通信から編入へ

 私は現在社会人です。高校を卒業後、大学へは進学せず、社会人になりました。私の両親は、高校卒業後の資金的な援助はしないという方針でした。そのため、高校卒業後に大学へ進学する場合、親に借金をし社会人になってから返済していくか、奨学金を借りる必要がありました。私は昔から子どもが好きだったということもあり、保育士になりたいという願望もありました。しかし、高校時代勉強が全く好きではなかったため、自分で学費を出してまで勉強をしたいとは思えず、大学へは進学せずに社会人となりました。教育関係の出版の仕事に就いたため、子どもと関わる機会が度々ありました。直接子どもとかかわって、やはり私はいつも子どもと触れ合うことのできる仕事がしたいと改めて感じました。実家を離れて一人暮らしをしていたため、仕事を辞めるわけにはいかず、仕事をしながら勉強することができ、なおかつ保育士、幼稚園教諭、小学校教諭の免許取得が可能な日本女子大の通信制へ入学しました。通信大学は基本的にはレポートを提出し、合格後に科目終了試験を受け、それに合格するとやっと単位がもらえます。しかし、スクーリングといって、学校に数日間通い、授業を受けることで単位が取得できるという方法もあります。スクーリングで私は、19歳の子や、孫がいらっしゃる60代の女性など様々な学生に会いました。通信の学生は様々な環境の中で勉強をしているため、10年かけて卒業する人も珍しくありません。しかし私は、必ず4年で卒業の単位と教職の単位を取得し卒業すると決めていました。スクーリングはレポートよりも単位の取得がし易いということもあり、夏は1か月仕事を休みスクーリングに通いつめたりもしました。

 編入試験を受けようと決めたのは1年次の冬でした。それからはとにかく編入条件である62単位を早く取り終え、編入の勉強に集中しようと考えました。また、それまでは単位さえとれればいいという考えでしたが、編入試験時に成績の評価も関係すると思い、なるべく高い評価を得られるよう、今まで以上に勉強しました。2年次の6月までは編入に必要な英語の勉強を独学で行っていました。高校程度の英語も危うく、TOEICも一度も受けたことがなかった私は、英語を使う仕事をしている知人に受けたい大学の過去問を見せ、どの程度の単語が必要なのか。また、その人が大学受験時に使っていた参考書と同じものを買い勉強しました。しかし、日に日にこんな勉強の仕方で本当に合格できるのだろうかと不安が募りました。そして、たまたまHPで中央ゼミナールの存在を知りました。偶然にもその2日後に編入の説明会が開かれるということと、ちょうどその日が仕事が休みで都合がよかったために説明会に行き、入ることに決めました。はじめのうちは、授業はわけのわからない世界でした。前期の授業は4月から始まります。6月下旬に入った私がすんなりと慣れることができるはずもなく、授業の内容を理解するどころか、みんなの動きに合わせるのが精一杯でした。仕事は週2日の出勤に減らし、必要な授業はすべて受けました。仕事の日も今までよりも1~2時間は早く起き、勉強をしてから出かけました。昼休憩中も、単語帳を傍らに置き、暗記をしながら食事をしました。何か月も一定のペースで勉強を続けることはとても大変です。やめてしまいたいと感じたときもありました。そんなときは、高橋先生との面談でやる気を奮い立たせていただいていました。また、受験は個人戦だと思いがちですが、みんなで励まし協力し合うから頑張れるのだと思います。高橋先生はクラスの皆を結びつけてくださいました。仲良くなったことで、面接の練習もみんなでし合いました。また、電車での帰り道にクラスの子と話すことで、元気をもらいました。刺激をもらって、また明日から頑張ろうという気持ちにもなれました。

 社会人になってから大学に行くというのは勇気がいることです。勤務日数や時間を減らす、または辞めなくてはいけないかもしれません。現在通信大学に在籍していて、編入したいんだという話をすると、理解を示してくれる人もいれば、なんで今更大学に?と物珍しい目で見られることもあります。今年の夏のスクーリング時に、児童学科の先生に通信から編入する人はいるかと尋ねたところ、「それは聞いたことないね」と言われました。それを聞き、やっぱり私がしていることは不可能なことなのかな、と考えこんでしまいました。でも、編入したいという気持ちがとても強く、せっかくここまで頑張ってきたのだから後悔しないようにとにかく最後までやろうと思い直しました。日本女子大学の面接時、面接官の先生に通信からの編入希望者は初めてだと言われました。結局、私は二つの大学に合格しました。どちらも行きたい学校だったので本当に嬉しかったです。高校受験も第一志望の学校に落ちたこともあり、私には努力して成功を得たという経験がありません。中央ゼミナールに入っていなかったら、この成功は無かったと思います。この半年間の編入の体験で合格とともに沢山のことを得ました。人と人とのかかわりの大切さ、自分に対する自信、努力することの大切さ、また、生まれて初めて勉強が楽しいとも感じました。受験は終わりましたが、編入してからが勉強の本番です。4月までに少しでも沢山の本を読み、知識を深めたいと思っています。高橋先生をはじめ、中央ゼミナールの皆さん、本当にありがとうございました。

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