伝統の早稲田二文がなくなる…

 一文との統合が公表されて以来、どうなるのかと固唾を飲んでいた早稲田大学第二文学部の去就ですが、3年次編入試験の実施は今年度(平成18年度)までと、ホームページで発表されました。一般入試の募集が今年度まであるため、てっきり編入試験はあと2年、実施されると思っていましたから、ショックでした。
 中ゼミで編入指導を担当してから17年を数えますが、この間、二文を第一志望にする学生がいない年はありませんでした。確かに夜間部、されど早稲田…。早稲田大学で大学生や短大生が受験できたのは、長年、第二文学部だけでした。今でこそ、社会科学部や商学部も受験できますが、合格数の少なさと来たら…、未だに積極的に受け入れているとは言えません。でも、二文は毎年多くの合格者を出していました。今まで二文編入で笑った人、泣いた人、いろいろな顔が思い出されます。
 Bさんは大学2年生、それも決して恥ずかしいような大学ではなかったのに、どうしても早稲田に行きたいと、二文と社会科学部両方受験してともに合格し、二文に編入しました。中ゼミに来た当初は、早稲田に行きたいあまりにいつもピリピリ。なぜ、そんなにつらい思いをしてまで早稲田に行きたいのか、今の大学ではどうしていけないのか、正直言って私にはわかりませんでした。でも、合格したときに初めて見せた満面の笑顔に、もやもやも晴れる思いでした。早稲田にはそれだけ魅力があるのでしょう。
 一方で1次試験に受かりながら涙をのんだ人もいます。面接で「○○先生の本を読んでぜひ、早稲田で勉強したいと思って」と言ったら、面接官に「○○君は忙しいからね。キミの面倒なんかみていられないよ」と言われて不合格になったCさん。だから、特定の先生の名前はあげないようにって言ったのに…。先生方は一人ひとりがお山の大将、仲が悪いかもしれないんだから。といっても、後の祭り、翌年上智に受かったけれども、彼女にとってつらい体験でした。
 数々の受験生の思いを残して、編入試験伝統の早稲田二文がなくなる。ちょっと淋しいニュースでした。