(民法・刑法・憲法・政治学の基礎分野)を取っていると既修得単位として互換できる場合があるので、一年次の履修登録の際は北大と在学大学のシラバスをよく比較して、内容が似ている法学系教養科目があれば取っておくと良いと思います。
 長くなりましたが、結論としてはタイトル通り入念な準備と情報収集が試験突破の鍵となってきます。情報収集はもちろん中ゼミに問い合わせることのほか、ツイッター等SNSで編入体験者を探してDMを送ってみるのもいいかもしれません。あとは自分の勉強ルーティンを確立して、ペースを乱さないことが大切だと思います。諦めずに頑張ってください。

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