はじめての大学編入

 率直に申し上げて、中央ゼミナールに入学したのが4月22日、大学合格が6月25日でしたので、1ヵ月ほどしか通っていません。

 私は昨年度まで、私立大学の歯学部で歯科医師となるための教育を受けていました。その過程でDNAの複製機構について講義や実習で詳しく学ぶうちに、歯学よりもこちらの研究をしていきたいと考えるようになりました。もともとDNAの複製は高校の生物の授業で簡単に学習しており、その時にもDNAが自動的に複製される仕組みや、損傷があっても修復する仕組みの複雑さにとても面白さを感じていましたので、大学でさらに詳しく学ぶうちにその興味はより強いものとなり、このメカニズムの解明を専門的にやっていきたいと考えるようになりました。

 他の大学に行きたいという気持ちはずっとありましたが、機会がないまま4年次まで進みました。ある時、本屋で中央ゼミナールの「はじめての大学編入」という本に出会いました。これを読むと、一般入試よりもずっと少ない科目で2年次や3年次から、しかも国立大学に入れるというのです。

 国立大学生なんて格好良いなあ、なんて妄想をしながらも半信半疑で中央ゼミナールの入学相談を予約しました。面談の担当は入学後にも暫くお世話になる粕谷先生でした。大学編入の仕組み、今の大学を卒業していなくても必要な単位数さえあれば編入が可能である事、自分のやりたい研究は「理学部」というところで学べる事や、自分の得意な生物の科目と面接のみで受験できる大学がある事、などを丁寧に説明してもらいました。強引な勧誘どころか、ほとんど勧誘の素振りもなく、親切に情報を提供して頂いたので非常に信頼ができ、帰宅後に家族と相談して入学を決めました。

 「大学編入単科コース」に4月のⅡタームから入り、毎週土曜日だけ、大森先生の編入生物<基礎>と<応用>の授業を受けました。教材はオリジナルテキストや実際の大学編入試験の過去問題でした。志望する茨城大学では、基礎的な問題でありながらも記述が多く、理解度や生物学的思考力を評価する問題が出題されますので、高校生物レベルの内容をただ暗記するだけではなくしっかり理解しながら解いていく<基礎>と、100字程度で記述する論述問題を取り扱う<応用>はどちらもとても役立ち、実際の試験でも授業でやった問題がいくつか出題されました。特に論述問題に対しては、長いようで短い100~200字の中で最低限書かなければならない事を含めてどのようにまとめていくか、などの独学では決して学ぶ事のできない貴重な説明を受ける事ができました。お忙しい先生ですが、休憩時間や授業後に自分で勉強していて分からなかった問題などを質問する事ができたのでとても助かりました。

 授業とは別に、1回30分の個別面談や過去問題のコピー、自習室も利用しました。個別面談では最初に2回かけて、それまで曖昧であった志望動機を明確にしていきました。茨城大学では志望理由書の提出がなかったのですが、面接対策も兼ねるために作った方が良いと言われ、そうする事でしっかりと話の軸ができていくのだと教えられました。実際、これによって面接で話していくためのストーリーが出来あがってきました。次に2回の模擬面接をしてもらいました。初めての質問を沢山されるので戸惑いましたが、最後に良かった点と悪かった点、答えられなかった質問については模範的な解答例などを教えていただきました。本番の面接でされた質問は、すべてが模擬面接で練習した質問でしたので、過度な緊張感がなく落ち着いて対応する事ができました。過去問題のコピーについては、志望する大学のものをいくつかコピーさせていただきました。大学によってはインターネットで2年分くらいダウンロードする事ができますが、中央ゼミナールの資料閲覧コーナーにはかなり古い問題まで保管してあるので大学の出題傾向の変化まで調べられました。自習室は静かで広く空調がきいているので、特に暑い時期は有り難いです。周りから漂ってくる緊張感のおかげで勉強に集中できました。また、私は利用しませんでしたが欠席した授業はDVDで映像を見られるので安心でした。

 中央ゼミナールに入学してから合格するまでの間、大学編入をする事は家族以外には話しませんでした。受験前に以前の大学は辞めてしまったので、編入に失敗する事を恐れて不安になったからです。合格してから親しい友達に伝えると、自分の事のようにとても喜んでくれました。場合によっては自分も編入を考えてみる、という人もいました。

 以前の大学に入学した事は決して間違いではないし、その経験があったからこそ今回の編入をする事になったわけですが、もしこれを読んでいる人で、今の大学では自分のやりたい研究ができなかったり、自分には合わないと思ったら、大学編入という選択肢を考えて欲しいです。もちろん学部・学科によって難易度は異なりますが、一般入試と比べて非常に少ない時間と労力で今よりも良い大学にステップアップできる可能性があるからです。わざとらしく宣伝をする気はありませんが、編入に対して中央ゼミナールは全国で一番の情報量と、信頼のできる講師陣を持っていると思います。大学編入をするにあたって最も不安だったのは、受験をする際の情報不足でしたが、あらゆる大学の入試情報や筆記・面接対策の知識、10年も前の過去問題まで提供していただけたので安心できました。  最後になりましたが、この下手で長い文章を読んでいただき、ありがとうございました。短い間ではありましたが、粕谷先生と大森先生をはじめ、中央ゼミナールのスタッフの方々には大変お世話になり、とても感謝しています。

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