慶應義塾大学の大学編入

昨日、このブログを見て、あらあら、次は慶應義塾大学の編入ということだったのに、何で青学…とがっかりした方もいらっしゃるのでは。申し訳ありませんでした。でも、私的には昨日書いたことは、ぜひ、皆さんに読んでいただきたいなと思っています(^-^)。ということで、本日のテーマは慶應義塾大学の大学編入です。
 先日、あるスタッフが、こんな話をしてくれました。まだ、中ゼミで指導スタッフになって間もない頃、入学相談で慶應義塾大学経済学部に編入したいという学生を担当した。相談者が試験があることを前提に話しているので、まだ知識が少なかったために、慶應は編入をやっているものと自分も思いこんで話していた。ところが後でないことがわかって…。
 後でちゃんとその方とは話ができたようですが、まれにこういうこともあります。大学編入は全ての大学でやっているわけではない…ということですね。それでは慶應義塾大学編入試験の実体はどうなっているのでしょうか。
 この大学でいう編入とは、実は主として内部での転部、通信教育学部からの転籍を指します。外部から受け入れているのは理工学部の2年次編入(大学1年修了者が主な対象)と看護医療学部看護学科の学士編入のみです。
 まず、内部の試験です。1,2年に一度くらい、慶應にどうしても行きたいので、通信教育学部から編入したい…という相談を受けることがあります。正直なところ、これはお勧めできません。まず、ここの通信は単位を取るのがとても大変です。以前、中ゼミで講師をしていた方が慶應通信のレポート添削をしており、「簡単には合格させないように」と言われていたそうです。ですから入学した1年目に1年修了見込みで受験するのは、まず無理と考えた方がよいでしょう。必要な単位の取得が難しいからです。次に、たとえ受験資格を満たしたとしても、どうも先生方に取る気があまりない…ように思われます。筆記で受かっても面接で落ちる人がいるためです。
 ある中ゼミ生は2年続けて面接で落とされて、結局、他の国立大学に編入しました。もちろん、中ゼミから受かっている人もいますし、割合から言えばだめだった方よりも受かった方の方が多いのですが、学力だけではなく、面接でもしっかりと自分の意見を述べることができないと、合格は難しいということです。受験資格を満たすまでに何年もかかったあげく、面接で落とされる可能性を考えると、リスクが大きくてお勧めはできません。
 次に外部から受け入れている理工学部と看護医療学部ですが、こちらも少々不安です。まず、理工学部については、合格者が定員に満たない点、今年から理科2科目が課されるようになったことなどから、大学側が編入生の学力について、厳しい目で見ていることがわかります。編入した先輩たちが頑張ってくれないと、編入試験をやめる…なんてことにならないとも限りません。心配です。前回書いた、大学側がまともな答案…と考えるレベルに達している受験生が、大学の先生から見ると恐らく少ないのでしょう。逆に言えば、本当に頑張る受験生にとってはチャンスとも言えるのですが。
 それから看護医療学部看護学科の学士編入ですが、こちらもどうなることやら…。数年前から英語試験がなくなってTOEFLのスコア提出になったのですが、受験者が激減してしまったんですね。今年は10名に満たなかったとのこと。その少ない受験生の中で、よい学生を確保するのが難しいと大学が考えるようになったら、どうでしょうか。看護系学士編入受験者の志望理由書などをみている私としては、ぜひ、続けてほしいのですが。
 ということで、慶應についてはよい話を書けないのが残念です。人気の高い早慶・東大は、一般編入試験をやらなくても一般入試でよい学生をいくらでも確保できる…と、考えているのでしょうが、様々な学生に対して教育の機会を開くのが大学の役割だと私は思うのですが。</