大学編入の基礎知識~大学編入試験の受験資格①

 今日は、第1回で、受験資格について説明したいと思います。とは言っても、この回だけでは書ききれないほど、いろいろと例外事項もあります。必ず連載の最後まで読んで下さいね。
 さて、大学編入の受験資格は学校教育法に法令上の根拠がありますが、難しい話を飛ばしてしまうと、現状では下記の方に認められています。
①大学卒業(見込)者/学士号取得(見込み)者
②短大卒業(見込)者
③高等専門学校卒業(見込)者
④専修学校専門課程(修業年限が2年以上、総授業時数が1,700時間以上であるものに限 る)修了(見込)者
⑤大学で所定の単位を修得した者(見込含む)/2年次修了(見込)者/1年次修了(見込)者
 ただし、実際にどの資格者を受け入れるかは、各大学の裁量です。さらには、学部によって、時には学科・専攻によって、資格が異なることもあります。その中で、上記資格者すべてに受験資格を与えている試験を、中ゼミでは一般編入と呼んでいます。①の大学卒業者のみに与えられている場合は、学士編入(あるいは学士入学)と言います。そのほか、編入には一般入試並みに指定校推薦、公募推薦などもありますが、こちらは別の機会に説明しますね。
 もう一つ、ついでにお話ししておくと、大学や短大などの卒業者が受験する場合を編入、他大学在学者が受験する場合を転入と呼ぶ大学もあります。
 さて、受験資格に戻って、順に説明しましょう。
①大学卒業(見込)者/学士号取得(見込み)者 
 まず、大学卒業の中には、通信制大学や放送大学も含まれます。次に学士号取得者についてです。大学ももちろん学位を授与できますが、ここで言う学位号取得者とは、独立行政法人大学評価・学位授与機構によるケースを指します。簡単に述べると短大や高等専門学校卒業後に大学での科目履修や専攻科などでの学習を経て、学位授与機構による審査で大学卒業者と同等以上の学力を有すると認められた場合と、各省庁大学校からの申し出を受けて学位授与機構による審査で大学卒業者と同等以上の学力を有すると認められた場合に、学位を得ることができます。
 
 ①で注意したいのは、大学によっては、出身の学科とは異なる学科の出身者のみ、受験を認めることがあることです。たとえば法学科への編入の場合、法学部法学科出身者は受験できませんが、法学部政治学科出身者は受験できるということです。
 学士は、一般編入に加えて学士編入(学士入学とも言います)のみ実施している学部や大学への編入ができます。中でも東京大学の文系各学部や早稲田大学の多くの学部を受験できるのは魅力です。選択肢は広いと言えますね。
とは言っても、すでに大学を一つ卒業した後で、大学にもう一度行くわけですから、大きな決断と言えます。医学部や看護学部などの国家資格が取れる場合、東大や早稲田などの有名大学を目指す場合などが多いのは確かですが、中には、自分の学びたい専門分野での学習をめざす方もいらっしゃいます。
 と、ここですでに時間切れです。ちっとも面白い話ではありませんが、連載はまだまだ続きます。読んでいただけるのか、すでに少々不安です(-_-;)。